コーン・フェリーとグロービス、CEO育成実態調査を実施

コーン・フェリー・ジャパン

グローバルな組織コンサルティングファームのコーン・フェリー(NYSE:KFY|コーン・フェリー・ジャパン 東京都千代田区 代表:滝波純一)と株式会社グロービス(東京都千代田区 代表:堀義人)は、日本の大手上場企業を対象に経営幹部のサクセッションに関する実態調査を実施しました。

■結果要旨

第一章: 欧米企業におけるCEO育成の実態

一般的なイメージとは異なり、欧米企業でもCEOは主に内部昇格であり、外部採用は約20%に留まる。外部採用者の在任期間(平均7.0年)が内部昇格者(平均9.3年)より短いことも認識されており、経営戦略の大幅転換や構造改革など特殊な局面に限られる。このため、社内候補者の確保が重要視されている。

CEO育成の基本型:

  • 発掘:欧米企業においてはCEO候補の特定は30代前半までに開始されることが多い。これはCEO平均着任年齢(51.8歳)が早く、育成のための時間を確保する上で必然である。発掘時には瞬間的な実力よりも「成長力(ラーニングアジリティ=学びの俊敏性)」そのものが重視される傾向があり、「CEO細胞」と呼ばれる資質を確認して候補者を選出している。

  • 経験のデザイン:CEO候補に対しては偶然に委ねず意図的に成長機会を設計する必要性が認識され、非連続でストレッチの効くアサインメントの付与が実践されている。長期視点での育成の羅針盤となるのが「サクセスプロファイル」で、自社の経営の方向性と時代が求めるリーダーシップを踏まえて策定されている。事業経営の勘所を体感させることに加えて、事業ポートフォリオ最適化、変革推進、投資家対応、社会との共生などCEOに必要な全社視点を体得させる機会も意図的に用意している。

  • 育成責任者:育成オーナーが高い視座を持つことの重要性が認識され、時々の直属の上長ではなく、経営陣がこの役割を担う場合も多い。各アサインメントで習得すべき視点・能力を明示し、候補者の非連続な成長へのコミットメントを刺激し続けながら、成長度合いを的確に把握することで育成アプローチをタイムリーに更新する。適度な負荷がかかる状況を担保することが成長に大きな影響を与える。また、成長スピードが鈍化した人を候補者プールから外すシビアな判断力も求められる。

  • 育成支援:CEOへの道を歩む上で、階段の間隔が特に大きいのは、機能長⇒事業経営者⇒グループ経営メンバー⇒CEOの3つの移行。それぞれに有効なサポートを提供することの重要性が認識されている。重要なのは「適時性」。欧米企業では職位が上がるほど育成投資額が増えることが特徴。エグゼクティブMBAやエグゼクティブアセスメント&コーチングが典型的な施策。

CEO育成の成否を分けるポイント:

濃淡はあれど上記4つの基本型は広く実装されている。成否を分ける真の差異化要因は、「人材育成を重視する企業文化の醸成」と「候補者と精神的につながるCHROの存在」の2点。文化醸成には、トップのコミットメントと経営陣の評価制度への組み込みが不可欠。実際はこのプロセスを経て成長した人材が経営職に就き、次世代を育成する循環が文化を定着させる。また、プロセスの番人の役割を超え、各候補者との個人的な信頼関係を構築するCHROの存在が、魂のこもった生きた運用を可能にする。

第二章: 日本企業がCEO育成を高度化させるための論点

本レポートは、大手日系企業におけるCEO育成の実態を整理し、日本企業がCEO育成を戦略的に深化させていくための論点を提示するものである。調査インタビューでは、発掘・経験のデザイン・育成責任者・育成支援の4つの枠組みにおける実態が明らかになった。

  • 発掘:経営幹部候補の発掘は仕組み化が進む一方、CEO候補の選定になると現CEOの裁量や限られた経営陣の判断に依存する傾向にある。こうした暗黙知に基づく選抜は一定の合理性を持つものの、どこまでを仕組み化して透明性を担保し、どの部分を裁量として残すかが今後の設計の焦点となる。また、CEOに必要な経験を十分に積ませるために、従来40代以降が中心だった発掘のタイミングを若手層へと早期化する企業も現れ始めている。

  • 経験のデザイン:多くの企業では「P/L責任を伴う事業経験」「海外経験」「複数部門を跨ぐ経験」といった、全社を俯瞰する視座の獲得が必要だと考えている。さらに「修羅場経験」はCEOに不可欠な胆力を鍛える機会として重視される傾向にある。一方で、優秀な人材を事業部門が囲い込むことで、CEO候補者の育成機会が広がりにくいケースも見られた。CEOに固有の全社視点と胆力を磨く経験をいかに意図的に創出するかが各社共通の課題である。

  • 育成責任者:CEOとCHROの二人三脚体制でCEO育成に取り組むケースが一般化する中、経営幹部候補の育成は経営チーム全体が関与する方向へと進化している。一方で、指名委員会の役割はCEOの最終選抜に限定されることが多い。執行と指名委員会が協働して後継者プールを発掘・育成・選抜するために、透明性と客観性のある仕組みを構築することが今後の焦点となる。

  • 育成支援:CEO育成においては「胆力」や「覚悟」といった非認知能力を養うことが重視され、タフな実践経験と内省を深めるコーチングをメインに行うケースが多い。役員以上になると体系的な研修機会はほぼなくなり、知識インプットが限定的になりがちだが、環境変化が激しい今、欧米企業のように、外部の知見や異なる価値観を取り込み、経営知を獲得するする必要性が高まっている。

結果レポートのリンク:

https://www.kornferry.com/content/dam/kornferry-v2/insights/ja/KF-Globis%20CEO%20Development%20Report%202026.pdf

■調査責任者のコメント

「地政学的リスクやテクノロジーの進化が常態化するなか、経営の舵取りを担うCEOの役割は、かつてなく高度で複雑なものとなっています。こうした変化の激しい時代において、CEOの選定や育成を属人的な判断や慣習に委ね続けることは、企業の持続的な成長を考えるうえで、見直しの時期に来ているのかもしれません。

今回の調査から見えてきたのは、CEO育成に唯一絶対の正解は存在しないということです。企業ごとの固有の背景と向き合いながら、どこまで意図的に設計・実行できているかが、成否を分ける一つのポイントとなります。また、CEO育成は独立した営みとして完結するものではなく、経営幹部の育成や組織能力の強化と密接に結びつけながら、経営全体の仕組みの中で描いていく視点が欠かせません。

日本企業がこれからの不確実な環境を乗り越えていくためには、自社の歴史や文化を踏まえながらも、自社らしいCEO育成のあり方を問い直し、高度化させていくことが重要になるのではないでしょうか。本調査レポートが、そうした対話を進めるうえでの一つの材料となれば幸いです。」(コーン・フェリー・ジャパン株式会社 シニア クライアント パートナー 増田 智史/株式会社グロービス コーポレート・エデュケーション マネジング・ディレクター 板倉 義彦)

■結果共有セミナーのご案内

企業人やメディアを対象に本調査の結果を分かりやすく解説し、ゲスト企業2社にも事例をご紹介いただくオンラインセミナーを予定しています。

日時:2026年3月11日(水)15:00~16:30

実施形式:Zoom Webinar

お申込みページ: https://discover.kornferry.com/2026-3-11_SuccessionWebinar_RegLP.html

コーン・フェリーについて

コーン・フェリーは、米国ロサンゼルスに本社を置くグローバルな組織コンサルティングファームです。クライアントの組織設計、適材適所を支援し、社員の処遇・育成・動機付けといった課題についてもコンサルテーションを提供します。さらに、専門性を高めることによる人材のキャリアアップを支援します。

グロービス (https://globis.co.jp

グロービスは1992年の設立以来、「経営に関するヒト・カネ・チエの生態系を創り、社会の創造と変革を行う」ことをビジョンに掲げ、各種事業を展開してまいりました。「ヒト」の面では、グロービス経営大学院に加え、スクール型研修や集合研修など法人向け人材育成サービスを展開するグロービス・コーポレート・エデュケーション、eラーニングや定額制動画学習サービス「GLOBIS 学び放題」などを提供するグロービス・デジタル・プラットフォームにより、リーダーの育成を推進しています。「カネ」の面では、ベンチャー企業への投資・育成を行うベンチャー・キャピタル「グロービス・キャピタル・パートナーズ」を運営、「チエ」の面では、出版事業ならびにオウンドメディア「GLOBIS 学び放題×知見録」を通じて知の発信を行っています。さらに社会における創造と変革を促進するため、一般社団法人G1によるカンファレンス運営、一般財団法人KIBOW による震災復興支援および社会的インパクト投資などの活動を展開しています。

グロービス:

学校法人 グロービス経営大学院

・日本語(東京、大阪、名古屋、福岡、オンライン)/英語(東京、オンライン)

株式会社 グロービス

・グロービス・エグゼクティブ・スクール

・グロービス・マネジメント・スクール

・企業内研修

・出版/電子出版

・「GLOBIS 学び放題×知見録」/「GLOBIS Insights」

・「GLOBIS 学び放題」/「GLOBIS Unlimited」

グロービス・キャピタル・パートナーズ株式会社

顧彼思(上海)企業管理諮詢有限公司

GLOBIS Asia Pacific Pte. Ltd.

GLOBIS Asia Campus Pte. Ltd.

GLOBIS Thailand Co., Ltd.

GLOBIS USA, Inc.

GLOBIS Europe BV

GLOBIS Manila Inc.

PT. GLOBIS INDONESIA HUB

その他の活動:

・一般社団法人G1

・一般財団法人KIBOW

・株式会社茨城ロボッツ・スポーツエンターテインメント

・株式会社LuckyFM茨城放送

メディアの方からの本件についてのお問い合わせ先:

コーン・フェリー・ジャパン株式会社 マーケティング マネジャー 松田清史

 Tel: 070 3193 6371(携帯)/E-mail: kiyofumi.matsuda@kornferry.com

株式会社グロービス 広報室 担当:土橋涼

 E-MAIL: pr-info@globis.com


会社概要

URL
https://www.kornferry.com/ja
業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館14階
電話番号
03-6267-3333
代表者名
滝波純一
上場
海外市場
資本金
1000万円
設立
1973年08月