介護施設に認知症ケアに対する精神科医師オンライン相談サービスの提供を開始

〜2030年約4人に1人の認知症時代が到来。介護施設でも大きくなる認知症ケアへ新サービス、まずは特別養護老人ホームからスタート〜

ドクターメイト

2024年8月21日 08時50分

介護事業所向けに医療ソリューションを提供するドクターメイト株式会社（代表取締役・医師青柳直樹）は、8月より介護施設利用者の認知症ケアに対するオンライン精神科相談サービスを一部地域より提供開始したことをお知らせします。

■サービスリリースの背景、認知症をとりまく環境

　厚生労働省研究班の推計では認知症の患者数は2030年に593万人※1になると推計されてます。さらに認知症の予備軍とされる軽度認知障害（MCI）も含めると認知症患者数は2030年に1100万人を超すとされます。

この数値は、2030年高齢者の推計人口3,696万人※2のうち約30％となり、約4人に1人が認知症患者になることを指します。介護施設でも同様に年々認知症の利用者は増えることが想定されます。

※1 厚生労働省研究班（代表者・二宮利治九州大教授）による調査より（令和6年5月）

※2 国立社会保障・人口問題研究所による調査より（令和5年4月）

さらに介護業界では2025年問題を目前に、要介護認定者数は増加の一途をたどり、2025年には815万人※3になると推定されています。

通常のケアに加え、認知症の症状に合わせたケアも行う必要があり、現場での負担は増えるばかりです。

※3 経済産業省「将来の介護需給に対する高齢者ケアシステムに関する研究会」（平成30年3月）より

■介護現場での精神科医不足が深刻な恐れ

　認知症などを担当する精神科医の不足も課題です。精神科医師数は増加しているものの2022年時点で全医師数の5％程度であり ※4、介護施設における精神科医の不足が指摘されております。

それを示すようにOECD加盟国の中で日本は、人口1000 人当たり精神科医師数が24位と決して多くありません。また精神科七者懇親会の見解でも、介護施設などにおける需要に対して精神科医の不足が指摘※5 されています。

前段で話した認知症の患者数増加、精神科医の不足などから、精神科医1人あたりが診療しないとならない患者数も増加し、適切な認知症ケアのサポートをうけられない介護施設が多いと推察されます。

そこで当社による認知症ケアに対する精神科医師オンライン相談サービスをリリースいたしました。まずは一部地域の特別養護老人ホームからスタートいたします。

介護と医療をつなぐ事業を行なってきた当社では、当社で培ってきた介護施設における課題に対し、医療リソースを全国の介護施設にシェアすることで、認知症へもサポートを広げ、持続可能な介護の仕組み作りのためにプロダクト強化を行なってまいります。

※4 厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」より（令和3年3月）

※5 精神科七者懇談会「医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会第４次中間取りまとめ」についての見解より（令和元年5月）

◼️サービスの概要

　施設より事前の情報共有を受けた相談したいご利用者様の情報を基に認知症や高齢者医療に強い精神科医がオンラインで日々のケアのアドバイス・環境調整・薬剤調整のアドバイスを行います。施設にてご利用者様へのアドバイスを基に実践、経過報告を担当精神科医に再度共有し再度アドバイスをもらい実践というサイクルを回していくことで、重度化が進むと負担が重くなっていく認知症の重ケアをサポートし、ご利用者様本人、ご家族様、施設職員のQOLの向上を図る事ができます。

また、施設内共有用の相談及びアドバイスのレポートも弊社看護師にて作成させいただいております。施設内ナレッジの蓄積、ご家族様との相談、精神科のクリニックや嘱託医との情報連携など幅広い用途でお使いいただいております。

【主な提供サービスなど】

・認知症ケアのアプローチ方法の見直し

・認知症状の内科的なチェックの見直し

・医師による症状に合わせたアドバイス

・中等度からの最適な服薬サイクルの検証

・相談レポートの作成

【より詳細について】

料金などの詳細なサービス内容については、当社までお問い合わせください。

お問い合わせフォーム：https://doctormate.co.jp/inquiry