全国初※バーチャル避難訓練を法定消防訓練の部分訓練として実施
令和6年度みなと新技術チャレンジ提案制度採択事業として実証実験完了、令和7年度から公共施設でのサービス実装を目指します
建築VRを展開する株式会社ジオクリエイツ(本社:東京都港区、代表取締役:本田司)は、株式会社日建設計(本社:東京都千代田区)と共同開発した「バーチャル避難訓練」を、東京都港区の「札の辻スクエア」(東京都港区芝5丁目36番4号)で実施しました。一般区民向けには、防災訓練参加への障壁を下げ、有事の際の避難経路確保に役立てる目的で、建物管理者向けには、法定の消防訓練をVRで実施することで、効率的な消防訓練実施システムの構築する目的で、東京消防庁も視察する中、実施しました。本取組みは令和6年度みなと新技術チャレンジ提案制度に採択された事業で、令和7年度から公共施設でのサービス実装を目指します。
※自社調べ「VRを使用した、法定消防訓練の部分訓練」として。 調査日2025年7月31日

令和6年度みなと新技術チャレンジ提案制度の成果報告会の様子:(左から、港区企画課新技術活用担当係長 杉山様、港区産業振興課経営支援係長 二宮様、港区新技術活用担当課長 多田様、ジオクリエイツ代表取締役本田、日建設計染谷ダイレクター)
■背景・目的
災害に強い地域づくりのためには、平時から個人の防災意識の向上が不可欠です。一方で、地域住民にとって、防災を学べる機会が少ない状況があります。そこで、公共施設において、バーチャル避難訓練を行い、防災意識の向上に取り組むことを目的としました。
また、建物の法定の消防訓練においては、実施効率に課題があり、参加人数が増え難い状況があります。そこで、いつでもどこでも、避難者と誘導者の両方が多人数で同時に参加することができ、効率よく繰返し実施して、データ分析・検証ができる、バーチャル避難訓練を用い、法定の消防訓練をVRで実施することで、効率的な消防訓練実施システムの構築に取り組むことを目的としました。
■実証実験の内容
区民の防災意識向上に向けたバーチャル避難訓練と視線感情推定AIによるフェーズフリーな避難誘導システムの構築・効率的な消防訓練実施システムの構築
(1)バーチャル避難訓練・施設案内VR・視線感情推定AIの実装
・札の辻スクエア内を360°VRカメラで全フロアを対象として1000枚以上撮影し、没入感の高いバーチャル空間を開発しました。
・開発したバーチャル空間から、バーチャル避難訓練(一般区民向けの体験会イベントと建物管理者向けの消防訓練で使用)と、施設案内VR(産業振興センターのwebサイトに導入)を用意。視線感情推定AIの実装を済ませ、VR撮影位置やUIの設置位置に活用しました。
・視線感情推定AIでは、建物内において、視線が集まった個所、リラックスが高い傾向の個所、集中が高い傾向の個所の傾向が把握できました。
(2)「みな・さんfes.2025」にて一般区民向けの体験会イベントの実施
令和7年3月15日(土)11時~12時、札の辻スクエアのホール小にて、バーチャル避難訓練の体験会イベントを実施しました。同日16時まで隣接会場のブースでVRとAIを展示しました。
参加者の皆様には、配布するタブレット端末で、ご来場いただいている会場がある建物「札の辻スクエア」のバーチャル避難訓練をご体験いただきました。
もしもの時に備えて、普段は入れない場所も含めて、札の辻スクエアに来たことがある方も初めての方も、気になる場所やいつも使う場所から、参加者の皆さんで一斉にスタートして、避難の途中、普段と違う景色の建物の中で、1階の出口まで避難していただきました。
※区の支援
・実証実験に要する費用の負担(300万円(上限))
・バーチャル空間の元データとなる区施設の撮影場所提供
・区民等への訓練参加の呼びかけや訓練プログラムに関する助言
・区によるプレスリリース等のPR 等
一般区民向けの体験会イベント実施後の紹介動画「バーチャル避難訓練-札の辻スクエア版-」
URL:https://youtu.be/nq5ToRAv2jU

施設案内VR(産業振興センターwebサイト内、中段に設置)
URL:https://minato-sansin.com/function/

視線感情推定AIの結果例(各フロアの避難経路等ごとに解析して考察)
■実施日・場所
一般区民向けバーチャル避難訓練
・実施日:令和7年3月15日(土)10:30–11:30
・場所 :札の辻スクエア産業振興センター11階ホール小
■実証実験の成果
一般区民向けのバーチャル避難訓練体験会を実施し、区民の防災意識の向上が期待できる結果となりました。参加39名うち36名のアンケート回答を得ました。ツールの効果・理解・臨場感・操作し易さの項目で7段階評価の5点以上が70%以上の高得点でした。自由記述では、人の密集の具合などが分かり臨場感がある、子供も簡単に操作できて良かった、リアルな訓練より短時間で何パターンも訓練できるのがよい、等の回答を得ました。
改善点として、一部通信の問題で操作が遅くなる等が発生しました。対策として、オフライン版の開発を完了させました。また、多量のVR撮影枚数が、通信にも開発工数にも影響するため、関係者間のシナリオ策定の効率化・最適化や生成AI等の有効活用の知見も得られました。
■今後の展望
令和7年度から、東京消防庁とも協議の上、公共施設への実装を進める予定です。
バーチャル避難訓練・施設案内VRの両面で建物の構成を伝えることを仕組み化し、住民の防災意識向上に努めます。バーチャル避難訓練体験会の情報も発信し、住民の防災訓練参加への障壁を下げ、有事の避難経路確保にも役立てていく方針です。
■関連プレスリリース
みなと新技術チャレンジ提案制度採択事業「バーチャル避難訓練」の実証実験(体験会)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000073.000038089.html
東京都スマートサービス実装促進プロジェクト Be Smart Tokyoの「バーチャル避難訓練」導入例
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000074.000038089.html
SusHi Tech Tokyo 2025に東京消防庁と共同開発の「AIアプリ」出展
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000076.000038089.html
■みなと新技術チャレンジ提案制度について
東京都港区では、区政のあらゆる分野で新技術を活用した区民サービスの質の向上や地域活性化に資する事業を推進できるよう、区と事業者が連携して新技術の実証実験を行う「みなと新技術チャレンジ提案制度」を開設し実証実験の実現に向けて支援を行います。
本事業では、区内をフィールドとした実証実験への協力を通じて、多様化・複雑化する行政や地域の課題を民間事業者等の持つ新技術を積極的に活用しながら解決し、公共サービスにおける区民・事業者の利便性の向上、行政運営の効率化、及び新たな価値を提供するサービス創出を目指します。区が採択した提案は、実証実験の実現に向けて、広くサポートいたします。
※港区ホームページより抜粋、最下部に実証実験の報告書(概要版)掲載
URL:https://www.city.minato.tokyo.jp/shingijyutsutan/challenge.html
■バーチャル避難訓練について
株式会社ジオクリエイツと株式会社日建設計(本社:東京都千代田区)で共同開発した、リモートで避難訓練ができるサービスです。これまでオフィスや商業施設や都市街区での民間や自治体官公庁での導入実績を増やしており、安心安全な場所づくりや働き方の実現を目指し展開を進めています。
バーチャル避難訓練LP URL:https://geocreates.net/virtualhinankunren-lp/
◾️ジオクリエイツについて
設立 : 2012年6月15日
所在地 : 東京都港区西新橋1-7-5 BIRTH TORANOMON
代表者 : 代表取締役 本田 司
資本金 : 1億4050万円(資本準備金含む)
事業内容: VR用SaaS「ToPolog」開発・運営、VR/AR・AIサービスの企画・開発
URL : https://geocreates.net/
「すべての人に最高の空間体験を!」をビジョンに掲げ、空間体験価値を定量化する空間アナリティクスツール「ToPolog(トポログ)」を展開しています。国内外の様々なインテリアや建築や都市のプロジェクトでの関与実績から、設計者・事業主・エンドユーザー間の課題を捉え、設計段階や設計前後の現地のVRでの視線や脳波を実測・推定でデータベース化・AI化して、不動産・防災・小売などの事業領域で空間デザインの民主化を実現します。
■ 本件に関するお問合せ
株式会社ジオクリエイツ広報担当
電話 :03-6435-0743
メール:pr@geocreates.net
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