【髙島屋創業190周年】髙島屋の美の原点 刺繍絵画 ≪獅子図≫ を特別展示
~下絵と製品、100年の時を超えた再会~
日本にはほとんど残されておらず、今では大変貴重な美術工芸品のひとつ、「刺繍絵画」。 明治から大正にかけて、髙島屋が欧米に向けて輸出した刺繍絵画≪獅子図≫と、本作の下絵≪獅子図≫が、同時に展示される貴重な機会をお楽しみください。
■日本橋店 8月18日(水)~8月31日(火) 1階 ホールにて
■大阪店 9月2日(木)~9月14日(火) 1階 正面入口フロントステージにて
■京都店 10月20日(水)~11月2日(火) 1階 ゆとりうむフロントステージにて
- 「刺繍絵画」 とは
一見絵画のように見えますが、針と絹糸で刺繍されているものです。
画家が描いた下絵をもとに、職人が一針一針、緻密に丹念に縫い上げており、本作(作品外寸W90.5cm×H80cm)を完成させるのには数カ月から約1年かかったであろうと言われています。こうした「刺繍絵画」は、明治期に盛んに製作され、海外の邸宅を彩る室内装飾品として輸出されました。
当時、近代化を急ぐ日本では、文化国家であることを海外へアピールする目的や、外貨獲得によって日本を豊かにしようという政策のもと、多くの美術工芸品が海外へ輸出されました。
そのひとつが「刺繍絵画」ですが、当時は主に万国博などへの出品や、欧米の富裕層向けの輸出品として制作されたため、日本にはほとんど残されておらず、今では大変貴重な美術工芸品のひとつとなっています。髙島屋が明治期にはじめた輸出貿易の主力製品のひとつも、この「刺繍絵画」でした。
- 「超絶技巧」による、刺繍絵画 ≪獅子図≫ について
わずか1cmほどの直線を縫い上げることを繰り返しながら、自在に曲線を描いていく高度な技術。染め分けた絹糸の色の濃淡のみで立体感を表し、糸ならではの質感で獅子の毛並みを繊細に表現しています。
想像を絶する忍耐力と根気をともなう作業ですが、職人の並外れた技術、まさに「超絶技巧」によって、雌雄の獅子が見事に縫い表されています。
当時、ヨーロッパを席捲していたジャポニズムも追い風となり、「刺繍絵画」は大変好まれました。現在も、各国の美術館などには日本の刺繍製品が多数収蔵されています。
- 下絵と製品、100年の時を超えての再会
刺繍絵画≪獅子図≫には、「下絵」があります(髙島屋史料館蔵)。
髙島屋で染織品の下絵制作をてがけていた、画家・図案家として名高い神坂雪佳の弟で日本画家の神坂松濤が
描いた≪獅子図≫です。
本図には、さらにもとになった原画が存在します。原画は、1900年代初めに、ハンガリー人画家Vastagh Geza(ヴァスリフ・ゲーザ)が描いた獅子雌雄図Lion and Lionessという油彩画です(現在、イギリスのラッセルコート・アートギャラリー所蔵)。
当時、この原画(油彩画)のカラー印刷図版を入手した髙島屋で、松濤は原画を反転させた獅子図を描きました。原画を反転させた意図は不明ですが、構図の変化やバリエーションを増やすためとみられます。
髙島屋の輸出品の記録写真集(写真上、髙島屋史料館蔵)には複数の獅子図の製品が確認でき、当時、この獅子は、大変好まれたモチーフであったことがうかがえます。
髙島屋は1831(天保2)年正月、京都で創業し、本年で創業190 周年を迎えました。この記念すべき年に、明治から大正にかけて髙島屋が欧米に向けて輸出した刺繍絵画≪獅子図≫が、縁あって里帰りし、ご覧いただける運びとなりました。
今回はこうした当社の美の原点ともいえる刺繍絵画≪獅子図≫と、本作の下絵≪獅子図≫を一緒に並べて展示することで100年以上の時を超えた “下絵と製品の再会” をお楽しみいただけます。
- ~髙島屋史料館について~
- ~髙島屋のアーカイヴス活動について~
(平成23)年、創業180周年を機にタカシマヤアーカイヴスを立ち上げました。大阪・東京2館の「髙島屋史料館」は、当社の持つ基本的価値観や文化を共有・共感していただくためのアーカイヴス活動の拠点として、今後も
さまざまな形で情報発信を続けて参ります。
- ~展覧会のお知らせ~
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