【東京都美術館】「子どもへのまなざし」展 開催決定!!
上野アーティストプロジェクト2019「子どもへのまなざし」11月16日(土)~2020年1月5日(日)
上野アーティストプロジェクトの第3弾として、「子どもへのまなざし」をテーマに美術公募団体に現在所属する6名の作家を取り上げます。「子ども」は魅力的なモチーフとして多くの作家の心を捉えてきました。子どもに仮託される多層的なイメージを読み解こうとする展覧会です。
●「子どもへのまなざし」とは?
「子ども」は魅力的なモチーフとして多くの作家の心をとらえてきました。子ども時代は誰もが経験するものであり、作家はそれぞれの想いをもって「子ども」を含んだ作品を制作します。そこにはさまざまな子どものイメージが重ねられ、鑑賞者の中にある「子どもへの想い」にも繋がっていきます。
本展でご紹介する若手からベテランまでの6名の作家の作品を通じて、子どもに仮託される多層的なイメージを、「愛される存在」「成長と葛藤」「生命のつながり」の3つの視点をキーワードに読み解こうとする展覧会です。
●上野アーティストプロジェクトとは?
「公募展のふるさと」と称される東京都美術館の歴史の継承と未来への発展を図るために、2017年より開始したシリーズです。公募団体展で活躍する優れた現代作家を、テーマに沿って選定し、紹介します。
第三弾の今回は「子どもへのまなざし」をテーマとし、公募団体で活躍中の作家6名をご紹介します。会期中にはアーティストトークを行い、作家との対話をお楽しみいただけます。
●出品作家 ※50音順
大久保綾子、木原正徳、志田翼、新生加奈、豊澤めぐみ、山本靖久
●展覧会構成と出品作家紹介
第1章 愛される存在
作品に描かれた子どもの微笑ましく愛らしい姿は、自由や希望、幸福といった理想の世界を感じさせると同時に、大人にとっては可憐さや懐かしさといった情感も抱かせます。また、無垢でか弱く、屈託の無い子どもの姿は、宗教画にも通じる崇高さも漂わせています。作品を通じて子どもに注がれる様々な視線を感じてもらえればと思います。
■新生加奈/しんじょう・かな 日本美術院院友 1977年東京都葛飾区生まれ、神奈川県横浜市在住
新生はぬくもりのある色彩を用い、柔らかいタッチで人物を描き出します。描かれる少女や母子像は純真さをたたえ、慈愛に満ちた空気が感じられます。作品は岩絵具や金箔、銀箔を用いて描かれ、心に染み入っていくような落ち着いた印象とともに、作品からは私たちの奥深くにある感覚を呼び起こされるような、深い暖かさが感じられます。
■大久保綾子/おおくぼ・あやこ 一陽会絵画部委員 1945年東京都生まれ、千葉県船橋市在住
大久保は一貫して母子像を描き続けている作家で、子どもとともにどっしりとした存在感のある母親を描き、「母なる大地」という表現がふさわしい作品を発表しています。非力な赤子や走り回る子どもを受け止める母親として、手と足は一段と大きくデフォルメされ、画面には母親に守られた安らぎがあふれており、大久保のあたたかなまなざしが表現された世界をご覧いただけます。
第2章 成長と葛藤
自分とは何なのか、なぜ生きるのか、何が善で何が悪か・・・子どもは自我の目覚めとともに、既存社会への従属と自己の確立の間に自身の存在意義を見出そうとします。大人になる過程で避けられない思春期の葛藤を表現した作品群は、既にこの時期を通過した大人にとって、置き去りにしてしまった自己との深い対話を表現しているように感じられます。
■志田翼/しだ・つばさ、独立美術協会準会員、1982年北海道札幌市生まれ、埼玉県川越市在住
純粋さゆえに、大人が構築した社会のモラルに反することにも突き進んでゆく攻撃性も内包する小学生を描いた作品や、社会に反発する自己の内面を描いた自画像を出品します。また、現在高校で教鞭をとる志田は、生産過多、情報過多な現代において、自分に必要なものを選び取ることの難しい中学生、高校生をモチーフに描いた作品も発表します。
■豊澤めぐみ/とよさわ・めぐみ、新制作協会協友、東京都生まれ、埼玉県在住
豊澤の作品には死神やカラスとともに女子高校生が登場します。描かれている人物はすべて豊澤自身の内面を擬人化したものであり、一人の人間の中にある複数の感情を表しています。これまでの自分を否定したい気持ちや、周囲から影響を受けて揺れる感情など、作家自身が思春期の頃に感じていた思いが作品に描き出されています。
第3章 生命のつながり
子どもは成長して大人となり、新しい命を見守り育む側へと立場を替えて次の世代へとつながっていき、時代を超えた大きな生命の循環を形成します。画家は、壮大な世界の中で受け継がれていく生命のひとつとして人間が存在することを私達に垣間見せてくれます。作品の中で描かれる生命の交響は、私たちを日常から離れた別世界へと誘ってくれるでしょう。
■山本靖久/やまもと・やすひさ、主体美術協会会員、1963年神奈川県川崎市生まれ、東京都練馬区在住
山本の作品には象や鳥などの動物や、清らかな水の流れ、生い茂る植物といった豊かな自然の恵みが描かれます。その中で過ごす人間は、丸みを帯びたフォルムで穏やかな表情をたたえ、争いや欲といった負の部分が一切感じられず、一種の神聖さをも感じさせます。画面には大人とともに子どもが描かれ、人間と自然が調和した楽園が今後も続いていくことを予感させます。
■木原正徳/きはら・まさのり、二紀会委員、1958年長野県飯山市生まれ、山形県山形市在住
木原は、鮮やかに移り変わる自然と、おおらかな質感を持った本来の人間とが絡まりあう世界を豊かな色彩で表現している作家です。画面には量感豊かな女性の姿が描かれ、次の生命につながる人間の希望的存在のように感じられます。そこには人体とともに植物や雪といった自然の風景も配置され、人体と自然は境界を隔てることなく混然一体となり、まさに生命が循環する様子が表現されています。
●開催概要
○展覧会名 上野アーティストプロジェクト2019「子どもへのまなざし」
○会期 2019年11月16日(土)~2020年1月5日(日)
○休室日 11月18日(月)、12月2日(月)、16日(月)、26日(木)~2020年1月3日(金)
○開室時間 9時30分~17時30分(入室は閉室の30分前まで)
○夜間開室 11月22日(金)、29日(金)、30日(土)、12月6日(金)、7日(土)、13日(金)、20日(金)は、9時30分~20時(入室は閉室の30分前まで)
○会場 ギャラリーA・C
○主催 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館
○観覧料 一般500円、団体(20名以上)400円、65歳以上300円※学生以下無料(要証明)
○各種割引
- 特別展「コートールド美術館展 魅惑の印象派」(会期=9月10日~12月15日)のチケット(半券可)提示にて入場無料
- 身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名)は無料
- 11月16日(土)、17日(日)、12月21日(土)、22日(日)は、家族ふれあいの日により、18歳未満の子を同伴する保護者(都内在住、2名まで)は一般料金の半額
- 11月20日(水)、12月18日(水)はシルバーデーにより、65歳以上の方は無料
- いずれも証明できるものをご持参ください
- 都内の小学・中学・高校生ならびにこれらに準ずる者とその引率の教員が学校教育活動として観覧するときは無料(事前申請が必要)
●関連プログラム *いずれも事前申込不要、参加無料(ただし当日の観覧券が必要)
[1]出品作家によるアーティストトーク
- 11月24日(日)14:00~15:30 大久保綾子、豊澤めぐみ、木原正徳
- 12月1日(日)14:00~15:30 新生加奈、志田翼、山本靖久
[2]担当学芸員によるギャラリートーク
12月20日(金) ①14:00~14:30 ②19:00~19:30
会場=展覧会場内
[3]英語の逐次通訳付きギャラリートーク
12月8日(日)14:00~15:00
会場=展覧会場内
*詳細はウェブサイトなどでお知らせします。
https://www.tobikan.jp/exhibition/2019_uenoartistproject.html
[同時開催] 松本力展-東京都写真美術館コレクションを中心に(仮)
From the TOP collection: “ Chikara Matsumoto”(Tentative title)
同時開催の「子どもへのまなざし」展の連動企画として、東京都写真美術館のコレクションの中から、絵かき/映像・アニメーション作家の松本力の作品を展示します。アニメーション作品に加えて最新のインスタレーションをお楽しみいただきます。
●開催概要
○展覧会名 松本力展-東京都写真美術館コレクションを中心に(仮)
○会期 2019年11月16日(土)~2020年1月5日(日)
○休室日 11月18日(月)、12月2日(月)、16日(月)、26日(木)~2020年1月3日(金)
○開室時間 9時30分~17時30分(入室は閉室の30分前まで)
○夜間開室 11月22日(金)、29日(金)、30日(土)、12月6日(金)、7日(土)、13日(金)、20日(金)は、9時30分~20時(入室は閉室の30分前まで)
○会場 ギャラリーB
○主催 東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館
○連携 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館
○観覧料 無料
会期中に関連イベントを行います。詳細は決まり次第、ウェブサイトに掲載いたします。
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