ブロックチェーン技術を活用した本人確認(KYC)高度化プラットフォーム構築の実証を開始
デロイト トーマツ グループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループが参画するブロックチェーン研究会が7月より開始
デロイト トーマツ グループならびに株式会社みずほフィナンシャルグループ、株式会社三井住友フィナンシャルグループ、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループが参画し、ブロックチェーン技術の研究を推進しているブロックチェーン研究会は、2016年11月に報告書をまとめた「国内の銀行間振込業務におけるブロックチェーン技術の実証」に続く、新たな研究「本人確認(KYC:Know Your Customer)高度化プラットフォームにおけるブロックチェーン技術の適用に関する実証」を7月より開始します。
「本人確認」は、マネー・ローンダリング対策(AML:Anti-Money Laundering)やテロ資金供与対策(CFT:Combating the Financing of Terrorism)、経済制裁対応に関係するものとして国際的に規制が強化されています。国内においても個人を対象とするものを含め、厳格化が進められており、それに伴い金融機関の事務処理が増えることが想定されます。そこで、金融機関が共通利用できるインフラを整備することなどによって、本人確認の効率化と高度化を進めることが期待されます。
こうした背景に鑑み、本研究会では「改ざん耐性」「高可用性」等の特性から、本人確認の効率化への親和性が高いと期待されているブロックチェーン技術を活用した「本人確認(KYC)高度化プラットフォーム構築」を新たな研究テーマとし、その技術を用いた本人確認システムのプロトタイプの作成と、仕様の決定を目指すこととしました。効果検証においては、要件の充足性(機能実現性・性能・セキュリティ 等)、コスト低減効果等を検証観点に据え、ブロックチェーン技術を用いた新たなシステムの有用性を本研究会で評価する予定です。
実証では、現状、各金融機関で行っている本人確認事務手続きの一部を新たに設立する共同運営機関(以降、コンソーシアム)で行うとともに、参加する金融機関の判断で、当該顧客の本人確認を既に実施した他の金融機関の確認結果を利用すること等により、本人確認等の事務手続きを簡素化する仕組みを設けることを想定しています。具体的な仕組みは、現時点では以下を想定しております。
1.顧客は特定取引※1を実施する前に、コンソーシアムのWeb登録フォームから必要な本人特定事項の登録申請を実施。
2.コンソーシアムは、経済制裁対象者リスト等のスクリーニングを実施。該当がない場合、該当無(以下、スクリーニング情報)をブロックチェーン上に記録。
3.上記顧客が金融機関Aにおいて特定取引を実施しようとする際は、顧客からの意思表明※2によって、コンソーシアムから金融機関Aに当該顧客の本人特定事項とスクリーニング情報を引渡し。金融機関Aが当該顧客の本人確認を実施するとともに、上記情報を参考に取引可否を判断(顧客の本人確認時にブロックチェーン上の記録に誤りがあることが判明した場合には、コンソーシアムで再度2.の手続きを実施)。
4.金融機関Aは、口座開設などの特定取引を実施した場合には、コンソーシアムを介して、ブロックチェーン上の顧客情報に実施した取引内容を記録。
5.上記顧客が金融機関Bにおいて特定取引を実施しようとする際は、顧客からの意思表明※2によって、コンソーシアムから金融機関Bに当該顧客の本人特定事項とスクリーニング情報を引渡し。金融機関Bは、コンソーシアムを介して当該顧客が金融機関Aで本人確認済みであることを確認し、当該確認をもって金融機関Bでの本人確認とすることも可能とする(各金融機関の判断) (なお、その際、金融機関Bは、当該顧客が同様の取引を様々な金融機関で実施していないかなど、ブロックチェーン上に記録された当該顧客の取引履歴を参照し、なりすましのおそれがないかどうかを検証)
上記は、顧客がコンソーシアムに参加する金融機関と新規に取引を行う場合を想定したものですが、コンソーシアムに参加する金融機関と既に取引を行っている既存顧客の取扱いについても上記実証の中で検討を行なっていきます。
なお、今後、金融庁において、「未来投資戦略2017」(2017年6月9日閣議決定)において記載されている「FinTech実証実験ハブ(仮称)」が設置される場合には、当該枠組みへの申込みを検討して参ります。
※1 口座開設、200万円を超える大口の現金取引、10万円を超える現金での振込などの取引
※2 本人確認情報登録完了の証左として取得したデジタル証明書を顧客が提示することを想定
実証で行う本人確認(KYC)の仕組みの模式図
ブロックチェーン研究会は、ブロックチェーン技術を日本の継続的な成長を支える技術的な要素としてとらえ、国内金融機関がその技術の礎を築くことに貢献すると共に、欧米金融機関に比肩する水準まで技術レベルを高めていくことを目指しています。そして、今回取り組む実証のように、実用化の方向性を定めることで、今後も国内金融業界の発展に寄与することを引き続き目指しています。
なお、前回の「国内の銀行間振込業務におけるブロックチェーン技術の実証実験」に関する報告書は、以下URLよりご確認下さい。
ブロックチェーン研究会による「国内の銀行間振込業務におけるブロックチェーン技術の実証実験に係る報告書」について(2016年11月30日発表)
https://www2.deloitte.com/content/www/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20161130.html
「本人確認」は、マネー・ローンダリング対策(AML:Anti-Money Laundering)やテロ資金供与対策(CFT:Combating the Financing of Terrorism)、経済制裁対応に関係するものとして国際的に規制が強化されています。国内においても個人を対象とするものを含め、厳格化が進められており、それに伴い金融機関の事務処理が増えることが想定されます。そこで、金融機関が共通利用できるインフラを整備することなどによって、本人確認の効率化と高度化を進めることが期待されます。
こうした背景に鑑み、本研究会では「改ざん耐性」「高可用性」等の特性から、本人確認の効率化への親和性が高いと期待されているブロックチェーン技術を活用した「本人確認(KYC)高度化プラットフォーム構築」を新たな研究テーマとし、その技術を用いた本人確認システムのプロトタイプの作成と、仕様の決定を目指すこととしました。効果検証においては、要件の充足性(機能実現性・性能・セキュリティ 等)、コスト低減効果等を検証観点に据え、ブロックチェーン技術を用いた新たなシステムの有用性を本研究会で評価する予定です。
実証では、現状、各金融機関で行っている本人確認事務手続きの一部を新たに設立する共同運営機関(以降、コンソーシアム)で行うとともに、参加する金融機関の判断で、当該顧客の本人確認を既に実施した他の金融機関の確認結果を利用すること等により、本人確認等の事務手続きを簡素化する仕組みを設けることを想定しています。具体的な仕組みは、現時点では以下を想定しております。
1.顧客は特定取引※1を実施する前に、コンソーシアムのWeb登録フォームから必要な本人特定事項の登録申請を実施。
2.コンソーシアムは、経済制裁対象者リスト等のスクリーニングを実施。該当がない場合、該当無(以下、スクリーニング情報)をブロックチェーン上に記録。
3.上記顧客が金融機関Aにおいて特定取引を実施しようとする際は、顧客からの意思表明※2によって、コンソーシアムから金融機関Aに当該顧客の本人特定事項とスクリーニング情報を引渡し。金融機関Aが当該顧客の本人確認を実施するとともに、上記情報を参考に取引可否を判断(顧客の本人確認時にブロックチェーン上の記録に誤りがあることが判明した場合には、コンソーシアムで再度2.の手続きを実施)。
4.金融機関Aは、口座開設などの特定取引を実施した場合には、コンソーシアムを介して、ブロックチェーン上の顧客情報に実施した取引内容を記録。
5.上記顧客が金融機関Bにおいて特定取引を実施しようとする際は、顧客からの意思表明※2によって、コンソーシアムから金融機関Bに当該顧客の本人特定事項とスクリーニング情報を引渡し。金融機関Bは、コンソーシアムを介して当該顧客が金融機関Aで本人確認済みであることを確認し、当該確認をもって金融機関Bでの本人確認とすることも可能とする(各金融機関の判断) (なお、その際、金融機関Bは、当該顧客が同様の取引を様々な金融機関で実施していないかなど、ブロックチェーン上に記録された当該顧客の取引履歴を参照し、なりすましのおそれがないかどうかを検証)
上記は、顧客がコンソーシアムに参加する金融機関と新規に取引を行う場合を想定したものですが、コンソーシアムに参加する金融機関と既に取引を行っている既存顧客の取扱いについても上記実証の中で検討を行なっていきます。
なお、今後、金融庁において、「未来投資戦略2017」(2017年6月9日閣議決定)において記載されている「FinTech実証実験ハブ(仮称)」が設置される場合には、当該枠組みへの申込みを検討して参ります。
※1 口座開設、200万円を超える大口の現金取引、10万円を超える現金での振込などの取引
※2 本人確認情報登録完了の証左として取得したデジタル証明書を顧客が提示することを想定
実証で行う本人確認(KYC)の仕組みの模式図
ブロックチェーン研究会は、ブロックチェーン技術を日本の継続的な成長を支える技術的な要素としてとらえ、国内金融機関がその技術の礎を築くことに貢献すると共に、欧米金融機関に比肩する水準まで技術レベルを高めていくことを目指しています。そして、今回取り組む実証のように、実用化の方向性を定めることで、今後も国内金融業界の発展に寄与することを引き続き目指しています。
なお、前回の「国内の銀行間振込業務におけるブロックチェーン技術の実証実験」に関する報告書は、以下URLよりご確認下さい。
ブロックチェーン研究会による「国内の銀行間振込業務におけるブロックチェーン技術の実証実験に係る報告書」について(2016年11月30日発表)
https://www2.deloitte.com/content/www/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20161130.html
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- 経営情報
- ビジネスカテゴリ
- 経営・コンサルティング
- ダウンロード