旭化成が、労災事故として最も多い「転倒」のリスクを手軽に測定できる体力測定サービスを開発
統計レポートにより、企業の労災対策や健康経営への貢献を目指す
1.背景
健康経営志向が高まり、高齢化が進む中で、労働現場での災害リスク対策が課題となっています。特に、休業4日以上の労働災害として最も多いものが「転倒」で、全体の23%(2021年)を占めています※1。厚生労働省は、令和5年4月から始まる「第14次労働災害防止計画」において、「転倒災害対策に取り組む事業場の割合を2027年までに50%以上とする」という目標を掲げています。高年齢になるほど転倒事故の発生率が上昇するという傾向があり※2、今後さらなる高齢化により、対策の必要性がいっそう高まると予想されます。
こうしたニーズに対応し、労災対策や健康経営の促進に役立つ体力測定サービスとして、転倒リスクや体力年齢が手軽に算出できる「BiMeeX」のプロトタイプを開発いたしました。
2.サービス特徴
従来の体力測定は、体育館など広い場所に大人数を集めて実施する形が一般的でした。しかし、大人数の日程調整や場所の確保など実施へのハードルが高く、従業員の体力測定を実施している企業は一部にとどまっています。
「BiMeeX」では、測定対象者がセンサを装着してその場で動くだけで簡単にさまざまな運動データを取得できるため、小会議室程度のスペースで手軽に体力測定を実施できます。また、単なる数値測定にとどまらず、測定した運動データに基づいて転倒リスクや体力年齢の算出、推奨トレーニングの提案を行うことで、対象者の意識変容を促します。
また、職場安全管理者向けに、統計レポートを含んだ分析が可能です。性別・年代、運動習慣の有無、所属部署など、対象者の属性ごとに結果を分析することで、転倒リスクや体力年齢の分布傾向や、健康増進施策の効果を定量的に把握できます。
3.今後の展開
今後、ユーザーからのフィードバックをもとに、測定結果や統計レポートの機能拡充など継続的なサービスアップを行っていきます。
また、中京大学スポーツ科学部の渡邊航平教授の協力のもと、教授が研究している「運動神経の働きを定量評価する技術」を本サービスに搭載することも検討しています。この技術が導入されると、「BiMeeX」上で運動機能のパフォーマンスを「筋肉」と「運動神経」の2要因に分けて定量的に測定することが可能となり、さらに個々人に合わせた効果的な運動や食事の提案につなげられると考えています。
旭化成グループは、グループミッションとして「世界の人々の“いのち” と “くらし”への貢献」を掲げており、本サービスを通じて健康長寿社会への貢献を目指しします。
※1 厚生労働省「第14次労働災害防止計画」より 別紙 第14次労働災害防止計画本文
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001087164.pdf
※2 厚生労働省「令和3年 高年齢労働者の労働災害発生状況」より
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