焼津中央高科学部の研究に静岡県内の釣果データ3.3万件提供。静岡ライフサイエンスシンポジウムで研究発表し優秀賞を受賞

釣果ビッグデータ×海洋ゴミ×環境DNAで魚類相の季節変動を推察

株式会社アングラーズ

国内最大級の釣りアプリ「ANGLERS」を運営する株式会社アングラーズ(本社:東京都町田市、代表取締役:若槻嘉亮)は、静岡県立焼津中央高等学校(校長:遠山一郎)の科学部(以下、焼津中央高科学部)に、2022年から2024年までの静岡県内における釣果記録のデータ提供を行いました。

焼津中央高科学部で、本データを活用し『釣りゴミによる静岡県焼津の釣り人の動向の推察』について研究を進めた結果、釣り人の動向と魚の生態系の季節変動についての関係性がわかりました。また、静岡ライフサイエンスシンポジウム等で研究発表を行い、第25回静岡ライフサイエンスシンポジウムでは高校生部門で第2位となる優秀賞を受賞、日本生態学会シンポジウムでは審査員特別賞を受賞しました。

アングラーズでは、今後も教育機関や研究機関と連携し、持続可能な釣り環境の実現に向けた科学的研究に貢献してまいります。

■焼津中央高校科学部の取り組み・研究の背景

焼津中央高校科学部では、地元の海を守るため、3年前から焼津市石津浜海岸にて定期的な海中・海浜清掃を実施しています。これまでに計8回の大規模清掃を行い、合計724kgのルアーやビン、缶などの海洋ゴミを回収しました。

回収したルアーは、付着したフジツボや塗装を剥がし、塗装し直すことで、新たなルアーやキーホルダーへとアップサイクルしています。また、プラスチックゴミやビン・缶は、細かく破砕しレジンで固めたキーホルダーにアップサイクルしています。これらのアップサイクル製品は地域のイベント等で販売され、多くの人に海洋ゴミ問題を知ってもらう啓発活動にもつなげています。

これらの活動を通じて、清掃や啓発にとどまらず、どのようなゴミがどの程度存在するのかを科学的に明らかにする必要があると考えられました。また、釣りは海と密接に関わる活動である一方で、環境への影響は十分に解明されていません。そこで、特に海洋汚染に影響を与えるルアーや釣り糸などの「釣りゴミ」に着目し、石津浜における釣りゴミの種類や量を調査する研究が開始されました。

本研究では、以下の点を明らかにすることを目的としました。

  • 釣りゴミの種類と量を把握し、釣り人の行動を推定できるか

  • 釣り人の動向と魚類相の季節変動の関連性を解明できるか

  • 複数の調査手法を組み合わせることで、より詳細な知見を得られるか

■研究成果

(1) 釣りゴミの回収と解析

9ヶ月間で計2505個の釣りゴミを回収し、時期が特定できた787個を8種類に分類しました。

春から夏にかけて、回遊魚を狙うルアーの割合が増加し、夏から冬にかけて減少する傾向が見られました。イカを狙うルアー(エギ)の割合は、春と秋に増加しました。回収したルアーの分析から、釣り人の狙う魚種や使用するルアーの傾向を推定できる可能性が示唆されました。

(2) 釣り人へのアンケート調査

9ヶ月間で計347名のアンケートデータを取得しました。月ごとに釣り人の狙う魚種、使用するルアーに違いが見られました。釣り人が狙う魚種、使用するルアーの傾向は、釣りゴミの傾向とおおむね一致しました。56%の釣り人が、過去と比べて釣れる魚に変化を感じていました。

(3) 釣りアプリ「ANGLERS」の釣果情報の解析

2022~2024年のデータから、石津浜では約140種、計5596匹、三保では約240種、計9658匹の釣果データを得ました。

石津浜、三保ともに、夏に青物の割合が高く、春・秋にイカの割合が高いという、釣果の季節変化が見られました。この傾向は、釣り人アンケートや釣りゴミの分析結果とおおむね一致しました。

タチウオの割合は秋から春に高い傾向が見られましたが、これは釣り人のアンケート結果や釣りゴミの傾向とは一致しませんでした。この理由として、アプリのデータ解析から、タチウオの釣果が夜間に集中しているのに対し、アンケート調査は朝に実施していたことが挙げられました。また、釣りゴミの分類では、回遊魚を狙うルアーにタチウオを狙うルアーが含まれていたため、細分類の必要性が示唆されました。

(4) 環境DNAメタバーコーディング解析

4~12月の9ヶ月分の環境DNAから、97魚種を検出しました。月ごと、水深ごとに検出される魚種に違いが見られました。この結果から、石津浜に生息する魚種を把握することができました。

また、同時刻に水深を変えて採水し、環境DNA解析を行った例はほとんどなく、水深による魚種の違いが示されたことは貴重な成果と言えます。

 結論と今後の展望

本研究により、釣りゴミの分類・解析、釣り人アンケート、釣りアプリのデータ、環境DNA解析を組み合わせることで、釣り人の動向と魚の生態系の季節変動をより詳細に把握できることが示されました。

今後は、以下の点について研究を進める予定です。

  • 釣りゴミの定量解析を行い、釣りアプリの情報や地理情報システム(GIS)と組み合わせて、釣りゴミの量を推定する。

  • 釣り人の動向と環境変動、人間の社会行動の変化との関連性を分析する。

  • 自然科学的なデータと社会科学的なデータを融合することで、新たな発見を目指す。

焼津中央高校科学部のコメント

現在、私たちが最も難しいと感じているのは、研究の魅力をどう伝えるかという点です。

私たちの研究は、自然科学と社会科学を融合した新しい領域に取り組んでいるのが大きな特徴であり、発表も両分野で行っています。

その中で、社会科学の分野で発表を行うと、「この研究はどこで人の役に立つのか?」という質問を多く受けます。もちろん、人の役に立つことが研究意義のひとつですが、実は、私たちが研究をしている一番の理由は「面白いから」です。興味や好奇心が出発点であり、それこそが私たちの原動力です。

「人の役に立つこと」が研究の大義だと考える方々との間に、少しギャップを感じることもあります。でも、たとえ目的が違っていても、研究の面白さそのものが伝われば、それも大きな意義になるのではないかと考えています。どうすれば研究の魅力がより多くの人に伝わるのか。今も日々、試行錯誤を重ねています。

(参考資料)日本生態学会 一般講演(ポスター発表)概要https://esj.ne.jp/meeting/abst/72/PH-01.html

■出展一覧(ポスター発表)・受賞歴

第10回高校生国際シンポジウム(2025年2月19~20日)

第25回静岡ライフサイエンスシンポジウム(2025年3月1日)

高校生部門 優秀賞(第2位に該当)

日本生態学会シンポジウム(2025年3月15〜16日)

審査員特別賞


■株式会社アングラーズについて

「釣りで人生を豊かに」をビジョンに掲げ、釣り人が共有し、繋がり、学び、購入できる環境を提供しています。釣り専用SNS「ANGLERS」や、スマホで簡単に釣船予約ができる「アングラーズ釣船予約」など、釣り人同士が信頼できる情報を共有し合い、自然に繋がり合える場所をつくり、釣り人が釣りにより熱中しその熱量を伝播する環境を実現します。

会社概要

商号:株式会社アングラーズ

所在地:東京都町田市森野1丁目36−11 WALD136 3F

設立:2012年10月

代表者:若槻嘉亮

資本金:8億1453万5694円(資本準備金含む)

事業内容: 釣り専用SNS「ANGLERS」の企画・開発・運営、その他関連事業

URL: https://corp.anglers.jp

釣りアプリ「ANGLERS」

https://anglers.jp

アングラーズ釣船予約

https://ships.anglers.jp

アプリダウンロードはこちら

https://app.adjust.com/1m2zcpw0

・代表 若槻嘉亮(わかつき ひろあき)プロフィール

2005年に高知大学理学部卒業後、SGシステムIT企画部に入社。佐川急便基幹系システムの企画、プロジェクトマネジメントなどに従事。起業してCEOに就任後も、JAVAによるAndroid開発や、Ruby on Railsによるウェブサイトの開発にも従事。WEBの動線設計、インフラ構築なども手掛ける。最大の武器は覚悟。

<本件に関するお問い合わせ>

株式会社アングラーズ 広報:岩田

E-mail:pr@anglers.jp

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会社概要

株式会社アングラーズ

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URL
https://anglers.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都 町田市 森野一丁目36番11号3F
電話番号
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代表者名
若槻 嘉亮
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2012年10月