Arm、没入感あふれるインテリジェントな体験をメインストリーム市場に提供する最新プロセッサIPを発表

アーム株式会社

2019年10 月23 日、中国・北京「Arm Tech Symposia Beijing」発 –– 英Arm(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:神奈川県横浜市、以下Arm)は本日、普及機市場に向けた以下の最新プロセッサIPを発表しました。これら新型のNPU、GPU、およびディスプレイ・プロセッサの提供により、没入感あふれるインテリジェントな体験をメインストリームのモバイルデバイスやコンシューマ機器において実現します。

発表の概要:
  • NPU「Arm Ethos-N57」、「Arm Ethos-N37」: Armの機械学習(ML)向けプロセッサのラインアップを拡大、普及機での人工知能(AI)アプリケーションに対応
  • GPU「Arm Mali-G57」: Valhallアーキテクチャを採用した初のメインストリーム向けGPUとして、当社比で1.3倍のパフォーマンス向上を達成
  • DPU「Arm Mali-D37」: FHD/2Kディスプレイ向けに豊富な機能を最小の実装面積で実現可能
モバイルデバイスやホームエンターテイメント向けARデバイス、より高解像度なゲームコンテンツ、AIを用いた最新のユースケースなど、これまでプレミアムデバイスの特長であった没入感あふれる映像体験が、今ではメインストリームデバイスにおいても要求されています。一般的な組み込みデバイスに最適化された高性能のAI/マルチメディアIPソリューションを開発者が利用できることで、AI主導型の新たなユースケースが実現可能になり、音声認識や常時接続などの機能は、もはやモバイルデバイス固有のものではなくなっています。
 
ゲームデバイスやデジタルTV(DTV)など、あらゆる場面でAIによるインテリジェンスが実現する中、こうしたレスポンシブな体験の実現には、エンドポイントでの演算能力の向上が求められます。例えば、スマート・アシスタントの音声コマンド、多言語表示用のリアルタイム翻訳、顔認識によるペアレンタル・コントロールなど、DTVにおけるインテリジェントな体験は多岐にわたります。

こうしたニーズに対応するため、Armはこのたび、新たに2種類の新型メインストリームMLプロセッサと、最新のMaliグラフィックス/ディスプレイ・プロセッサを発表しました。これらのIPはArmがもたらす拡張性に裏打ちされたもので、一般的に使用される超効率的なコンシューマ機器でのプレミアムな体験を演出します。最新IPスイートの構成は以下の通りです。
  • NPU「Ethos-N57」、「Ethos-N37」: AIアプリケーションに対応し、コスト、実装面積、帯域幅、バッテリー寿命の制約とMLパフォーマンスとの間でバランスを取ります。
  • GPU「Mali-G57」: Valhallアーキテクチャに基づく初の普及機向けGPUとして、パフォーマンスの向上を通じて、没入感あふれる体験を演出します。
  • DPU「Mali-D37」: 最小の実装面積で豊富な機能セットを実現しており、エントリーレベルの機器と小型スクリーンに最適なDPUです。

「Ethos-N57」、「Ethos-N37」: 真のヘテロジニアス・コンピューティングを実現
以前に発表したArm MLプロセッサ(*1)(現在はEthos-N77に改称)に続く、Ethos-N57 / Ethos-N37は、Ethos NPUファミリーの最新IPです。Arm Ethosは、AI/MLの複雑な演算の課題を解決するための製品群であり、一般的なデバイスを対象に、よりパーソナライズされた、没入感あふれる体験の創造を可能にします。コンシューマ機器のスマート化が進む中、専用のMLプロセッサによりAIパフォーマンスと効率性をさらに高める必要性が生じています。今回の新型Ethos NPUは、コストとバッテリー寿命を最重視する設計に最適化されており、一般的なデバイスにおいてプレミアムなAI体験を演出します。 
*1) https://community.arm.com/developer/ip-products/processors/b/ml-ip-blog/posts/arm-ml-processor-exciting-ux-on-edge-devices?_ga=2.51290601.1182552236.1571088503-1213381294.1570564508

Ethos-N57およびEthos-N37は、以下をはじめとする基本理念を念頭に設計されています。
  • Int8/Int16データ型のサポート向けに最適化
  • データ転送と関連する消費電力を最小限に抑える高度なデータ管理技術
  • 革新的なWinograd実装などの技術を通じ、他の多くのNPUに比べパフォーマンスを200%以上向上

上記以外のEthos-N57の特長は以下の通りです。
  • MLパフォーマンスと電力効率のバランスを実現する設計
  • 2TOP/sのMLパフォーマンス範囲に最適化

Ethos-N37の特長は以下の通りです。
  • 最小の実装面積のML推論プロセッサ(1mm²未満)を実現可能な設計
  • 1TOP/sのMLパフォーマンス範囲に最適化

Ethos-N57/Ethos-N37 NPUについての詳細は、Armのブログ(英文)をご覧ください。
https://community.arm.com/developer/ip-products/processors/b/ml-ip-blog/posts/optimizing-ai-workloads-with-ethos-npus

「Mali-G57」: より没入感あふれるインテリジェントな体験をコンシューマ市場へ
Mali-G57は、より高解像度を求めるゲームコンテンツやゲーム専用機並みのグラフィックスを必要とするモバイルデバイス、4K/8Kテレビにおけるユーザー・インターフェイス、より複雑なAR/VRデバイスのワークロードなど、没入感あふれるインテリジェントでプレミアムなユーザー体験をメインストリーム市場にもたらします。これはモバイル市場における非常に大きな分岐点で、Unity社との先日の発表(*2)でも強調した通り、ArmベースのSoC、CPU、GPUにおいてさらなるパフォーマンスの最適化に向けた取り組みを行うことにより、開発者は新たなコンテンツ制作により多くの時間を費やすことが可能となります。
*2) https://www.arm.com/company/news/2019/10/a-total-compute-approach

Mali-G57の主な特長は以下の通りです。
  • 様々なコンテンツにおけるグラフィックス性能を、同一面積当たりでMali-G52比1.3倍向上
  • 電力当たりのグラフィックス性能も1.3倍向上し、バッテリーの長寿命化を実現
  • VR用途でフォーヴィエイテッドレンダリング(Forveated Rendering)をサポートし、ML(機械学習)用演算性能を60%向上させることで、より複雑なxRワークロードに対応

Mali-G57についての詳細は、Armのブログ(英文)をご覧ください。
https://community.arm.com/developer/tools-software/graphics/b/blog/posts/arm-mali-g57-gpu

「Mali-D37」: 最高の面積効率を誇るArmのディスプレイ・プロセッサ
Mali-D37は、実装面積を可能な限り抑えつつ、ディスプレイに必要なさまざまな機能と性能のバランスを高いレベルで凝縮させています。その結果、エンドユーザーにとっては、エントリーレベルのスマートフォン、タブレット、最大2Kの小型ディスプレイなど、実装面積が最重要視されるデバイスを対象に、ディスプレイ機能、性能向上、低コスト化を実現します。

Mali-D37の主な特長は以下の通りです。
  • エリア効率が非常に高く、FHD/2K解像度サポートにおいては、16nmプロセスにおいて1mm²未満の面積で実装可能
  • 従来GPUで実行しているディスプレイ用のタスクとその際のメモリマネージメントをMali-D37で実行させることでシステム全体の消費電力を最大30%削減可能
  • Assertive Display 5(*3)との組み合わせによるHDR/SDRの合成機能など、プレミアム製品であるMali-D71の主なディスプレイ機能を継承
*3) https://www.arm.com/products/silicon-ip-multimedia/display-subsystem/assertive-display-5

Mali-D37についての詳細は、Armのブログ(英文)をご覧ください。
https://community.arm.com/developer/tools-software/graphics/b/blog/posts/arm-mali-d37-dpu

今回発表した一連の最新IPは、ArmのTotal Computeアプローチに即したソリューション・アプローチを念頭に設計されています。将来的なワークロードの複雑な演算要件に対応できるよう、最適化を図りつつ、エクスペリエンス主導型の設計を可能にします。面積効率、省エネルギー、パフォーマンスの向上を通じて、これらの最新IPは、コストの削減と市場投入期間の短縮を推進します。これにより、より高解像度のゲームや据え置き型ゲーム機に匹敵する体験がモバイル機器で実現し、DTVでは演算機能が向上します。さらに、MLパフォーマンスの向上を通じ、最近の一般消費者が慣れ親しんでいる、より高い応答性を備えた、没入感あふれるパーソナライズされたコンテンツにも対応できます。

Armについて
Armのテクノロジーは、コンピューティングとコネクティビティの革命の中心として、人々の暮らしや企業経営のあり方に変革を及ぼしています。そのエネルギー効率に優れた高度なプロセッサ設計は、1,500億個以上のチップを通してインテリジェントなコンピューティングを実現してきました。Armのテクノロジーは各種センサーからスマートフォン、スーパーコンピュータまで、さまざまな製品をセキュアにサポートしており、世界人口の70%以上に使用されています。さらに、このテクノロジーにIoTソフトウェアやデバイス管理プラットフォームを組み合わせ、顧客がコネクテッドデバイスからビジネス価値を生み出すことを可能にしています。Armは現在1,000社以上のテクノロジーパートナーとともに、チップからクラウドまで、演算が行われるあらゆる分野における設計、セキュリティ、管理を支える技術の最先端を担っています。

全ての情報は現状のまま提供されており、内容について表明および保証を行うものではありません。本資料は、内容を改変せず、出典を明記した上で自由に共有いただけます。ArmはArm Limited(またはその子会社)の登録商標です。その他のブランドあるいは製品名は全て、それぞれのホールダーの所有物です。© 1995-2019 Arm Group.

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


関連リンク
https://www.arm.com/
ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

アーム株式会社

12フォロワー

RSS
URL
http://www.arm.com/
業種
情報通信
本社所在地
神奈川県横浜市港北区新横浜2-3-12 新横浜スクエアビル17F
電話番号
045-477-5260
代表者名
内海 弦
上場
-
資本金
-
設立
-