国際平和デーに考える。アサド政権崩壊から9か月、1,650万人が支援を必要とするシリアで私たちができること
アサド政権が崩壊し、新たな局面を迎えるシリア。Piece of Syriaは帰還した子どもたちが学びを取り戻すためのクラウドファンディングを9月25日から始めます。
シリアでは、アサド政権崩壊から9ヶ月が経ちましたが、長きにわたる戦争の爪痕は大きく、今もなお、教育・保健・食糧・水衛生などの基盤は深刻に損なわれ、全国の学校の約40%が損壊。3人に2人の子どもが学校に通えない状況です。
教育の灯を守り続ける日本発の教育支援NGO「Piece of Syria」は、9月21日の国際平和デーを機に、日本からできる支援の輪を広げるための呼びかけを行います。

今なお続く世界最大の人道危機:教育の崩壊と帰還の道
2024年12月、アサド政権の崩壊以降8カ月が経過したシリア。歓喜の陰で、依然として深刻な人道危機が続いています。インフラ破壊の影響で、全国の学校のうち約40%が損壊、3人に2人が就学できない状況が続いています。
また、政権崩壊後の6か月間で、国外からの帰還者が約78万人、国内避難民の帰還者が134万人にのぼるなど、帰還が進む一方で、教育や生活環境の整備が追いついていません。

さらに、ReliefWebの最新レポートによれば、現在も約1,670万人が人道支援を必要としており、支援要請のうち85%が未調達という深刻な供給ギャップが存在します(OCHA、2025年7月24日)。
教育の危機を乗り越えて、未来への希望を作りたい
今のシリアの子どもたちにとって、学校に通い続けることは簡単ではありません。
学校に行ったことがない生徒だけでなく、学校に一度入った生徒の55%が退学をしています(The Syrian Observer,2024年)。高い退学率の背景には、小学校教育の質の低さがあります。戦争や地震によって校舎が破壊され、教室が不足しているため、1クラス70人もの児童が詰め込まれることもあり、教師が一人ひとりに十分な指導を行うことができません。
また、多くの教師が無給で働いており、 副業の疲れから授業に集中できなかったり、生活のために別の仕事を優先せざるを得ず、教師不足がさらに教育の質の低下を招いています。
ですが、「子どもたちは未来。教育が未来なんだ」と話し、教育をもってシリアの未来を作ろうとするシリアの人たちの思いに、私たちPiece of Syriaは寄り添い、シリア北部のアレッポ市内に幼稚園を作るためのクラウドファンディングを行います。
なぜ幼稚園への支援なのか?
今回のクラウドファンディングでは、難民・避難民の帰還が進み、人口が集中しているアレッポ市内で、150人規模の幼稚園を運営するための資金を募ります。
厳しいシリアの教育環境の中で、幼稚園は大きな役割を果たしています。半数の小学生が退学している中、私たちが今まで運営してきた幼稚園の卒園生の退学率は1割以下、また成績が優秀だと地元の小学校からも評判になっているのです。幼稚園で楽しく基礎教育を学ぶことで、小学校の授業についていくための土台を築くことができます。

治安が悪化し、多くの子どもが家に閉じこもり、友達と遊ぶ機会を持てないことが、学校を離れる一因となっています。しかし、安心・安全な環境の幼稚園で友達と過ごすことで、集団生活に慣れ、学校生活への適応力が高まります。
加えて、不安を抱える子どもたちにとって、幼稚園は心のケアや社会性を育む場ともなり、小学校以降の継続的な学びを支える大きな役割を果たします。
幼稚園で安心して学びの土台を築くことは、小学校での学びの定着率を高め、退学を防ぐ最も効果的な方法の一つです。
今回のクラウドファンディングでできること
厳しい状況であっても、シリアの人たちは「きっと、自分たちの力でよくできる」「教育が未来なんだ」と希望を持って前を向いています。その人たちの希望を応援したい、と私たちが今までも力を入れていた「教育支援事業」を前に進めるのが、今回のクラウドファンディングへの挑戦です。
幼稚園の運営を通して、150人のシリアの子どもたちに小学校の準備となる「基礎教育・心のケア」を届けます。どうか、寄付を通じてシリアの、そして世界平和を目指す仲間になってください!!ご支援とご協力を心よりお願いいたします。
皆様からのご寄付は「幼稚園の教職員 12名の人件費」「150人分の教科書・文房具・通園バッグ」「画用紙・絵の具などの教材費」「遠足などのアクティビティ費」「家賃・光熱費・冬の暖房費」のために、大切に使わせていただきます。

シリアの再出発に学びの拠点を一子どもたちの笑顔と未来を守る幼稚園-
【目標金額】750万円(All-in)
【実施期間】9月25日(木)朝7:00〜11月7日(金)23:00
【URL】 https://readyfor.jp/projects/syria2025 (9/25から確認できます)
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