三国湊エリア(福井県坂井市)の町家ホテル開業~住友林業ホームテックがリフォームを担当~

住友林業株式会社

住友林業株式会社(社長:光吉 敏郎 本社:東京都千代田区)が出資する株式会社Actibaseふくい(本社:福井県坂井市三国町、代表取締役:樋口佳久)は福井県坂井市三国湊エリアの町家ホテル「オーベルジュほまち 三國湊」を1月28日に開業しました。

このホテルは江戸~明治時代に『北前船』※1の寄港地として栄えた三国湊エリアの地域活性化を目的に作られ、地域の伝統的な建築の町家を活用しています。リフォームは住友林業ホームテック株式会社(社長:新堂 康之 本社:東京都千代田区)が担当。旧家耐震改修技術の知見を活かし安全・快適な宿泊施設に仕上げました。住友林業グループはリフォームで建物の長寿命化を図り新たな価値を創造。環境に配慮した魅力あるまちづくりを通して持続可能な社会の実現と地域経済の活性化に貢献します。


        町家ホテルの外観と内装(明治後期ごろに建築された元和菓子店をリフォーム)


※1.江戸時代から明治時代に日本海側を大阪から北海道まで往復していた海運船。米をはじめとした物資の輸送から発展し、各寄港地で商品を仕入れ販売を行い「動く総合商社」とも呼ばれていた。

■概要
三国湊は福井県北部、九頭竜川の河口に位置し、北前船交易がもたらした文化や独自の建築様式が残っています。三国湊の特徴的な「かぐら建て町家」や日本の伝統的建築「平入造」「入母屋造」をリフォームし、地域に点在する町家を客室とする宿泊施設にしました。改修は耐震性の向上と古民家の魅力を高めることをベースに福井県でしか採掘できない「笏谷石(しゃくだにいし)」や福井県産の木材を活用しました。

所在地   : 福井県坂井市三国町

規模・構造 : 木造平屋、木造2階建て 9棟・16室(開業時)

延床面積  : 69.89㎡~201.94㎡/棟(合計1,117.80㎡)

平均専有面積: 57.68㎡/室

設計・施工 :  住友林業ホームテック(協力施工店:住友林業ホームエンジニアリング他)

改修工期  :  2023年2月~2024年1月

営業開始  :  2024年1月


■町家ホテルのコンセプト
・町並みの保存(建築当時の外観を再現)。
・耐震補強工事を実施し建物の安全性を向上。
・室内空間の魅力を高める部材を再利用。
・部材の地産地消に取り組み、玄関外部に福井県産の笏谷石、
屋根に越前瓦を使用。外装・内装の一部に福井県産木材を使用。
・越前和紙など地元工芸を内装のデザインに採用。


                                                                笏谷石を使った玄関
(客室例)

名称  : 千鳥、テーマは「三国祭」

建築時期: 1848年(嘉永元年)

建物規模: 木造2階建て。延床面積 69.89㎡(最大宿泊者数 2名)

外観      : かぐら建て。小屋根、袖壁が残り、軒先が低く三国の典型的な町家造りの建物。

                屋根は越前瓦、外壁の一部に福井県産のスギを使用。通り沿いの外壁はあえて古く見えるよう荒く仕 

                上げました。

内装      : 倉庫として使用され傷みが激しく建築当時の原型がわからない状態でしたが、町家の雰囲気を残すた 

                め全体的に既存の床梁・床板を現しました。玄関ホールは吹き抜けを設け天井の低さに広がりをを持

                たせました。2階には三国祭の山車を眺めながらくつろげる空間を設けました。

  


名称  : 立湧、テーマは「湯屋」

建築時期: 1957年(昭和32年、町家ホテルで最も築浅)

建物規模: 木造2階建て。延床面積 90.36㎡(最大宿泊者数 2名)

外観  : 平入。小屋根が残り、比較的新しい建物だが三国の伝統建築を意識した造り。

      建築当時と思われる木製引違い建具・欄間を利用し再塗装、ガラスも交換程度に留めて極力外観を変

      えないようにしました。

内装  : 通りに面した部屋(ダイニング)は元々洋服の仕立て(テラー)を営んでいた当時の面影が残りま 

      す。改修では階段を中心に配置し動線を確保。リビングに吹抜けを作って開放的な空間にしました。

       離れには湯屋を設け中庭が眺められる半露天風呂としました。

      



■環境への配慮
 One Click LCA※2を用いて町屋ホテルの1棟を対象に、リフォーム工事に使用した個々の資材データ、使用燃料や廃棄物量の現場実績値をもとにエンボディドカーボン※3と炭素固定量を算定。エンボディドカーボンは約57トンで仮に同じ仕様で建替えた場合と比べて約15%のCO2排出量を削減することができます。建物に使用する木材の炭素固定量の合計は約26トンで40年生のスギ約85本分に相当します。柱や梁、小屋組などの木材を再利用し建物解体後の木材焼却で出る6トン分のCO2の排出を回避しています。


      CO2排出量

   炭素固定量

    算定範囲

算定期間

56,563 kgCO2e (438 kgCO2e/m2)

   

25,630  kgCO2e bio

  

躯体、外部、内部、設備

30年

              新築の建替えとリフォーム工事のCO2排出量比較


※2 住友林業が日本単独代理店契約を結ぶ、建物の一生涯にわたるCO2排出量(エンボディドカーボン)を見える化するソフトウェア。世界140か国で利用しています。国際規格ISOや欧州規格に準拠し、LEEDなど60以上の世界のグリーンビルディング認証に適合。

(参考)One Click LCA サイトページ:https://sfc.jp/treecycle/value/oneclicklca/

※3 建物の建設(建材資材の調達から、輸送、施工・建設、修繕、廃棄・リサイクルまで)に際して発生するCO2を指します。


■Actibaseふくいについて
Actibaseふくいは、観光サービスと町並み整備を通じて、「古き良き三國湊」の価値を高め、国内外へその情報を発信することで、観光客誘致とエリア内消費の促進を図ります。また、地域・企業・自治体等のメンバーと連携し、受入環境整備における多様な課題に対応しながら、地域生活に配慮したまちづくりに取り組んでいきます。
「Actibaseふくい」の「Actibase」は、「Activate(活性化する)」と福井を「base(拠点)」にするという言葉の造語で、「福井に拠点を置き、地域活性化の起爆剤になりたい」との思いを表現しています。「ふくい」のひらがな表記は、さまざまな課題に対し「やわらかく弾力的に対応したい」との思いを込めています。

■Actibaseふくい概要

本 社  : 福井県坂井市

代表者 : 樋口佳久

設 立  : 2022年10月19日

資本金 : 4.95億円(出資金9.90億円)

事業概要: 三国湊エリアにおける宿泊運営事業、料飲事業、アクティビティ事業、町並み等整備事業

株主  : NTT西日本、NTTアーバンソリューションズ、熊谷組、住友林業、福井銀行、福井信用金庫、

      セーレン、福井新聞、福井放送、フクビ化学工業、北陸電力(11社)


住友林業ホームテックは住友林業株式会社(社長:光吉 敏郎 本社:東京都千代田区)の100%出資のリフォーム専門会社です。"「ほんもの」の価値リフォームの実現"のため、住友林業グループならではの確かな設計力と高度な技術力、豊富なノウハウを活かしていきます。省エネ改修+耐震改修+空間提案(木質化+インテリア)を推進し、良質な住宅ストックの形成と脱炭素社会の実現に貢献していきます。

住友林業グループは森林経営から木材建材の製造・流通、戸建住宅・中大規模木造建築の請負や不動産開発、木質バイオマス発電まで「木」を軸とした事業をグローバルに展開しています。2030年までの長期ビジョン「Mission TREEING 2030」では住友林業のバリューチェーン「ウッドサイクル」を回すことで、森林のCO2吸収量を増やし、木造建築の普及で炭素を長期にわたり固定し、自社のみならず社会全体の脱炭素に貢献することを目指しています。今後も非住宅建築分野での木造化・木質化を推進し、木の魅力を最大限に生かした付加価値の高い商品・サービスを提供していきます。


<関連プレスリリース>
三国湊エリア(福井県坂井市)の観光まちづくりを推進する
新会社「株式会社Actibaseふくい」(アクティベースふくい)を11社で共同設立
https://sfc.jp/information/news/2023/2023-02-03.html

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会社概要

住友林業株式会社

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URL
https://sfc.jp/
業種
建設業
本社所在地
東京都千代田区大手町 経団連会館8階
電話番号
03-3214-2270
代表者名
光吉 敏郎
上場
東証プライム
資本金
-
設立
1948年02月