レイヤードが3病院で医療DXの実践モデル構築を支援

公立八女総合病院、友愛医療センター、角田病院にて、患者コミュニケーション領域で効果を実証

株式会社レイヤード

株式会社レイヤード(本社:福岡市博多区、代表取締役社長:毛塚牧人、以下レイヤード)は、公立八女総合病院(福岡県八女市)、友愛医療センター(沖縄県豊見城市)、角田病院(群馬県佐波郡玉村町)の3病院と連携し、患者説明やカルテ記録、同意取得といった患者コミュニケーション領域におけるDXの実践モデル構築を支援しました。本取り組みは、地域医療を支える医療機関において、日常診療の中で生じている業務負担や患者対応の課題を背景に、各病院と協働で推進したものです。

背景

医療現場においては、患者への説明、カルテ記録、同意取得といった患者コミュニケーションに関わる業務に多くの時間と労力がかかっており、医師・看護師の負担増加の一因となっています。特に地域医療を担う医療機関においては、人材不足が喫緊の課題となる中、限られた人員で多くの患者に対応する必要があり、業務負荷の高さがより顕著となっています。

また、病院においては、手術や検査に関する専門的かつ高度な説明、患者や家族との長時間にわたる対話、入院・手術に伴う同意取得など、クリニックと比較して患者コミュニケーションの複雑性が高い傾向にあります。そのため、医療者にはより多くの説明責任と記録対応が求められています。

こうした状況においては、すべての業務を人手で担い続けるのではなく、デジタル技術を活用して一部の業務を代替・効率化することで、医療者が本来注力すべき診療や患者対応に十分な時間を確保することが求められています。

一方で、これまでの医療DXは個別業務ごとのツール導入にとどまるケースも多く、患者コミュニケーション全体を通じた業務プロセスの最適化には至っていないという課題がありました。

レイヤードはこれまで、クリニック領域において患者動線を起点としたコミュニケーション設計とプロダクト提供を行ってきました。こうした知見をもとに、病院においても患者コミュニケーション領域全体を捉えたDXの実践モデルを構築することを目的とし、本取り組みを実施しました。

取り組み概要

本取り組みでは、患者説明、カルテ記録、同意取得といった患者コミュニケーションに関わる一連の業務を対象に、各プロセスの特性に応じたDX施策を設計・導入しました。患者コミュニケーションは、単一の業務ではなく複数のプロセスが連続して構成される領域であるため、個別業務ごとの最適化にとどまらず、全体の流れを踏まえた設計が重要となります。

本取り組みでは、各病院が抱える課題に応じて複数のDX施策を組み合わせ、患者コミュニケーション領域全体の業務プロセスの最適化を実現しました。

具体的には、以下の施策を導入しています。

  • 患者説明における動画の活用

  • カルテ記録における音声認識AIの導入

  • 同意取得における電子同意書の活用

各病院での取り組みと成果

角田病院:電子同意書による患者説明・同意取得のDX

課題

手術同意書の説明においては、医師が患者ごとに同じ内容を一から説明する必要があり、説明業務に時間を要していました。特に、病院特有の手術に関する専門的な説明では、患者が十分に理解・納得できるよう丁寧な対応が求められるため、医師の負担が大きくなっていました。また、患者ごとの理解度や不明点を把握しづらく、画一的な説明になりやすいという課題もありました。

実施内容

手術同意書を電子化し、患者が事前に自宅で内容を確認できる仕組みを導入しました。レイヤードの電子同意書では、患者が説明内容のうち理解が不十分な箇所をチェックでき、その情報が医療者側に共有されるため、診察時には不明点に絞った説明が可能となります。これにより、従来の一律の説明から、患者ごとの理解状況に応じた説明へと運用を転換しました。

成果

医師の説明時間は1件あたり約10分から約2分へと短縮されました。患者ごとに不明点を把握した上で説明を行えるようになったことで、説明の効率化に加え、患者の理解度および納得感の向上にもつながっています。また、患者の院内滞在時間の短縮にもつながりました。70代の患者を含む幅広い年齢層において活用されており、現場への定着が進んでいます。

友愛医療センター:音声認識AIによるカルテ記録のDX

課題

一般的なインフォームド・コンセントに比べ、治療方針の再検討や家族を含めた丁寧な対話が必要となる場面では、診療後にやり取りの内容を整理しながらカルテへ記録する必要があり、記録業務の負担が大きくなっていました。特に、年齢や全身状態により治療の選択肢が制約される場合や、術後合併症などにより当初予定していた治療の継続が困難となる場合には、患者や家族への十分な説明と、その内容を正確に記録することが求められるため、大きな負担となっていました。

実施内容

音声認識AIを活用したカルテ記録支援を導入し、患者や家族との対話内容を録音・自動でテキスト化する仕組みを構築しました。さらに、出力されるテキストの形式についても現場の運用に合わせて調整を行い、必要な情報を整理しやすい形で記録できるよう改善しています。これにより、従来の手入力による記録から、対話内容をベースとした効率的な記録運用へと転換しました。

成果

医師のカルテ記入時間は1件あたり20〜30分から2〜3分へと大幅に短縮されました。患者や家族との長時間にわたる対話内容を録音し、自動文字起こしから生成AIによる要約までを一貫して行えるようになったことで、記録業務の効率化に加え、内容の正確性向上にもつながっています。さらに、看護記録においても記録時間の短縮が確認されており、医療従事者全体の業務負担軽減に寄与しています。

公立八女総合病院:動画による患者説明のDX

課題

手術説明においては、紙資料をもとに医師が患者ごとに説明を行う必要があり、説明業務に時間と負担がかかっていました。また、説明内容が複雑であるため、患者の理解度にばらつきが生じやすく、限られた診療時間の中で十分な理解を促すことが難しいという課題もありました。

実施内容

患者向けの手術説明動画を制作し、患者が事前に視聴した上で診察に臨む運用へと変更しました。これにより、診察時には動画で理解した内容を前提として、補足説明や質疑対応を中心としたコミュニケーションが可能となります。従来の一から説明する運用から、患者の理解を踏まえた対話型の説明へと転換しました。

成果

医師の説明時間は1件あたり約3分短縮されました。また、手術手技に関する説明を一から行う必要がなくなることで、説明業務の効率化と標準化が図られています。さらに、患者が事前に内容を理解した上で診察に臨めるようになったことで、説明内容の理解促進にもつながっています。

各病院からのコメント

角田病院   院長 角田祥之先生

電子同意書の導入により、医師の説明業務を大幅に効率化できただけでなく、患者ごとの理解度に応じた説明が可能となり、納得感の向上にもつながりました。説明時間や院内滞在時間の短縮により、診療全体の効率も改善しています。高齢患者にも活用できており、医療DXによる業務改善と患者満足度向上の両立を実感しています。

友愛医療センター DX・イノベーション等推進会議 議長 鈴木真先生

生成AIを活用した音声文字起こしと要約は、患者説明という医療上きわめて重要な業務において会話内容の要旨を生成し、医師が確認・修正して診療録へ記載することで、必要純分な内容を短時間で実施できるようになりました。文字起こし記録が残るため、説明時には患者や家族の会話に集中でき、質問にも十分な対応ができることから、満足度と安心感の向上につながっています。結果として患者に寄り添う姿勢と業務効率化を同時に実現することができました。

公立八女総合病院 メディカルマネジメントセンター 部長 山口圭三先生

今回の取り組みを通じて、患者さんへの説明の分かりやすさや職員負担軽減の可能性を感じております。実際に活用した診療科の医師からは、別の手術説明動画についても活用したいとの声が挙がっており、他診療科の医師からも関心が寄せられています。造影CTや造影MRIなど、診療科横断的に活用できる領域もあります。診療報酬改定において動画の活用が評価されたことや、DX推進に関する補助金などの追い風もあり、今後のさらなる展開に期待しております。

今後の展開

今後は、各病院における取り組みの継続および対象領域の拡張を進めるとともに、本取り組みで得られた知見をもとに、医療DXの実践モデルとして他の医療機関への展開を視野に入れた取り組みを推進していきます。

レイヤードは、患者コミュニケーション領域におけるDXの実践モデルの構築を通じて、医療機関ごとの課題に応じた支援を展開し、医療現場の業務効率化と患者体験価値の向上に貢献してまいります。

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会社概要

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業種
医療・福祉
本社所在地
福岡県福岡市博多区博多駅中央街8-27 第16岡部ビル5F
電話番号
092-471-3555
代表者名
毛塚 牧人
上場
未上場
資本金
1億円
設立
1998年07月