2025年7月2日(水)QPS研究所の小型SAR衛星11号機 「ヤマツミ-Ⅰ」による初画像(ファーストライト)として、高精細モード画像を公開

世界トップレベルの小型SAR[※1]衛星の開発・運用を行う株式会社QPS研究所(福岡市中央区、代表取締役社長 CEO:大西俊輔、以下QPS研究所)は、2025年7月2日(水)に小型SAR衛星QPS-SAR11号機「ヤマツミ-Ⅰ」の初画像(ファーストライト[※2])として取得した試験観測画像を公開いたします。
QPS研究所が北部九州を中心とした全国25 社以上のパートナー企業と共に開発・製造した「ヤマツミ-Ⅰ」は米国ロケット・ラボ社のロケットElectron (ミッションネーム:The Mountain God Guards)によって2025年6月12日(木)0時31分 (日本時間)に打上げられ、約50分後に衛星分離に成功しました。そしてその約35分後には初交信に成功し、同日の夜に収納型アンテナの展開を実行いたしました。その後、衛星機器の調整を続け、この度、取得した画像を公開する運びとなりました。
QPS-SARは分解能1.8mの通常モード(ストリップマップモード)と分解能46cmの高精細モード(スポットライトモード)の観測が可能です。7月1日から高精細モードで初観測を開始し、本日、11号機のファーストライト画像を発表いたします。
代表取締役社長 CEO 大西 俊輔 コメント
「この度、11号機『ヤマツミ-Ⅰ』の初期運用が大変スムーズに進み、無事にファーストライトを発表できたことを心から嬉しく思います。今年3月の9号機『スサノオ-Ⅰ』を皮切りに、わずか数ヶ月の間に3機の打上げを実現し、さらにその初期運用を並行して進めるという、私たちにとって大きな挑戦の期間でした。その一つ一つを着実に乗り越え、確実に成果を積み上げてきた初期運用エンジニアチームを心から誇りに思っています。複数衛星の同時運用は、私たちが目指す衛星コンステレーション[※3]の実現に向けて、避けては通れない重要なステップです。今回の経験を通じて、私たちはしっかりと次へつながる知見を得ることができました。これからも社員一丸となって、一歩ずつ、確実に歩みを進めてまいります。引き続き、皆さまのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。」

ファーストライト画像詳細

観測日時 |
①2025年7月2日(水) 09:54(現地時間) |
観測場所 |
①神奈川県 川崎市 武蔵小杉エリア(観測時の天候:曇り) |
分解能[※4] |
①アジマス[※5]分解能46cm x レンジ[※6]分解能46cm |
画像処理協力 |
[※1] SAR (合成開口レーダー):電波を使用して地表の画像を得るレーダー。雲や噴煙を透過し、昼夜を問わず観測することができる点が特長。
[※2] ファーストライト:初画像のことを言います。公開した画像データは衛星の機能を試験・調整している中で初で確認できた試験データになります。
[※3] 複数の人工衛星の協業によって高頻度な地球観測を可能とするシステム。(コンステレーションは「星座」の意。)
[※4] 画像化した際の1ピクセルの大きさを指します。ファーストライトで試験観測した通常モードではアジマス分解能1.8m、スポットライトモードではアジマス分解能46cm相当に画像化しますが、レンジ分解能は観測条件によって可変となります。
[※5] アジマス:衛星の進行方向。
[※6] レンジ:衛星のマイクロ波を照射する方向。衛星の進行と直交する方向で、ここではグランドレンジを指します。
ファーストライトSAR画像
このページ上では広域画像は小さくなっており、圧縮をかけて容量を軽くしているため、弊社ホームページのニュース(https://i-qps.net/news/2919/)にて掲載している画像もご覧いただければ幸いです。
①神奈川県 川崎市 武蔵小杉エリア
武蔵小杉駅を中心に、タワーマンションが美しく立ち並ぶダイナミックな高層ビル群を鮮明に捉えたSAR画像です。都市の躍動を感じさせる街並みのすぐそばには、多摩川の穏やかな流れと広々とした河川敷、そして緑豊かな等々力緑地が広がり、都市と自然が見事に調和した武蔵小杉の魅力を感じられる1枚です。

クローズアップ画像

②長崎県 長崎市
山々に囲まれ、大きな天然港を中心とした長崎市全体を観測。西に稲佐山、中央に長崎県営野球場や平和公園、長崎駅を捉え、また、山の稜線、斜面に立ち並ぶ建物、港を行き交う船などを細かく確認できます。世界遺産に登録されている長崎造船所には迫力あるいくつもの巨大なクレーンが見えます。

クローズアップ画像

駅は膜屋根のため、電波が透過して中の鉄骨構造を捉えています。

中腹の駐車場から山頂までの全長約500mを8分程で結ぶ全体像が確認できます。

日本で2番目に古いコンクリートダムである歴史的な旧堤体と、1992年に完成した新ダムの二重になっている様子をはっきり確認できます。
<株式会社QPS研究所について>
QPS研究所は2005年に福岡で創業された宇宙開発企業です。名前のQPSとは「Q-shu Pioneers of Space」の頭文字を取っており、九州宇宙産業の開拓者となること、更には九州の地より日本ならびに世界の宇宙産業の発展に貢献するとの思いが込められています。その名の通り、九州大学での小型人工衛星開発の技術をベースに、国内外で衛星開発やスペースデブリへの取り組みに携わってきたパイオニア的存在である名誉教授陣と若手技術者・実業家が一緒になって、宇宙技術開発を行っています。また、QPS研究所の事業は、創業者たちが宇宙技術を伝承し育成してきた北部九州を中心とする全国25社以上のパートナー企業に力強く支えられています。
<株式会社QPS研究所>
社名 :株式会社QPS研究所(東証グロース市場 証券コード:5595)
本社住所:福岡市中央区天神1-15-35 レンゴー福岡天神ビル6階
代表者 :代表取締役社長 CEO 大西俊輔
創業 :2005年6月
URL :https://i-qps.net/
事業内容:人工衛星、人工衛星搭載機器、精密機器、電子機器並びにソフトウエアの研究開発、設計、製造、販売
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像