「リモートワーク実施率」緊急事態宣言下から約3カ月で12.3pt減少し23.2%。「毎日リモートワーク」は7.5%(9.9pt減)、「毎日出社」が73.6%(15.1pt増)。

カオナビHRテクノロジー総研、「リモートワーク」の実態に関する調査レポートを発表

株式会社カオナビ

HRテクノロジー業界を牽引する株式会社カオナビ(本社 東京都港区、代表取締役社長 CEO 柳橋 仁機)の研究機関「カオナビHRテクノロジー総研」(以下「当総研」)は、「リモートワーク」についての実態調査を実施しています。今回は、緊急事態宣言下の2020年5月調査※から、「リモートワーク実施率」がどのように変化したのかに焦点を当て、当総研 研究員の齊藤による考察とともに、リモートワークの現状を報告します。
(調査結果詳細URL: https://ri.kaonavi.jp/20200917/
※ 2020年5月調査結果:https://ri.kaonavi.jp/20200526/

 

■調査結果  

調査結果1: リモートワーク実施率は23.2%。5月と比較して、さらに少数に
調査結果2: 「毎日リモートワーク」は9.9pt減少の7.5%、「毎日出社」が15.1pt増の73.6%
調査結果3: リモートワーカーの中でも「リモートワーク度」に大きな差がある
調査結果4: 地域/会社規模別の傾向は、5月と比較して大きく変化なし
調査結果5: 職種別では「ホワイトカラー3職種」が引き続き上位に。「公務員」の減少が顕著
調査結果6: 業種では「IT・インターネット」が前回同様に高く、「公共」「金融」は大幅に低下
調査結果7: 「IT・インターネット」業界ではフルリモートワーカーの割合が5割を超える

■本調査実施の背景
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、テレワーク、在宅勤務、リモートワーク等の「出社をしない」働き方(以降、すべての働き方を含めて「リモートワーク」とします)を始めた方も多いのではないでしょうか。そこで当総研では、リモートワークについての実態調査を実施しました。

■アンケート調査概要
・調査対象:20代~60代の自由業を除く、有業者9,816名
・調査期間:2020年8月21日(金)~2020年8月24日(月)
・調査内容:
1 Web上でリモートワークについての質問項目に、選択・記述式で回答
2 結果の集計・分析:回答結果を集計し、差異や傾向を抽出
※ 本プレスリリース内では、「毎日リモートワーク(=勤務時間の90%以上がリモートワーク)」もしくは「出社とリモートワークを併用している」に該当する人、一部でもリモートワークをしている人はすべて含め「リモートワークを実施している」とみなしています。
※ 前回5月の調査から選択肢に一部変更を加えています。

▶調査結果1:リモートワーク実施率は23.2%。5月と比較して、さらに少数に

【結果】<SA><n=9,816>
リモートワーク実施についてたずねたところ、「毎日リモートワーク」が7.5%、「出社とリモートワークを併用」が15.7%となり、合わせてリモートワーク実施率は23.2%となりました。
前回の2020年5月調査時点では「毎日リモートワーク」が17.4%、「週に2~3日出社し、その他はリモートワーク」が18.1%で、合わせてリモートワーク実施率は35.5%でした。リモートワーク実施率は、5月から8月の約3カ月で12.3pt減少しています。 



▶調査結果2:「毎日リモートワーク」は9.9pt減少の7.5%、「毎日出社」が15.1pt増の73.6%

 

【結果】<SA><n=9,816>
出勤形態の各項目は、前回5月調査から以下のように変化しています。「毎日リモートワーク」の割合は17.4%から9.9pt減少し、7.5%となりました。 
また「毎日出社」の割合は58.5%から15.1pt増加し、73.6%となっています。現在リモートワーカーは少数となり、新型コロナウイルス感染拡大以前の「出社する働き方」に多くの人が戻ってきていることがうかがえます。 

▶調査結果3:リモートワーカーの中でも「リモートワーク度」に大きな差がある

【結果】<SA><n=9,816>
今回、「勤務時間の中でのリモートワークの割合」を新たに調査しています。リモートワーク実施率は23.2%となりましたが、この中にはフルリモートワーク(=勤務時間の90%以上がリモートワーク)も、部分的なリモートワークも含まれています。
「リモートワークではない」という回答を含めた全体のうち、フルリモートワークが7.2%、勤務時間の半分以上リモートワークが6.6%、半分未満が8.2%となっており、「リモートワークを実施している」という回答でも、その実情には大きな差があることがわかります。

▶調査結果4: 地域/会社規模別の傾向は、5月と比較して大きく変化なし
【結果】<SA><n=9,816>
地域別の傾向では、全体平均のリモートワーク実施率23.2%を超えたのは首都圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)のみで38.8%となりました。前回5月の調査でも全体平均を超えたのは首都圏のみで、その際のリモートワーク実施率は52.2%と、他地域と比較し、突出して高い実施率となっていました。今回もその傾向に変化は見受けられませんでした。会社規模別では規模に比例し、リモートワーク実施率が高く、これも前回5月調査と同様の傾向です。

▶調査結果5:職種別では「ホワイトカラー3職種」が引き続き上位に。「公務員」の減少が顕著
【結果】
<SA><n=9,816>
職種別の傾向では、リモートワーク実施率上位の職種は、「営業職(35.0%)」「事務系管理職(32.9%)」「事務職・技術系事務職(32.3%)」となりました。前回の調査時も上位の3職種ですが、前回から比較すると実施率は低下しています。特に「毎日リモートワーク」については、「営業職」と「事務系管理職」が17.3pt減少し、「事務職・技術系事務職」で12.5pt減少しました。これらのホワイトカラー職種は、接客や現場業務を含む他職種と比較するとリモートワークが定着しやすい環境ですが、それでも「毎日リモートワーク」が定着するのは難しいことがわかります。 

また「公務員」は、前回5月の調査時のリモートワーク実施率は36.8%でしたが、今回は6.7%と、30.1ptもの大幅な減少となりました。減少幅の大きさでは「保安職(警察官、消防官、警備員など)」が次点で、前回の調査から16.0pt減少ですが、現場中心の職種なので当然の結果と言えそうです。 

▶調査結果6:業種では「IT・インターネット」が前回同様に高く、「公共」「金融」は大幅に低下
【結果】<SA><n=9,816>
業種別でみると、リモートワーク実施率が最も高いのは、「IT・インターネット」で61.0%となりました。前回の5月調査でも68.4%で他業種と比べ突出して高く、今回も同様の傾向といえます。ただし「毎日リモートワーク」の割合は今回31.4%となりましたが、前回は52.0%と5割を超えていたことから、先進的に見えるIT・インターネット業界でも、緊急事態宣言の解除後は「出社回帰」の流れがあったことがわかります。

また、顕著にリモートワーク実施率が下がった業種は「公共」「金融」です。「公共」については、前回5月の調査で34.4%あったリモートワーク実施率が今回9.0%と、25.4pt減少しました。「金融」は、前回の5月調査で50.5%でしたが、今回は28.6%と、21.9pt減少しています。業種の性格上、緊急事態宣言下では出社制限をせざるを得ないものの、積極的にリモートワークを進める組織は少ないということがうかがえる結果となり、対面業務の必要性や未整備なIT環境に加え、独自の業界・組織文化の影響なども要因として考えられます。

 ▶調査結果7:「IT・インターネット」業界ではフルリモートワーカーの割合が5割を超える

【結果】<SA><n=662>
最も高いリモートワーク実施率を示す業界である「IT・インターネット」では、リモートワーカー全体に対してのフルリモートワーカーの割合は5割をこえており、業界全体の中でも3割程度がフルリモートワークをしていることになります。

「IT・インターネット」業界でも出社回帰の流れはありますが、フルリモートワークでも機能する環境が整備されていることがうかがえます。 

■本調査結果を踏まえた考察「リモートワークの実施状況は?」
カオナビHRテクノロジー総研 研究員・齊藤直子による考察

「カオナビHRテクノロジー総研」では、リモートワークの実態について、調査を実施してきました。今回は、緊急事態宣言下の前回5月の調査から約3カ月での変化を調査しました。 

全体的にリモートワーク実施率は減少し、地域/会社規模別の比較では、大まかな傾向は5月から変化がないものの、一部の職種と業種で大幅な減少が見られることがわかります。リモートワークの頻度という観点では、リモートワークが「ほとんど毎日か」「半分以上か」「半分未満か」といった差があることがわかりました。さらにリモートワーク実施率の高い「IT・インターネット」業界は、その中でもフルリモートワーカーの割合が高く、全体としてリモートワークは低調になりつつも、局地的には積極的なリモートワークが採用されている様子が判明しました。 

前回5月の調査時のリモートワーク実施率は、緊急事態宣言下の一時的な、いわば最大瞬間風速の数値であったと捉えるべきしょう。どちらかといえば、今回8月調査のリモートワーク実施率が平常時により近く、実態を表していると考えられます。とはいえ、新型コロナウイルス感染症の対策として、当座しのぎでリモートワーク体制を組んだ5月からの反動減があったのではないかとも考えられ、今後実施率はもう少し上振れするのではないかと筆者は予測しています。 

上振れの予測の根拠はもう1つ、リモートワーク実施率の高い「IT・インターネット」業界の、人材不足にあります。特にエンジニアの獲得競争は厳しい状況にありますが、各社が「リモートワーク可能」という採用条件を提示し出すと、現在はリモートワーク不可の会社もその条件を提示せざるを得なくなってくるはずです。逆に言えば、人材充足感のある業界ではリモートワークは進展しづらいだろうということがいえ、今回の調査で「公共」「金融」業界のリモートワーク実施率が低下したことは、その仮説を補強する材料といえます。 

次回のリモートワーク実態調査からは、「毎日リモートワーク」もしくは「勤務時間の半分以上がリモートワーク」というリモートワーカーが、リモートワークの中でどのようなことを感じているかにフォーカスし、調査結果をお伝えしていきます。

 ​■カオナビHRテクノロジー総研について
正式名称 : カオナビHRテクノロジー総研
設立   : 2017年12月
研究領域 :
ーHRテクノロジー(IT、新技術を用いた人事・組織施策)
ーピープルアナリティクス(人材データの分析・活用)
ー組織・人事課題の解決
活動内容 :
ーHRテクノロジー」「ピープルアナリティクス(※)」における調査・研究およびレポート等による情報発信
ー人事・組織に関する調査・研究・情報発信
ー産学連携による共同研究
所長   : 内田 壮
所在地  : 〒107-0051 東京都港区元赤坂1-2-7 AKASAKA K-TOWER 5階

■株式会社カオナビについて
株式会社カオナビは、企業の人材情報をクラウド上で一元管理できる人材マネジメントシステム「カオナビ」を提供しています。社員の顔や名前、経験、評価、スキル、才能などの人材情報を可視化することで、最適な人材配置や抜擢といった人材マネジメントをサポートしています。今後も、人材マネジメントのプラットフォームとして、日本の「働き方」を変えていきたいと考えています。

所在地  : 東京都港区元赤坂1-2-7 AKASAKA K-TOWER 5F
設立   : 2008年5月27日
資本金  : 10億1,827万円 ※2020年3月末時点
代表者  : 代表取締役社長 CEO 柳橋 仁機
事業内容 : クラウド人材管理システム「カオナビ」の開発・販売・サポート
会社HP   : https://corp.kaonavi.jp/

 <本プレスリリースに関しまして>
・ 本リリースに記載されている会社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。
・ プレスリリースに掲載されている内容、サービス/製品の価格や仕様その他の情報は、発表時点の情報です。予告なく変更する場合があります。

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会社概要

株式会社カオナビ

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URL
https://corp.kaonavi.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア 38F
電話番号
-
代表者名
佐藤 寛之
上場
東証グロース
資本金
11億4377万円
設立
2008年05月