Qay Mihara Solo Exhibition INTERMISSION : or Contemporary Prometheus
INTERMISSION: or Contemporary Prometheus
を、WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO にて2023年9月6日(水)から9月20日(水)まで開催いたします。
開催概要
【展示タイトル】Mihara Qay Solo Exhibition INTERMISSION : or Contemporary Prometheus
【会期】 9/6(水) - 9/20(水) *Reception party 9/6(水) 17:00 ~ 20:00
【会場】WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO (〒111-0024 東京都台東区今戸1丁目2-10 JKビル3F)
【定休日】月火
【営業時間】13:00 ~ 20:00
【入場(ドネーションチケット) 】: 500円(税込)〜
予約サイト : artsticker.app/events/15216
* 水〜金:要予約 土日:予約不要
* ご来場のご希望の方は、ご来場日前々日の12:00迄に上記リンクにてご予約くださいませ。期日を過ぎてのご来場は原則受け付けておりません。
ex)9/7に来場予定の場合=9/5 12:00迄に要予約
*台東区民閲覧無料(身分証のご提示をお願いいたします)
*日曜(9/9,16)は閲覧無料日
*上記 URL からの事前予約制
*⾃⾝で⾦額を決定するドネーションシステム(ミニマム 500 円から⼊場 料を⾃⾝で決定し、それが若⼿ アーティスト⽀援のためのドネーショ ンとなるシステム。アーティスト⽀援と国内アートシーンの活性化を⽬的としたアートアワード WATOWA ART AWARD 2023 EXHIBITION に寄付されます。
【イベントページ】https://watowagallery.com/mihara-qay-solo-exhibition%e3%80%80intermission-or-contemporary-prometheus/
【Instagram】 @watowagallery
【お問い合わせ】gallery@watowa.jp(メールのみ)
ステートメント
これは映画ではない。絵画である。──「退屈」と「遅延」の美学
三原回の《INTERMISSION》シリーズは、かつて長編映画の休憩時間(インターミッション)に表示されていた画面を絵画にした作品である。ただし「絵画」というのは形式であって本質ではない。素材ないし技法としては、キャンバスに油彩といった「メディウム」よりも「絵画」というメディアを利用した作品と言うほうが適切かもしれない。ぶ厚い支持体や強い光沢、ローラーや筆の粗雑な跡など、物質としての存在感を生々しく誇張する方法を採っており、けっして洗練された絵ではない。もっと単純に、これは絵画なのかではなくこれは絵なのかと問うなら、おそらく答えは否である。
ここでいう「絵画」というのは頑丈なタブローのことであり、それ自体は媒体と同一でない「映画」と対極にある。「映画」に比べて「絵画」の寿命は遥かに長い。ジャンルとして「絵画」の「死」が謳われたこともあったが、むしろ現在では永続性を連想させるメディアでもある。一方で、記録媒体や再生装置が古くなって使えなくなれば、そもそも「再生」──つまり生きかえらせること──が難しくなってしまう「映画」は、「終わり」があるという意味でも「死」がつきまとっている。
映画を中断するインターミッションは「終わり」の遅延であり、延命というわけではないにせよ「死」を遅らせることができる。単なる「一時停止」で運命づけられた「死」を免れることはできない。止まっている画面が即ち「絵画」なのではないが、「絵画」という永続的な形式にうつすことで「映画」を「死なない」ものにできるとしたら、永遠のINTERMISSIONは「映画」ではなく「絵画」であると言える。
もし私たちが「不老不死」だったなら、永遠に年をとることはなく、そもそも時の流れというような観念も生まれなかったかもしれない。しかし、自分自身もまわりのものも静止しているのでなければ、時が止まっているのとは違う。「映画」と同様、死を運命づけられた私たちの人生も、いつかは訪れる「終わり」に向かっているもので、光陰如箭ではないが、どうも時は矢のようにまっすぐ一方向に進むと思われがちである。しかし、「絵画」のもつ永遠の時間とは、流れるでもなく止まっているでもなく、たとえば──アーティストの名のように──ぐるぐる回りながら遅々として進まないというような「遅さ」のことかもしれない。
あるいは「絵画」とは──絵を見るというのは──そういうことなのだと教えるのが三原回の作品なのかもしれない。「絵画」は私たちよりも遥かに長生きである。三原は自らの「絵画」に対する憧憬を「不老不死」の希求という人類的なテーマと重ねあわせ、時間の遅延を「絵画」に結びつけているが、これまでの制作でも、一定の運動を続ける機械の設置(インスタレーション)によって、展覧会に永遠の時間を導入しようとしてきた。アーティストのアイコンにもなっている《Fan》を中心とした「Eternal Motion」シリーズや、デュシャンの墓碑銘に因んだ《死ぬのはいつも他人ばかり》という作品では、ただ回転し続ける換気扇や断続的に電撃を放つ殺虫灯などが、そのほかには特に何も起こらない「退屈」な時間を現実に来していた。
日常生活を長い映画に喩えるなら、人生にも休憩時間(インターミッション)が必要である。私たちは毎日を「退屈」しないように何かと忙しく生きているが、絵を見る時間とは、そんな日々のあいまに「暇」をとることに他ならない。そして、私たちにとって芸術鑑賞は非日常な時間というより生活の一部である。タブローとしての「絵画」は、持ち運びができ、自宅に飾ることもできる。それは決して日常的な時間を否定するものではなく、むしろ共に存在し、私たちが生きる空間や時間を変容させるものだと言える。
文章ほど退屈なものもないので、ひとまずは筆を擱かなければならないが、「終わり」のない作品に対する註釈もまた「続く」──NOT The End
飯盛 希(美術批評)
三原回
三原回
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1987年東京都生まれ。2017年美学校修了。
アーティスト。スノッブ。現代美食家。現代庭師。野心家。パラレルなコマーシャルギャラリーYUMI ADACHI CONTEMPORARY及び、YUMI ADACHI CONTEMPORARY MIAMI SHOWROOMチーフ・エグゼクティブ・オーガナイザー。 遅四グランプリ実行委員会役員。
死生観や、メディアを仲介することによる距離(または近さ)などをコンセプトに、既製品や映像を用いたインスタレーション、ペインティングなど技法や素材に捉われない作品を発表。
映画や美術史を引用し、不死追求(トランスヒューマニズム)やパラレルワールドなどSF的視点を作品に取り入れる。
架空のコマーシャルギャラリー YUMI ADACHI CONTEMPORARY として展覧会の企画もおこなう。
出展作品
《INTERMISSION(Quoted from “Seven Samurai” 1954)》
キャンバスに油彩
2023
689×1620×65
(黒澤明監督「七人の侍」日本映画 / 1954)
《INTERMISSION(Quoted from “Gone with the Wind” 1939 )》
キャンバスに油彩
2023
689×1620×65
(ヴィクター・フレミング監督「風と共に去りぬ」アメリカ映画 / 1939)
WATOWA GALLERY とは
WATOWA GALLERYは、現代日本のストリートカルチャーやファッション、独創的・先進的なテクノロジーや「ジャパニーズ・フィロソフィー」を取り入れた新しい感性を持つ若手の作家を中心として、アート・コミュニケーションの場を提供するアートプロジェクト/プロデュース集団です。アートがファッションのように親しみやすいカルチャーとなり、ひとりひとりのライフスタイルに溶け込む社会を拓くため、新しい感覚のエキシビションや、アートプロジェクトのプロデュース・演出を行い、アートに触れるタッチポイントを拡大します。
現在も国内外で評価されている主要なアートムーブメントの多くは、ミュージアムの外で、そして多様なジャンルのアーティストと支援者との交流によって生まれています。わたしたちは特定のアートスペースを持たず、あらゆる空間をギャラリーと捉え、アートをミュージアムからコミュニティへ、都市へ、住空間へ開放し、ミュージアムの外からさまざまな分野のプロフェッショナルと横断的なアートプロジェクトを発信していきます。さらに、日本の若手アーティストの活躍と日本の若手コレクターの参入をサポートし、アーティストと支援者の交流を促進します。
WATOWA GALLERYを媒介とした新しいコミュニケーションやコミュニティの育成によって、次の時代のアートシーンを創造し、市場の活性化を目指します。2019年より特定の場所を持たないプロデュース集団としての活動をしておりましたが、2022年9月より、初のWATOWA GALLERYの本拠地となる WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYOを浅草・今戸にローンチ。 ※以下、メディア関係者限定の特記情報です。個人のSNS等での情報公開はご遠慮ください。 <報道関係者様からのお問い合わせ先>
WATOWA GALLERY 広報事務局
Mail: gallery@watowa.jp
TEL: 070-8941-8181
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