琵琶湖地域の「地域の力」に視野においた研究成果『水といきる地域の力―琵琶湖・太湖の比較から』発刊されました
琵琶湖博物館では、人と湖の関係性について社会学的研究を行なっています。今回、琵琶湖地域の特性のひとつである「地域の力」に視野を定めた琵琶湖博物館の研究成果が『水と生きる地域の力-琵琶湖・太湖の比較から』として出版されました。
本書は、日本の琵琶湖辺と中国の太湖周辺において、水辺のエコトーンを活用し、いかに稲作、漁撈、養魚、養蚕などの生業が複合的かつ合理的に実践されてきたかを紹介。地球規模の環境問題と気候変動が拡大するいま、改めてコミュニティ主義の有効性を問う。
記
・書 名:『水と生きる地域の力―琵琶湖・太湖の比較から』
・著 者:楊平(琵琶湖博物館専門学芸員)・嘉田由紀子(元琵琶湖博物館総括学芸員・前滋賀県知事)
序章 『成長の限界』から50年
水と生きる地域コミュニティの意味を日中比較の中から問う
第1章 水に寄り添う
第2章 水辺遊びの意味と環境適応
第3章 守りを貫く地域コミュニティ「生水の郷委員
会」の挑戦
第Ⅱ部 水と生業─水陸移行帯における多重性
第1章 コモンズ環境としての水辺
第2章 農業にみる水とのせめぎ合い
第Ⅲ部 社会基盤を支える地域コミュニティ
第1章 若者を育てる地域の力
第2章 生活を支える基礎的な組織
第Ⅳ部 東アジアの中の魚米の郷─琵琶湖から太湖へ
第1章 水と生活─水上生活と陸上生活からみた自然
との距離
第2章 水と生業─資源の循環からみる生業複合
第3章 人と湖との関わりの今昔─生業複合から単一
機能化へ
終章 地球規模での気候危機にコミュニティ主義は
有効か?
【内容紹介】
「人類のコミュニティは水場からはじまった──水道の普及で私たちはそのことを忘れはじめているにすぎない。日本と中国で水と共にある暮らしを緻密に踏査した地域社会学者の提言の書。」早稲田大学名誉教授・元日本社会学会会長の鳥越皓之氏によって推薦されました。
【前書き】
著者の嘉田由紀子と楊平は、母娘のように世代が異なり、また中国と日本という育った文化の違いを越えて、「魚米の郷」や「針江」に魂をうばわれ、聴き取り調査にのめりこんできた研究仲間でもある。異なった文化で、また異なった世代で育ってきた二人がまさに世代と文化をクロスしながら、まとめあげたのが本書である。本書が、過去のノスタルジーではなく、地球の未来に人類として生き延びる一つの生態適応の、地域共同体の役割を最大限に活かすことができるライフスタイルを示すことになってほしいと願う。まさに「懐かしい未来」として、未来の方向を照らし出す書籍となってほしいと願っている。
【本書刊行の経緯と内容】
嘉田由紀子は、1980年代後半の滋賀県立琵琶湖博物館準備室に在籍していた頃から琵琶湖周辺にある集落の水利用に関する調査に取り組み、その成果を開館した琵琶湖博物館の展示に活かすとともに、中国の太湖周辺の水郷地帯のフィールドワークをおこなっていました。
一方、2007年に琵琶湖博物館の学芸員に採用された楊平は、「生水の郷」として知られる高島市新旭町針江の暮らしに魅せられ、生活史の聞き取り調査を進めながら、稲作と養魚などを組み合わせた循環型農業を営んできた中国の太湖周辺の研究にも取り組みました。
琵琶湖博物館の在職時期は重なっていませんが、それぞれの研究の方向性が似かよっていた2人は、琵琶湖博物館で開催されたシンポジウムや企画展、2011年に米テキサス州で開催された第14回世界湖沼会議などに出向くなかで親交を深め、今回の共著刊行に至りました。
第Ⅰ〜Ⅲ部では、カバタや水辺遊びを通して幼少期から水と親しんできた針江地区の暮らし、琵琶湖に面した水陸移行帯における漁撈と農業の実際、針江の生活を支えるさまざまな集団を分析、第Ⅳ部では中国の太湖周辺にみられる複合的生業と2000年代以降の近代化にみられる琵琶湖周辺との共通性などを検討、終章では琵琶湖と水田の結びつきを取り戻す滋賀県の「魚のゆりかご水田」政策や、今年7月に世界農業遺産に認定された「琵琶湖システム」にも言及しながら、長い歴史の中で培われてきた水辺の暮らしには、現在の気候変動や環境破壊に対抗しうる力があるのではないかと問いかける内容となっています。
【体裁】
・体 裁:A5判 上製本 総272ページ 定価 2,800円+税(税込3,080円)
・発 行:サンライズ出版
・書店発売日:2022年11月08日
・紹介ページ:『水と生きる地域の力 琵琶湖・太湖の比較から』サンライズ出版
https://www.sunrise-pub.co.jp/isbn978-4-88325-777-5/
・入手できるところ:琵琶湖博物館ミュージアムショップ・おいでや、
県内の書店、またはインターネット販売
本書は、日本の琵琶湖辺と中国の太湖周辺において、水辺のエコトーンを活用し、いかに稲作、漁撈、養魚、養蚕などの生業が複合的かつ合理的に実践されてきたかを紹介。地球規模の環境問題と気候変動が拡大するいま、改めてコミュニティ主義の有効性を問う。
記
・書 名:『水と生きる地域の力―琵琶湖・太湖の比較から』
・著 者:楊平(琵琶湖博物館専門学芸員)・嘉田由紀子(元琵琶湖博物館総括学芸員・前滋賀県知事)
<目次> サブタイトル省略
序章 『成長の限界』から50年
水と生きる地域コミュニティの意味を日中比較の中から問う
第Ⅰ部 水と生活─関わりの多様性
第1章 水に寄り添う
第2章 水辺遊びの意味と環境適応
第3章 守りを貫く地域コミュニティ「生水の郷委員
会」の挑戦
第Ⅱ部 水と生業─水陸移行帯における多重性
第1章 コモンズ環境としての水辺
第2章 農業にみる水とのせめぎ合い
第Ⅲ部 社会基盤を支える地域コミュニティ
第1章 若者を育てる地域の力
第2章 生活を支える基礎的な組織
第Ⅳ部 東アジアの中の魚米の郷─琵琶湖から太湖へ
第1章 水と生活─水上生活と陸上生活からみた自然
との距離
第2章 水と生業─資源の循環からみる生業複合
第3章 人と湖との関わりの今昔─生業複合から単一
機能化へ
終章 地球規模での気候危機にコミュニティ主義は
有効か?
【内容紹介】
「人類のコミュニティは水場からはじまった──水道の普及で私たちはそのことを忘れはじめているにすぎない。日本と中国で水と共にある暮らしを緻密に踏査した地域社会学者の提言の書。」早稲田大学名誉教授・元日本社会学会会長の鳥越皓之氏によって推薦されました。
【前書き】
著者の嘉田由紀子と楊平は、母娘のように世代が異なり、また中国と日本という育った文化の違いを越えて、「魚米の郷」や「針江」に魂をうばわれ、聴き取り調査にのめりこんできた研究仲間でもある。異なった文化で、また異なった世代で育ってきた二人がまさに世代と文化をクロスしながら、まとめあげたのが本書である。本書が、過去のノスタルジーではなく、地球の未来に人類として生き延びる一つの生態適応の、地域共同体の役割を最大限に活かすことができるライフスタイルを示すことになってほしいと願う。まさに「懐かしい未来」として、未来の方向を照らし出す書籍となってほしいと願っている。
【本書刊行の経緯と内容】
嘉田由紀子は、1980年代後半の滋賀県立琵琶湖博物館準備室に在籍していた頃から琵琶湖周辺にある集落の水利用に関する調査に取り組み、その成果を開館した琵琶湖博物館の展示に活かすとともに、中国の太湖周辺の水郷地帯のフィールドワークをおこなっていました。
一方、2007年に琵琶湖博物館の学芸員に採用された楊平は、「生水の郷」として知られる高島市新旭町針江の暮らしに魅せられ、生活史の聞き取り調査を進めながら、稲作と養魚などを組み合わせた循環型農業を営んできた中国の太湖周辺の研究にも取り組みました。
琵琶湖博物館の在職時期は重なっていませんが、それぞれの研究の方向性が似かよっていた2人は、琵琶湖博物館で開催されたシンポジウムや企画展、2011年に米テキサス州で開催された第14回世界湖沼会議などに出向くなかで親交を深め、今回の共著刊行に至りました。
第Ⅰ〜Ⅲ部では、カバタや水辺遊びを通して幼少期から水と親しんできた針江地区の暮らし、琵琶湖に面した水陸移行帯における漁撈と農業の実際、針江の生活を支えるさまざまな集団を分析、第Ⅳ部では中国の太湖周辺にみられる複合的生業と2000年代以降の近代化にみられる琵琶湖周辺との共通性などを検討、終章では琵琶湖と水田の結びつきを取り戻す滋賀県の「魚のゆりかご水田」政策や、今年7月に世界農業遺産に認定された「琵琶湖システム」にも言及しながら、長い歴史の中で培われてきた水辺の暮らしには、現在の気候変動や環境破壊に対抗しうる力があるのではないかと問いかける内容となっています。
【体裁】
・体 裁:A5判 上製本 総272ページ 定価 2,800円+税(税込3,080円)
・発 行:サンライズ出版
・書店発売日:2022年11月08日
・紹介ページ:『水と生きる地域の力 琵琶湖・太湖の比較から』サンライズ出版
https://www.sunrise-pub.co.jp/isbn978-4-88325-777-5/
・入手できるところ:琵琶湖博物館ミュージアムショップ・おいでや、
県内の書店、またはインターネット販売
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