つくば市と現場DXサービス「KANNA」、実証実験の最終報告を発表
職員の残業時間が約26.5%削減など、公共施設設備業務のDX推進に向けた検証結果を公開
現場DXサービス「KANNA(カンナ)」を運営する株式会社アルダグラム(本社:東京都港区、代表取締役:長濱光、以下:アルダグラム)は、茨城県つくば市(市長:五十嵐 立青、以下:つくば市)と公共施設整備に携わる職員および現場関係者の業務効率の改善に向けた、実証実験の最終報告を取りまとめました。本実証実験では、現場DXサービス「KANNA」を活用し、施設整備における施工管理業務の負担軽減、業務の可視化、情報共有の迅速化を目指しています。

実証実験の背景と目的
つくば市では、都市開発の発展に伴い人口の拡大が続き、公共施設の新設・改修業務が増加しています。しかし、担当職員の人員不足や紙ベースでの管理が主流であることから、公共施設整備課では施工管理業務の負担が増大し、下記のような課題がありました。
1.業務の属人化による情報共有の課題
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業務が担当者に依存しやすく、他の職員が進捗や最新データを把握しづらい
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業務の統一化が難しく、異動時の引継ぎが困難
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不具合情報の共有・チェック体制が整備しづらく、業務の属人化が進行
タスク・工程管理の困難さ
・ 年間280件の業務を少人数で管理し、タスクが煩雑化
・ 進捗の可視化がしづらく、管理職のマネジメントが困難
2. 連絡手段が庁舎でしか使えないメールのみで非効率性
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庁舎内でしかメールが使えないため、業務のレスポンスが遅く非効率
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関係者との日程調整が難航し、業務の進行に支障
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送受信履歴の管理が困難で、業者間のデータ共有が非効率
実証実験の対象物件
本実証実験では、「KANNA」を以下の業務に導入し、検証を行いました。
1. 工事
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6-7国債(仮称)中根・金田台地区小学校建設工事
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6-7国補谷田部中学
2. 設計
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6市単つくばカピオ長寿命化改修基本設計業務委託
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6-7市単つくば市陸上競技場整備基本・実施設計業務委託
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6市単大曽
3. 修繕工事予算算出業務
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約130件の修繕工事案件
実証実験の成果と課題
■成果:効果
1. チャット機能の活用で、職員の残業時間が約26.5%削減
メールでの連絡手段を、チャット機能に移行した結果
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外出先など庁内にいずとも、関係者と図面や情報の共有ができ、情報が1箇所にまとまり作業効率が向上
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外出先の空き時間での返信が可能となり、定刻内の労働時間を有効活用
2. 協力会社の約8割が「業務効率化を実感」と回答
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協力会社にアンケートを実施したところ、80%が「業務効率化が図れた」との結果(※下記グラフ参照)
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利用困難な一部の業者には一時的にフォローアップが必要
3. 複数システム利用に比べ、情報の一元化ができ効率化が図れる
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複数のシステムを管理せずとも、資料や写真、連絡内容を一元化できるようになり業務効率が向上
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不具合事例などの重要情報を、関係者へ瞬時に抜けもれなく共有できるようになった
■成果:実証実験者アンケート結果
つくば市および協力会社の実証実験参加者に対して「アプリ活用の効果アンケート」を実施。まず、協力会社に対して「アプリの活用を通じて業務の効率化を実感できたか」尋ねたところ、80%が「非常に実感できた」と回答しました。
さらに、つくば市職員と協力会社に対して、「関係者との情報共有に関して、以前に比べタイムリーになり効率化を実感したか」と質問したところ、90%が「効率化された」と回答し、うち8割が「効率を非常に実感できた」と答えたことがわかりました。

つくば市担当者コメント
建設部 公共施設整備課 建築第二係 係長 吉原 寛 氏
当課ではつくば市が保有する建築物の設計及び工事における監督業務を行っております。つくば市では設計業務及び工事を年間各100件程度行っており、当該業務を係員約10名程度で監督していることから、係員が多くの業務を同時進行する必要があり、タスク管理が困難になるといった課題がありました。また、工事請負業者及び工事発注部署とのやり取りは課に割り当てられている共通のメールアドレスにてメールを行うしかなく、誰宛に届いたメールか分かりづらく、外出先では利用することができないなど、関係者間の情報共有に課題がありました。これらの課題を解決するため、工事現場DXアプリを検証することとなり「KANNA」において実証実験をすることになりました。
「KANNA」では各タスクを工程表のツールに落とし込み、そのタスクの工期が過ぎたら注意喚起の表示がでるため、複数のタスクが同時進行しても、管理しやすくなりました。また、物件に割り当てられた担当者がアクセスできるクラウド上にフォルダ分けをしてデータを保存できること、スマホで利用できるチャット機能があるため、課題であった関係者間の情報共有が容易になりました。
実証実験を通して「KANNA」のような「工事現場DXアプリ」を導入することができれば、当課が抱える課題を解決することができ、効率的な監督業務を行うツールになると考えます。
今後の展開
今回実証実験を通して、工事現場DXアプリがつくば市の業務効率化に向け有効なツールであることが分かったため、工事現場DXアプリの導入を検討していきます。
導入が決定すれば、マルチタスクが必要な部署や様々な部署との調整や情報共有を行う部署においては、タスク管理やリアルタイムに関係者に情報共有を行うなど、進捗管理やコミュニケーションにおける業務効率化が期待でき、また、災害や緊急時において、いつでもどこでも関係者で迅速な情報収集と早期対応に繋がることが期待できるので、公共施設整備課のみならず、庁内の他部署への横展開を検討しています。
■本サービスに関するお問合せ先
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■現場DXサービス「KANNA」について
「KANNA(カンナ)」は、世界中のノンデスクワーク業界における現場の生産性アップを実現する「現場DXサービス」です。事務作業や移動時間、コミュニケーションの手間をカンナのように削り、作業の生産性を最大化します。Appストアでのアプリ評価は「4.3点」(5点満点)。ITツールに不慣れな方にもシンプルで使いやすい設計が特徴です。現場DXサービス「KANNA」は、世界中の現場を支えるプロジェクト管理アプリ「KANNAプロジェクト」、ペーパーレス化を推進するデジタル帳票アプリ「KANNAレポート」の2つのサービスを展開。
【KANNAプロジェクト】https://lp.kanna4u.com/
【KANNAレポート】https://lp.kanna4u.com/report/ ※2024年9月特許取得
株式会社アルダグラム
テクノロジーの力で、世界中のノンデスクワーク業界の生産性向上に取り組み、現場DXサービス「KANNA」を提供しています。2020年7月、プロジェクト管理アプリ「KANNAプロジェクト」をリリース。2022年5月に株式会社MonotaROと資本業務提携。2023年5月、パナソニック株式会社と資本提携を締結。「KANNA」は、国内外で50,000社が利用(2024年9月現在)。日本のみならず海外にも展開しており、タイ、ベトナム、インド、スペイン、メキシコなど世界70ヵ国以上(2024年2月現在)に展開。日本語版に加え、英語版・タイ語版・スペイン語版、ベトナム語の多言語対応をしています。また、2023年11月にはKANNAシリーズ第2弾としてデジタル帳票アプリ「KANNAレポート」の提供を開始。
【社名】株式会社アルダグラム
【所在地】東京都港区芝浦1丁目1-1 浜松町ビルディング11階
【海外拠点】タイ・バンコク
【代表者】長濱 光
【設立】2019年5月8日
【事業内容】ノンデスクワーク業界の生産性向上を実現するサービスの開発・提供
【URL】https://aldagram.com/
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