【開催報告】「女子の未来の可能性を考えよう」を8/31に開催
女子小中高生と保護者が未来の選択肢を広げる機会に
公益財団法人山田進太郎D&I財団(以下、当財団)は、2025年8月31日、品川女子学院と共催で、同校講堂にてイベント「女子の未来の可能性を考えよう」を開催しました。当日は、東京都副知事の松本明子氏、慶應義塾大学教授の中室牧子氏、品川女子学院理事長の漆紫穂子氏が登壇し、女子生徒の未来や進路について、最新の研究や実例を交えながら語りました。第二部では3つの女子校によるプログラム紹介、第三部では大学生・大学院生が自身の進路選択の経験を共有するトークセッションを行いました。
多くの女子小中高生とその保護者が参加し、将来を前向きに考える活気ある一日となりました。

■「女子の未来の可能性を考えよう」開催概要
開催日時:2025年8月31日(日)10:00~12:00
開催場所:品川女子学院 講堂(東京都品川区北品川3-3-12)
登壇者:
松本 明子 氏(東京都副知事)
中室 牧子 氏(慶應義塾大学 総合政策学部 教授)
漆 紫穂子 氏(品川女子学院 理事長)
モデレーター:石倉 秀明(当財団 COO)ほか
参加者:小中高生の女子生徒およびその保護者
■第一部「女子の進路と未来を考えよう」
「女子の進路と未来を考えよう」をテーマに、これからの社会で活躍できる女性とは何か、そのために今どのような進路選択が必要なのかについて、行政・アカデミア・教育の各視点から、東京都副知事 松本 明子氏、慶應義塾大学総合政策学部教授 中室 牧子氏、品川女子学院理事長 漆 紫穂子氏にお話しいただきました。

冒頭、財団COO石倉より、OECD生徒の学習到達度調査(PISA)に基づき、15歳時点の女性の数学・理科の学力が世界トップクラスであることなど、現状を示す基礎データが共有されました。松本氏は、東京都の調査を引用し、小学生の41.1%に対して保護者は67.8%が「女性だから・男性だからと思うことがある」と回答していることを紹介し、大人の方が性別による思い込みが強いと述べました。また、高校生の66.2%が「仕事に性別の向き不向きがある」と回答している現状を示した上で、無意識の思い込みをなくし、より多くの分野で女性が活躍してほしいと語りました。漆氏も、学校現場の視点から「社会の変化に比べて教員や保護者の意識の変化が遅れている」と課題を指摘しました。中室氏は、教育経済学の研究成果を紹介し、「『女子は数学が苦手』という思い込みが実際に成績を下げる」という“ステレオタイプの脅威”を指摘しました。

また、解決に向けた実践事例も共有されました。漆氏からは、品川女子学院において20年間にわたり起業体験プログラムを実施し、さまざまな企業とコラボレーションを行っていること、その結果、理系への進学率が年々上昇し、卒業生の職業満足度が9割に達していることなどが語られました。松本氏からは、東京都と当財団が共催で行っているGirls Meet STEM in TOKYOの取り組みや、国際女性デーに合わせたイベントなどの施策が紹介されました。
セッションの最後には会場の参加者に向けて、松本氏から「東京都は女性活躍の取組を多く展開し、皆さんを応援しています」、中室氏から「ステレオタイプの脅威にとらわれずに活躍してください」というメッセージをいただきました。
■第二部「女子校に行くってどう?最新の教育プログラムを知ろう!」
第二部では、実践女子学園中学校高等学校、普連土学園中学校・高等学校、品川女子学院の3校が登壇し、女子校ならではの教育の魅力を紹介しました。

実践女子学園からは、渋谷の街を舞台にした留学生との交流プログラムや、ケンブリッジ大学と連携したサマーキャンプ、さらに高校3年生が大学の研究室に参加し、研究者を目指すまでの成長を支援するなど、生徒の興味を広げて深める多彩な取り組みが紹介されました。
普連土学園はキリスト教フレンド派(クエーカー)の理念を背景に、合意形成や自立心を重んじる教育文化を紹介しました。理科部ロケット班が世界大会で優勝した事例や、カンボジアでの地雷撤去支援活動など、自身の可能性を狭めない教育環境であることも語られました。

品川女子学院からは、生徒自身が年間48本の特別講座を企画運営する仕組みや、文化祭や体育祭が生徒主体で運営されている様子、起業体験プログラムによる実社会に直結する学びの実践が紹介されました。三校に共通していたのは、「自分で選び、挑戦する経験」を大切にする姿勢です。参加者にとっては、進路や学校選びを考える上で具体的なヒントとなる密度の濃い時間となりました。
■第三部「先輩に聞く!女子の学びやキャリアの選択」
第三部では、中央大学国際情報学部2年の清水野乃子さんと、慶應義塾大学大学院理工学研究科に在籍し、株式会社YOMYのCEOとしても活躍する安田莉子さんをお迎えし、進路選択の実体験について伺いました。会場からの「中高でのどんな体験が大学や学部を決めるきっかけになりましたか?」「女子校か共学か迷っています」といった質問にも答えながら、リアルな声を届けていただきました。

清水さんからは「自己管理の難しさを感じつつも、やりたい勉強に集中できる環境に身を置くことができ、日々充実している」「やりたいことは全部やってみる」「分岐点で選択に迷うことはあるかもしれないが、進路は柔軟に考えてよいと感じる」とのメッセージがありました。
安田さんは「女子校か共学校かという二択ではなく、その学校がどんな学校かという視点で考えるのがよい」「自分の信念を強く持つことは大切であり、ステレオタイプに直面した際には感情論ではなくデータや論理的な説明で対話することを心掛けている」と語りました。

等身大の先輩の言葉に、会場の女子生徒からは次々と質問が寄せられ、短時間ながらも非常に濃いセッションとなりました。進路や将来のキャリアを考える上で、大きなヒントを与えるひとときとなりました。
■公益財団法人山田進太郎D&I財団について
D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の推進を通じて、誰もが能力を発揮できる社会を目指し、2021年7月にメルカリCEO山田進太郎によって設立された公益財団法人です。 特にSTEM(理系)のジェンダーギャップに注目し、中高生女子のSTEM分野への進学やキャリア選択を支援する奨学助成金事業を展開しています。2024年より「Girls Meet STEM」事業を開始し、企業ツアーや大学でのキャンパス・研究室ツアーを通じて、STEM領域で活躍するロールモデルとの交流機会を提供しています。プログラムは通年で開催され、対面およびオンライン形式で参加可能です。
代表理事:山田 進太郎(株式会社メルカリ 代表執行役 CEO)
設立年月日:2021年7月1日(木)
公益財団法人山田進太郎D&I財団公式ウェブサイト:
【一般のお問い合わせ先】
公益財団法人山田進太郎D&I財団事務局
Eメール:info@shinfdn.org
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