有限会社あんしん村グループが福井県知事賞、株式会社昇竜が最優秀賞を受賞

全国ワークスタイル変革大賞2024北陸・東海大会受賞企業決定～デジタル活用による業務効率化と新たな価値創造を評価～

JDX

2024年10月10日 13時00分

全国ワークスタイル変革大賞北陸・東海大会実行委員会は、2024年10月9日（水）に福井県福井市で開催された「全国ワークスタイル変革大賞2024北陸・東海大会」の結果を発表しました。本大会では、北陸・東海地方を中心に、デジタルツールを活用した先進的なワークスタイル変革を実践する企業や団体の取り組みが紹介されました。特に、介護や製造業など従来型産業におけるデジタル活用と、社員の主体性を重視した組織づくりに焦点を当てた企業の取り組みが評価されました。厳正な審査の結果、以下の企業が受賞しました。

受賞企業

福井県知事賞：

有限会社あんしん村グループ

「ケアマネ・介護の現場をIT化したら、101才でもタブレットに電子サインできた」

最優秀賞：

株式会社昇竜

「ホームページをリニューアルし業務改善！地域貢献！」

優秀賞：

さくらホームグループ株式会社

「週休3日を実現！Uretailとkintoneを用いた顧客を巻き込んだ売上・請求DX」

奨励賞：

- 株式会社北陸人材ネット

「自社を実験台にワークスタイルを変革し地域に還元～北陸の働く景色を変えよう！」

- 株式会社江守情報

「地域や組織の枠を越えたデジタル人材の育成・業務課題の解決」

福井県知事賞の取り組み

有限会社あんしん村グループは、「ケアマネ・介護の現場をIT化したら、101才でもタブレットに電子サインできた」というテーマで発表。同社は、kintoneを活用して業務プロセスを標準化し、手書きの書類をデジタル化することで、業務効率を大幅に向上させました。また、ラベルプリンターの導入やLINEを活用した情報共有など、きめ細かなIT活用を進めています。

これらの取り組みにより、残業時間が大幅に削減され、社員が利用者との対話に集中できる環境が整いました。さらに、101歳の利用者がタブレットで電子サインできるようになるなど、高齢者のデジタルリテラシー向上にも貢献しています。

代表の林智之氏は「本当にありがとうございます。現場の方々、皆さんのおかげです。全国大会に向けて頑張りたいと思います」とコメントしています。

最優秀賞受賞企業の取り組み

株式会社昇竜は、「ホームページをリニューアルし業務改善！地域貢献！」をテーマに、デジタル技術を活用した業務改革と地域貢献に取り組んでいます。同社は、新型コロナウイルスの影響で従来の営業活動が困難になる中、ホームページのリニューアルを契機に、ECサイトの導入や業務プロセスのデジタル化を進めました。

具体的には、クレジット決済の導入により請求業務を大幅に簡素化し、従来33時間かかっていた作業時間をゼロにまで削減しました。この時間を活用して、社員がより付加価値の高い業務に注力できるようになりました。また、地域特産品の予約販売システムを構築し、生産者の安定収入にも貢献しています。

これらの取り組みにより、社員の残業時間が削減され、ワークライフバランスが向上しました。同時に、デジタルスキルの向上や顧客との新たなコミュニケーション方法の確立など、社員の成長機会も創出されています。

代表の林孝宗氏は「小さな一歩から始まった取り組みですが、社員の働き方や意識が大きく変わりました。これからも地域に根ざした企業として、デジタル活用を進めていきたいと思います」とコメントしています。

受賞企業の評価ポイント

各受賞企業の主な評価ポイントは以下の通りです：

1. 有限会社あんしん村グループ（福井県知事賞・最優秀賞）

- 介護現場におけるきめ細かなIT活用と業務効率化

- 高齢利用者のデジタルリテラシー向上への貢献

- 社員の業務負担軽減と利用者とのコミュニケーション時間の確保

- 地域の介護事業者へのIT支援の展開

- デジタル化による残業時間の大幅削減と働き方の質的向上

2. 株式会社昇竜（最優秀賞）

- 製造業におけるECサイト活用による販路拡大と業務プロセスの変革

- ホームページリニューアルを契機とした全社的なデジタル変革

- 地域特産品の販売促進と生産者支援による地域貢献

- 中小企業におけるデジタル活用の好事例

- 業務効率化による社員のワークライフバランス向上と成長機会の創出

3. さくらホームグループ株式会社（優秀賞）

- UretailとKintoneを活用した業務プロセスの可視化と効率化

- 週休3日制の実現など、14種類の柔軟な働き方選択肢の提供

- 営業プロセスの標準化と属人化の解消による組織力の強化

- デジタル活用による業務時間の大幅削減と社員の自己実現支援

- 顧客を巻き込んだDXによる新たな価値創造と企業競争力の向上

4. 株式会社北陸人材ネット（奨励賞）

- 自社を実験台とした革新的なワークスタイルの実践と検証

- 完全フレックスタイム制やワーケーション手当など、多様な働き方の推進

- 社員の自律性を重視した組織文化の醸成

- 地域の働き方改革推進に向けた取り組みと情報発信

5. 株式会社江守情報（奨励賞）

- マイクロソフトベースを活用した地域デジタル人材の育成

- 社員の主体性を引き出す組織づくりと自己成長の促進

- 地域や組織の枠を超えた協働による新たな価値創造

- デジタル活用を通じた地域の幸福度向上への貢献

審査員は、各企業がデジタルツールを効果的に活用し、業務効率化と新たな価値創造を実現している点を高く評価しました。特に、介護や製造業など従来型産業におけるデジタル活用の成功事例として、他企業への波及効果が期待されています。また、単なる効率化だけでなく、社員の成長や幸福度向上、地域貢献など、多面的な観点からワークスタイル変革に取り組んでいる点が高く評価されました。

審査員講評

審査員の石川浩司氏（一般社団法人ライトハウスDX支援協会理事長）は次のようにコメントしました：

「皆さんの発表を聞いて、私も本当に勉強になりました。今、日本が直面している課題、特に人手不足の問題に対して、皆さんが実践されているように『せざるを得ない』状況になってきています。今回の発表者の皆さんは、これからの日本が進むべき道筋を示してくださいました。特に、組織のマインドセットの重要性を再認識しました。」

四宮琴絵氏（一般社団法人ノーコード推進協会地方創生部会長）は以下のように述べました：

「今年からワークスタイル変革大賞という名称に変わり、各事例もワークスタイルにフォーカスした内容となり、非常に興味深いものでした。特に印象的だったのは、単なる業務効率化だけでなく、社員一人ひとりの幸せや成長に焦点を当てた取り組みです。ウェルビーイングの向上が、結果として企業の成長につながっている点が素晴らしいと感じました。また、地域の特性を活かした取り組みも多く、地方創生の観点からも大変参考になる事例が多かったです。」

藤原裕子氏（福井県産業労働部副部長）は次のようにコメントしました：

「人手不足は今、どの業界でも大きな課題となっています。特に介護分野では顕著です。そんな中で、今日の発表では社内のさまざまな仕組みを変革し、働く方の満足度向上や入所者の方々の気持ちの向上につながっている取り組みが印象的でした。また、これらの取り組みを介護分野だけでなく他の分野にも広げていこうとする姿勢に感銘を受けました。福井県から全国に向けて、『こういうことができるんだ』というメッセージを発信していただけることを嬉しく思います。」

三名の審査員とも、今回の発表事例が北陸・東海地方の特性を活かしつつ、日本全体の働き方改革のモデルケースとなり得ることを高く評価しました。また、デジタル活用と人間中心の組織づくりを両立させる取り組みに大きな期待を寄せています。さらに、これらの革新的な取り組みが地域を超えて広がっていくことへの期待も表明されました。

イベント概要

- 日時：2024年10月9日（水）13:30-16:00

- 場所：越乃バレー by BBR（福井県福井市）

- 主催：全国ワークスタイル変革大賞北陸・東海大会実行委員会

- 後援：北陸総合通信局、東海総合通信局、中部経済産業局、福井県、（独法）中小企業基盤整備機構、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、（一財）全国地域情報化推進協会、（一社）中小企業診断協会、（一社）テレコムサービス協会、（一社）日本コンピュータシステム販売店協会、Workstyle Innovation Consortium、（一社） IT顧問化協会、Re-Innovate Japan

- 協賛：株式会社セールスフォース・ジャパン