日本会計研究学会の代表として派遣が決定 経営学部中島真澄教授 2020年度台湾会計学会年次大会で発表
~「経営者の倫理的価値観と利益の質との関係」~
文京学院大学(学長:櫻井隆)経営学部 中島真澄教授が、2020年11月26日(木)に開催される「台湾会計学会年次大会」において、日本会計研究学会の代表として「経営者の倫理的価値観と利益の質との関係」の研究発表を行うことをお知らせします。
- 「台湾会計学会」での発表内容について
中島教授は、「経営者の倫理的価値観と利益の質との関係:日本からの実証」を発表。本研究では、日本の上場企業最高財務責任者(CFO)に対するサーベイ調査回答に基づいて、構造方程式モデルを用いて経営者の倫理的価値観およびインセンティブ/プレッシャーが利益の質に影響を与えるかどうかを検証しました。本研究のフレームワークには、上層部理論 (Upper Echelon Theory) と不正のトライアングル理論 (Fraud Triangle Theory) に基づく計画的行動理論(Planned Behavior Theory)を適用しました。
本研究において、経営者の倫理的価値観をtone at the top(TATT)として定量化して共分散構造分析を実施した結果、TATTは、認知した利益の質に有意かつ正の影響を与え、インセンティブやプレッシャーは、認知した利益の質に有意かつ負の影響を与えることが分かりました。本研究結果から、インセンティブやプレッシャーは利益の質を改良させる経営者の行動を抑制してしまうため、経営者には倫理的価値の高い人材を登用すべきであること、また、会計基準を強化することによって倫理的環境を醸成すべきであることが示唆できます。当該研究は、科研費による研究の一部です。
- 学会誌の掲載論文内容について
また、2019年には、中島真澄教授の論文“Survey Research on Earnings Quality: Evidence from Japan”(日本企業における利益の質に関するサーベイ調査)が、米国会計学会誌「Research on Professional Responsibility and Ethics in Accounting」(年1回公刊)に掲載されました。当該研究は、日本の上場企業の最高財務責任者(CFO)を対象にサーベイ調査を実施し、利益の質および利益の裁量行動に関する経営者の意識を明らかにしたものです。
<経営学部 中島真澄教授 のコメント>
このたび、2020年度台湾会計学会年次大会への派遣を決定賜り大変光栄に存じております。拙研究で、経営者の倫理的価値観が高いほど、利益の質が高くなることを明らかにすることができました。会計不正事件で日本の証券市場の信頼性が失墜してしまいましたが、当該結果から日本企業経営者が真摯な経営行動をとっていることを世界へ発信することができてよかったと存じております。今後は、企業が開示する非財務情報をテキスト・マイニング分析することによって経営者の裁量行動を検証していきたいと存じております。
<文京学院大学について>
1924年、創立者島田依史子が島田裁縫伝習所を文京区に開設。建学の精神「自立と共生」のもと、先進的な教育環境を整備し、現在は、東京都文京区、埼玉県ふじみ野市にキャンパスを置いています。外国語学部、経営学部、人間学部、保健医療技術学部、大学院に約5,000人の学生が在籍する総合大学です。学問に加え、留学や資格取得、インターンシップなど学生の社会人基礎力を高める多彩な教育を地域と連携しながら実践しています。
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