阪神・淡路大震災から27年 神戸市市長インタビュー 神戸が目指すまちの姿「海と山が育むグローバル貢献都市」
神戸市は、阪神・淡路大震災から2022年1月17日で27年を迎えました。3期目の市政に取り組む久元喜造市長は、新しいまちづくりに取り組み続けた2期8年を振り返ると同時に、グローバルな社会の中で神戸市が目指す「海と山が育むグローバル貢献都市」についてのインタビューを神戸で愛される雑誌「月刊 神戸っ子」1月号で発表しました。
27年前当時、国内外から支援をいただいた神戸市は、街が神戸のためだけにあるのではなく、グローバルな社会の中で貢献できる存在でありたいという感謝の思いを込め、「海と山が育むグローバル貢献都市」をテーマに掲げました。そして、都心三宮やウォーターフロントの再整備、地域の拠点駅の駅前再生などバランスの取れたまちづくりを進めています。進化していく神戸の姿をぜひご覧ください。
- 新たなまちづくり
震災の後、思うようにまちづくりが進められなかった時期が続きましたが、矢田市政の思い切った行財政改革により、神戸市の財政状況は20市ある政令指定都市の中で上位にまで回復しました。これを引き継がせていただけたおかげで、新しいまちづくりに取り組むことができ、かなり開花してきたと思います。
都心三宮やウォーターフロントだけでなく、地域の拠点駅の駅前再生などバランスの取れたまちづくりが進み、六甲山上でのスマートシティ構想や里山・農村地域の活性化など新しい視点で自然との共生に取り組みました。インフラ整備でも、大阪湾岸道路西伸部の工事が本格化し、神戸空港の規制緩和と国際化の検討も確認されました。この2期8年の間に、未来の神戸の発展に向けた足がかりを掴めたと考えています。
◇コロナ対応など想定外のことも起こりましたね。
想定外のことは必ず起きます。問題は、冷静に対応できるかです。市民の皆様には、ご苦労も、ご負担も、ご心配もおかけしましたが、神戸市は冷静に対応できたと思います。医療従事者の皆様やコロナ対応に携わっていただいた全ての方々のおかげです。特にワクチン接種などは、オール神戸で対応することができました。第6波が起きるとしても、これまでの経験を踏まえて備えを用意しています。
◇神戸2025ビジョンで掲げた「海と山が育むグローバル貢献都市」に込めた思いをお聞かせください。
この言葉が当てはまる大都市は、神戸しかないというキャッチフレーズにしたかったということです。神戸の過去・現在・未来を象徴していると思います。神戸の人々は、海と山がある豊かな自然と共に生きてきました。SDGsあるいは自然との共生という価値観を体現しています。「グローバル貢献都市」とは、神戸は神戸のためだけにあるのではなく、グローバルな社会の中で貢献できる存在でありたいという思いを込めています。震災で国内外からの支援をいただいた感謝の気持ちがあり、各地でおこる震災や水害などに市民も職員も、救援活動をおこなってきました。コロナ対応でも、スーパーコンピューター富岳が、飛沫・エアロゾルの拡散シミュレーションで、ウィルス感染の予防に科学的な知見を与えています。医療産業都市の中で育まれたテクノロジーは、全自動PCR検査ロボットや日本で初めての重症者専用コロナ臨時病棟を設置した中央市民病院での遠隔モニタリングシステムなど、医療機器やサービスとして、世界中で使われていくことが、グローバルな視点に立った貢献になると思っています。
- 進化していく神戸の姿
神戸三宮阪急ビルがオープンし、北側のサンキタ通りもリニューアルしました。「パイ山」と呼ばれていた、さんきたアモーレ広場もコロナ禍の影響はありますが賑わっています。変わっていく三宮が、姿を現してきました。これから、ミント神戸の東側エリアに西日本で最大級のバスターミナルが整備されます。市役所2号館は解体されて更地になり、東遊園地とともに再整備が進みます。安藤忠雄先生から子どもたちへのプレゼントである「こども本の森 神戸」もオープン(2022年春)します。さらに、ウォーターフロントでは、新港第1突堤基部にフェリシモ本社が移転し、都市型水族館アトアやフードホール(トゥーストゥースマート フードホール&ナイトフェス)などが入る「神戸ポートミュージアム」がオープンしました。2024年には、1万人規模のアリーナが開業予定です。
※計画提案時のものであり、変更となる可能性があります。
都心・三宮再整備は、さまざまな施設をリニューアルして魅力あるエリア(北野、三宮、元町、旧居留地、ウォーターフロントなど)の回遊性につなげていくことを考えています。まだ構想段階ですが、三宮を起点にフラワーロードを南下し、ウォーターフロントを西に進みハーバーランドやJR神戸駅につなぐ、LRT(次世代型路面電車システム)も夢ではありません。文字通り「美しき港町・神戸」へと進化していく姿が現れてくると思います。
人々が街を回遊すれば、さまざまな出会いやコミュニケーションが生まれ、そこから賑わいが生まれます。大都市にとって必要なのは、日常性と非日常性です。その街に行けば、非日常のシーンが繰り広げられる。これがなければ、大都市としての魅力を発揮できません。ハード面だけでなく、ソフト面の発想も大事だと思っています。
今、神戸からビジネスの幅を広げている人に加え、新しくビジネスを始める人が増えています。過去のブランドに安住するのではなく、歴史やブランドを大切にしながら、同時に新しい神戸らしさがあるブランドというものを作り上げていく。民間の皆様の創造性が発揮される段階だと思っています。
◇都心だけではなく周辺地域との連携にも力を入れられていますね。
神戸は、戦前から交通が便利な街です。神戸港が開港した6年後の1874年には、大阪と神戸の間に西日本で初めての鉄道が開通し、阪神や阪急、山陽電車、神戸電鉄と次々に鉄道が敷設され街が広がっていきました。戦後は、神戸市が山へ、海へと開発を広げ、地下鉄西神・山手線を敷設し、ポートライナーや六甲ライナー、地下鉄海岸線という公共交通を整備してきました。ただ、残念なことに開通してからほとんど手が付けられていません。特に西神・山手線です。これをリニューアルして、もう一度駅前に魅力を作っていきます。西神中央駅では、西区役所の移転が2月、なでしこ芸術文化センターのオープン、プレンティ広場のリニューアルが9月末頃に予定されており、見違えるようになると思います。
神戸電鉄沿線の鈴蘭台駅前では、リニューアル後に久しぶりにマンションが建設されました。駅前が魅力的になれば、人々を呼び込み、民間投資を呼び込んできます。駅は、そこに住む多くの人たちが毎日通勤通学などで通る場所。これを魅力的なモノにしたく、112駅を対象にモニュメントや木々に柔らかいライトアップを行っているところであり、整備が済んだところでは、駅の雰囲気がかなり変わりました。
公共交通網が発達している神戸の強みに磨きをかけて、駅前を魅力あるものにすることによって、神戸市内のバランスの取れた発展、企業や居住者を増やすことに取り組んでいます。
◇2025年の大阪・関西万博を見据え、神戸市の役割をお聞かせください。
関西の発展には、都市の魅力を高めていくことが重要です。大阪、京都、神戸さらに堺、この4つの都市がそれぞれ個性の違いを発揮し、切磋琢磨し競い合いながら連携して、関西全体の地位を高めていく。東京一極集中を是正していくうえで、不可欠な取り組みだと思います。
コロナ後の社会の中で神戸市の立ち位置は、まさに「海と山が育むグローバル貢献都市」です。高密度至上の価値観ではなく、ゆったりとした自然環境の中で多様な働き方・暮らし方ができる環境を提供できる都市が価値を持つ社会になるでしょう。神戸には、大きなポテンシャルがあると思います。
▼「神戸っ子」 1月号のこの記事はこちらから
https://kobecco.hpg.co.jp/65928/
▼「神戸っ子」はこちらから
https://kobecco.hpg.co.jp/
●オンライン上での報道資料公開●
PRTIMES(リリース):https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/78202
PRTODAY(リリース・ニュースレターなど):https://www.pr-today.net/a00424
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