第27回参議院選挙に向けたSDGsに関する政党アンケート結果を公表
一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク(東京都千代田区、共同代表理事:大橋正明、三輪敦子。以下、SDGsジャパン)は、まもなく行われる第27回参議院議員通常選挙(以下、参院選)に向けて、主要な9政党に対し、SDGsの達成に向けて政党が取り組んでいる具体的な活動や今後のSDGsに関する考えなどについて、合計6問のアンケートを実施しました。このうち、7月4日までに回答をいただいた以下の政党の結果を公表いたします。
<アンケート概要>
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アンケート名: 「2025年 参議院選挙に向けた SDGsに関する政党アンケート」
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対象:参議院「会派別所属議員数一覧」に掲載されている中で、政党要件を満たしている政党(自由民主党・立憲民主党・日本維新の会・公明党・日本共産党・国民民主党・れいわ新選組・社会民主党・参政党)
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アンケート開始日: 2025年5月27日
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回答最終受付日 : 2025年7月 4 日
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アンケートにご回答いただいた政党:自由民主党、立憲民主党、公明党、日本維新の会、日本共産党、国民民主党、れいわ新選組、社会民主党
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方法:アンケート用紙・Googleフォーム
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設問数: 6問
*回答をいただいていない党についても、回答が届き次第、順次公表していく予定です。
*SDGsジャパンは、過去3回の国政選挙でもSDGsに関するアンケートを主要政党に実施しています。
過去のアンケート結果はこちら: 2021年衆院選 / 2022年参院選 / 2024年衆院選
質問1)SDGsを達成するために貴党が実施されている取り組みをお聞きします。該当する内容をすべてお選びください。

選択肢 |
政党 |
---|---|
党内にSDGsに関する委員会や組織を設置して具体的な活動を実施している。 |
公明党 |
SDGsに関連する政策・施策の実施について、多様なステークホルダーとの意見交換の場を設ける準備がある。 |
立憲民主党 |
政府のSDGs推進体制と実施施策について、現状と成果および課題の把握に努めている。 |
立憲民主党 |
国会や委員会で、所属議員がSDGsに関連する政策・施策の実施について質問をしたことがある。 |
立憲民主党 |
SDGs達成のための分野横断的な法案の作成に向けた取り組みがある。 |
立憲民主党 |
党の重点政策でSDGsの達成を打ち出している。 |
立憲民主党 れいわ新選組 |
その他 |
自由民主党 党内の各機関で、2050年ネットゼロに向けた脱炭素や循環経済、教育格差の是正、女性の経済的自立支援など、持続可能な社会の実現に向けた政策について議論しています。 立憲民主党 SDGs基本法案を提出している。 公明党 平和創出ビジョン(5/9公表)でもSDGsを取り上げている |
質問2)以下の中から、衆院選の争点として有権者にアピールするために貴党が最も優先する分野(全18)を5つお選びください。
全ての選択肢はSDGsジャパンのホームページでご覧いただけます。

政党 |
回答 |
---|---|
自由民主党 |
憲法改正 |
立憲民主党 |
政治資金問題 経済対策 税制 社会保障・医療・保健・福祉 その他:農業政策 |
公明党 |
経済対策 税制 社会保障・医療・保健・福祉 子育て 米政策 |
日本維新の会 |
政治資金問題 経済対策 社会保障・医療・保健・福祉 教育 地方創生 |
日本共産党 |
税制 社会保障・医療・保健・福祉 外交・安全保障 ジェンダー平等 脱炭素・エネルギー |
国民民主党 |
経済対策 税制 社会保障・医療・保健・福祉 子育て 教育 |
れいわ新選組 |
経済対策 税制 社会保障・医療・保健・福祉 ジェンダー平等 脱炭素・エネルギー |
社会民主党 |
貧困対策 社会保障・医療・保健・福祉 外交・安全保障 ジェンダー平等 脱炭素・エネルギー |
質問3)SDGsや持続可能な社会の実現に向けて政府や国会の取り組みを推進するための、以下の5つの項目について必要性の度合いを選択ください。





質問4)2025年6月30日-7月3日に開催予定の国連第4回開発資金国際会議では、SDGs達成に必要な資金と、使用可能な資金に大きな開きがあることが重要な検討課題とされています。そのような状況を踏まえ、政府開発援助(ODA)の役割が重要性を増しています。対国民総所得(GNI)比0.7%というODA拠出額国際目標に対し、日本の拠出額は現在0.39%にとどまっています。今後の日本によるODAについて、貴党のお考えに最も近い方向性についてお伺いします。
(A.より該当するものを1つだけ、B.より該当するものを1つだけ、それぞれ選択してください。)
A.

選択肢 |
政党 |
---|---|
日本によるODA拠出額は、国際目標である国内総所得(GNI)比0.7%に近づけるべきである。 |
自由民主党 立憲民主党 公明党 日本共産党 社会民主党 |
日本によるODA拠出額は、現在の水準を維持すべきである。 |
日本維新の会 |
日本によるODAは、現在の規模よりも減らすべきである。 |
|
その他 |
国民民主党 ODAのインフラ編重を是正し、医療、教育、貧困対策等の民生部門を重視します。 |
回答なし |
れいわ新選組 |
B.

選択肢 |
政党 |
---|---|
日本によるODAが必要な理由は、国際社会の平和や安定のためである。 |
立憲民主党 公明党 れいわ新選組 社会民主党 |
日本によるODAが必要な理由は、途上国の貧困や格差をなくすためである。 |
立憲民主党 |
日本によるODAが必要な理由は、他国との友好な関係や信頼を築くためである。 |
自由民主党 立憲民主党 日本維新の会 |
日本によるODAが必要な理由は、日本の平和や安定のためである。 |
立憲民主党 |
日本によるODAが必要な理由は、日本の経済を向上し日本企業の活動を後押しするためである。 |
立憲民主党 |
その他 |
国民民主党 日本の国際社会における役割を果たすためには、幅広い支援が必要だと考える |
質問5)貴党が直近で発表された公約に「持続可能な開発目標(SDGs)」についての言及がありますか?

政党 |
回答 |
---|---|
自由民主党 |
いいえ 子育て支援や自然との共生も含め、SDGs の理念に即した取り組みを着実に進めていきたいと考えております。 |
立憲民主党 |
はい |
公明党 |
今回の参院選マニフェストには含む予定 |
日本維新の会 |
今回の参院選マニフェストには含む予定 |
日本共産党 |
はい 選挙政集 |
国民民主党 |
はい 参院選マニフェストにも含みます。 持続可能な世界を残すために、国際社会が 2030 年を目標として取り組む国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を推進します。「人間の安全保障」の理念に基づき、気候変動対策、クリーンエネルギーの推進、人権の保護、ジェンダー平等と女性・女児のエンパワーメント、包摂的で公正な社会の構築等に取り組みます |
れいわ新選組 |
はい (基本政策にSDGsの分野として該当する内容は「脱原発・グリーニューディールとして含んでいます。参院選政策集にもそのエッセンスは含む予定) 2脱原発!グリーン・ニューディール 私たちは、あなたの命を守り、あなたの命を受け継ぐ命を守るために闘う。 消費税の引き上げや緊縮策を求めてきた勢力と、原発や石炭火力に固執する勢力は、同じ類の政官財の支配者集団である。政治を彼らから、私たちの手に取り戻そう。地震国の日本から、今すぐ原発をなくそう。同時に気候危機にも対処し、再生可能エネルギー100%の社会を目指そう。日本が持つ財政の力を活用し、デフレ脱却を実現させ、産業空洞化を防ごう。日本の廃炉技術と再生可能エネルギー技術を世界最先端にしよう。光熱費の安い快適な住まいと防災インフラで、すべての人々の命を守ろう。医療・介護・保育を充実させ、そこで働く人々の暮らしも向上させよう。そして、誰も取り残されることのない「共存のための強靱な経済」をつくろう。(以下はウェブサイトでご覧ください) |
社会民主党
|
はい 「ジェンダー平等・多様性の実現」 「地球環境と人間の共生」
|
質問6)上記の取り組み以外に、SDGsの達成に向けたお考えがございましたらご自由にご記載ください。

政党 |
回答 |
---|---|
自由民主党 |
回答なし |
立憲民主党 |
「人間の安全保障」の観点から、危機的状況にある気候変動や感染症対策を含むグローバルヘルス、貧困対策等の地球規模課題の解決を先頭に立って推進し、SDGs達成への国際的な取組みに貢献していきます。「SDGs基本法」を制定し、SDGsの目標とターゲットを活用し、国全体で取り組み、誰一人取り残さない持続可能な社会の実現に貢献します。同法に基づいて内閣にSDGs担当大臣及びSDGs推進本部を置き、政策立案や政策評価にSDGsの17の目標と169のターゲットを活用し、あらゆる政策にSDGsの視点を反映させて、SDGsの国内外での達成を目指します。ODAの実施に当たっては「人間の安全保障」とSDGsを指針とし、自国の利益だけではなく、人類全体の共通利益を増進する「開かれた国益」を実現します。SDGsは、海外の問題と思われがちですが、本来は政府が足元を見て、SDGsが達成されているかを判断し、省庁横断的に諸施策を推進するべきものです。地域でも「小規模・分散・ローカル」の視点を重視し、SDGs(持続可能な開発目標)、とりわけ目標11「住み続けられるまちづくりを」を実践します。『誰一人取り残さない』持続可能な社会を実現し、より良い未来の創造のため、このSDGs基本法を含め、今後も努力していきます。 |
公明党 |
2035年を視野に入れた平和創出ビジョンでSDGs達成、ポストSDGsリードを謳っている |
日本維新の会 |
SDGs,ESG,サスティナビリティに関する国際社会の動向を踏まえた国内環境の整備を行う |
日本共産党 |
https://www.jcp.or.jp/web_policy/2024/10/202410-bunya98.html |
国民民主党 |
回答なし |
れいわ新選組 |
上記のように、党の基本政策に盛込んでおり、達成に向けて取り組んで行きたいと考えています。一方で、SDGsを利用したグリーンウォッシュ(実際にはそうでない状況を美化する)などの問題も生じており、本来の目標に合致した取組みなのかチェックも必要であると考えており、その観点で政府の政策・法案を監視しています。 |
社会民主党 |
私たちの生活を苦しめる新自由主義的社会からの脱却や持続可能な世界を残すためにも、SDGsは極めて重要です。SDGsの取組みとして、「地球環境と人間の共生」、「脱原発・地域エネルギーと温暖化対策」、「ジェンダー平等・多様性社会の実現」に向けて取り組んでいますが、一層推進していきます。 |
アンケート結果を受けて、過去3回実施したアンケートと比較したところ、各政党の回答における分量や具体性が全体的に減少しています。
SDGsジャパンは、達成期限まで残り5年半を切ったSDGsが、熱意を持ってより一層推進されるよう、さまざまなステークホルダーと協力・連携を進めてまいります。
<アンケート結果に対し、SDGsジャパンのユニットからもコメントが寄せられました。>
開発ユニット
現与党の自民党・公明党を含む5つの党(他に立憲民主党、日本共産党、社会民主党)が「日本によるODA拠出額は、国際目標である国内総所得(GNI)比0.7%に近づけるべきである」と回答したことは大変高く評価しています。国民民主党は「ODAのインフラ編重を是正し、医療、教育、貧困対策等の民生部門を重視します」と回答し、社会開発分野に注力することを表明しており、この点も高く評価できます。
また、「今後の日本によるODAについて」の質問に対しては、
日本によるODAが必要な理由は、
「国際社会の平和や安定のためである」
「他国との友好な関係や信頼を築くためである」
「途上国の貧困や格差をなくすためである」
の3つが主に選択されており、国際社会の中で平和や安定を追求しつつ、貧困や格差に責任を持って対処するという日本の姿勢を明確に打ち出しており、この点も高く評価します。
各党には、選挙後もアンケート回答を尊重し、着実に実行することを期待します。
【本声明に関するお問い合わせ先】
一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク
事務局(担当:松野)office@sdgs-japan.net
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