海野林太郎 、王之玉 、アレキサンダージュリアンによる展覧会「スピリチュアル・フィクションズ」を歌舞伎町のデカメロンで開催

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新宿・歌舞伎町のアートスペース「デカメロン」にて、2025年9月5日より、海野林太郎、王之玉、アレキサンダージュリアンによる展覧会「スピリチュアル・フィクションズ(Spiritual Fictions)」を開催します。

異なる背景と実践を持つ3名のアーティストは、それぞれの視点から「スピリチュアル(精神的・霊的)」と「フィクション(創作)」という概念に向き合い、それを既存の現実から離れるための装置ではなく、むしろ現実を手繰り寄せ、確かめるための回路として用いるような表現活動を展開しています。

想像力と現実の接点

本展では、映像、オブジェ、華道、文章、インスタレーションといった多様なメディアを横断しながら、スピリチュアルな想像力と現実との間に生じるズレや重なりに焦点を当てます。

プロジェクト名にある「スピリチュアル(spiritual)」は、一般的に「精神的なもの」や「目に見えない力」を指す言葉であり、魂や意識の深層、あるいは宗教的・非物質的な感性を内包しています。また、「SF」は本来サイエンス・フィクション(Science Fiction)を意味しますが、ここでは「スピリチュアル・フィクションズ」として再解釈され、新たな想像力のかたちとして提示されます。

現実を取り戻すための回路

現代において、スピリチュアルな言説はしばしば資本や政治と無自覚に結びつき、個々の現実感や判断力を奪う装置としても機能しています。アーティストたちはそうした状況に対して強い危機意識を持ちながらも、スピリチュアルな想像力そのものを否定するのではなく、それを「現実を取り戻すための回路」として捉え直そうとしています。

日常に潜む違和感の瞬間や誤解、繰り返される言葉の空転など、作品には現実の裂け目から立ち上がる微細なエピソードが散りばめられています。これらは単なる記録ではなく、それぞれの現実から紡ぎ出された個別のフィクションであり、既存の枠組みに依存しない「見たことのない現実」の兆候として現れます。

フィクションは再接続の手段

かつてサイエンス(科学)が、現実とフィクションをつなぐメディアとして機能したように、彼らは今、スピリチュアルな想像力を媒介として、精神と現実のあいだに新たな接点を見出そうとしています。フィクションとは逃避ではなく、再接続の手段であり、分断された現実をもう一度手繰り寄せるための試みです。

本展では、日常の断片から立ち上がる言語的・視覚的装置を通じて、3名のアーティストによる「スピリチュアル・フィクションズ」の実践を紹介します。既存の価値観や制度から距離をとりながら、新たな現実のあり方を探るその姿勢は、現代社会への批評性を帯びつつも、未来への希望を静かに照らし出します。ぜひご高覧ください。(文・海野林太郎)


アーティストプロフィール

海野林太郎(Rintaro Unno)

 1992年、東京都生まれ。美術家。新興宗教やテレビゲーム、映画、無人航空機など、多様なモチーフを取り上げ、映像やインスタレーションを中心に制作を行っている。加えて、絵画、立体、テキストといった他のメディアによる表現も手がける。近年は、「メディアと人間、社会と個人の関係を考察しながら、個人が信じるものや見えている世界をどのように描けるか」というテーマを軸に活動している。主な活動に、EUKARYOTEや銀座 蔦屋書店、TOKAS本郷での個展、磯村暖とのユニットで参加した「Phantasmapolis – 2021 Asian Art Biennial」(國立臺灣美術館)などがある。また、「カタルシスの岸辺」のコアメンバーとして、越後妻有里山現代美術館での個展や、台湾・桃園市でのパブリックアートの制作・設置も行う。2023年より、国際フェスティバル「科学と芸術の丘」のディレクターチームにて展示ディレクションを務めている。

「BURN」 2021
「マヌケだね 楽しい夜さ 好きだよ」 2022
「飛行日記」 2023

王之玉(WangZhiyu)

1999年中国黒龍江省生まれ、2017年来日。2022年に東京藝術大学美術学部油画専攻を卒業、2024年に同大学大学院美術研究科油画技法・材料研究室修士課程を修了。現在は博士課程に在籍している。

「現代の錬金術師」を自称し、宗教、オカルティズム、自然科学、神話、旅の経験など多様な領域から着想を得て、錬金術的な発想を基盤に制作している。両性具有の身体、天使、一角獣、イルカ、卵、ウロボロスなどの象徴的かつ物語性を持つモチーフを制作言語として用い、絵画、彫刻、インスタレーションなどのメディアを通じ、現代社会で失われつつある精神性や宗教性を宿す場と時間を提示する作品を国内外で発表している。

「Gabriel ☿」2025
「Rebis」 2021
オブジェ「家族写真」 2023

アレキサンダージュリアン(Alexander Jyulian)

闇花屋/FLOWER PUSHER

いけばな草月流師範

鹿児島県立樹木女学院を首席で卒業

好きな飲み物はファイブミニ

「ていねいなキュウリ暮らし」 2025
「衛星を追う」 2024
「聖☆ジュエル」 2024

展覧会概要

展覧会名:「スピリチュアル・フィクションズ」

会期: 2025年9月5日(金)– 9月28日(日)

会場:デカメロン

住所:東京都新宿区歌舞伎町1丁目12-4

営業時間:20:00~27:00 (※13日のみ24:00まで)

休廊日:月曜日


デカメロンについて

2020年、新宿・歌舞伎町の中心地に開廊。同店は、1348年からヨーロッパで猛威を振るったペストの様子を克明に綴ったボッカッチョによる物語集『デカメロン』を店名に冠した。
2階が展示スペース、1階のバーは展示鑑賞前後にアーティストや観覧客が交差するコミュニケーションスペースとなっている。2021年4月にはギャラリースペースの増床を行い、実験的な現代アートの展覧会を開催し続けている。

HP:https://decameron.jp/

Instagram:https://www.instagram.com/decameron_kabukicho/

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URL
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業種
サービス業
本社所在地
新宿区歌舞伎町2-1-2 HANROKUビル6F
電話番号
03-6380-3990
代表者名
田村英司
上場
未上場
資本金
300万円
設立
2003年12月