今治の新名所「せとうちみなとマルシェ」が令和7年度「地域づくり表彰」で最高位・国土交通大臣賞を受賞【愛媛県今治市】
~ 年間来場者24万人・経済波及効果13.5億円。港からまちのにぎわいを生み出す“海辺のマルシェ”に新たな勲章~
愛媛県今治市の今治港で定期開催されている「せとうちみなとマルシェ」(運営:せとうちみなとマルシェ実行委員会、会長:越智逸宏)が、創意工夫に富んだ地域づくりの活動を表彰する令和7年度「地域づくり表彰」において、「国土交通大臣賞」を受賞しました。1984年(昭和59年)に始まり42回目を迎えたこの表彰は、全国から32の事例が推薦され、その中から今治市を含む3事例が総合的に最も優れた取り組みとして「国土交通大臣賞」に選ばれました。2025年11月でスタートから3周年を迎えた「せとうちみなとマルシェ」は、最新の調査で年間約24.4万人を集客し、経済波及効果は約13億5,400万円と試算されており、港からまちの新たなにぎわいを生み出している点が高く評価されました。

「交通の港」から「交流の港」へ。しまなみ海道開通の影でにぎわいが失われた今治港再生への挑戦!
瀬戸内海としまなみ海道を望む今治港は、長年にわたり本州・四国航路の「海の玄関口」として、地域の交通や物流を支えてきました。しかし、1999年の西瀬戸自動車道(瀬戸内しまなみ海道)の開通により、人や物の流れは次第に陸上へ移行し、港の利用者は減少。隣接する商店街の集客も落ち込み、中心市街地全体の活力低下につながるなど、今治市にとって大きな課題となっていました。
こうした状況に危機感を抱いた地元事業者や観光協会、行政が連携し、港を「交通の港」から「交流の港」へと再定義する取り組みとして、2022年11月に誕生したのが「せとうちみなとマルシェ」です。「瀬戸内の”うまい”に出会える海辺のマルシェ」をコンセプトに、焼豚玉子飯や鉄板焼鳥などのご当地グルメや地物魚の競り市、スイーツやクラフト雑貨など、多種多様な店舗が数多く出店。美しいしまなみの景色をバックに、カラフルなテントが立ち並ぶロケーションも大きな魅力の一つです。
スタートから3年が経過した現在、瀬戸内の食と文化が集う今治の新名所として定着したマルシェですが、立ち上げ時には多くの苦労がありました。出店者への交渉に始まり、風の強い海辺での安全なテントの設置方法の検討や、運営スタッフとなる市民ボランティアの確保など、地域の企業・団体で構成する実行委員会のメンバーが協力して一つ一つハードルを越えてきたことで、市民に共感の輪が広がり、今治港に新しいにぎわいの風景が育まれてきました。
○せとうちみなとマルシェホームページ
月2回の開催で登録店舗は700超、毎回1万人超の来場で年間13.5億円の経済効果。多彩な連動企画で”新しい何かと出会える場所”

せとうちみなとマルシェは、月2回の開催ながら登録店舗数は700を超え、毎回100前後の多彩な店舗が出店します。 ご当地グルメや瀬戸内の鮮魚、旬のフルーツに焼き菓子、クラフト雑貨や子ども向けのワークショップまで、今治らしさと瀬戸内の「うまい」が一堂に集まり、毎回、来場者数1万人を超えるにぎわいとなっています。
通常は日曜日の9時から14時までの開催ですが、夏場は土曜日の16時から21時までの夜間に時間を変更して開催。夜の時間帯はお酒を扱う出店者も多く、「バー(Bar)」と「マルシェ」を掛け合わせて「バルシェ」と名付けられ、大人の雰囲気が漂う空間に様変わりします。港に隣接する商店街の「土曜夜市」とも同時開催となり、海辺から商店街まで中心市街地一帯が多くの人でにぎわいます。
お楽しみは店舗だけでなく、会場内のステージでは毎回趣向を凝らしたイベントを実施。3周年記念開催となった2025年11月23日には、3,000個の餅とタオルを大盤振る舞いした「餅まき大会」を開催し、大いに盛り上がりました。
さらに、来島海峡の急潮流を間近で体感できるミニクルーズの運航など、地域資源と連携した企画もあり、市外から訪れた方々には、しまなみならではの旅情も楽しんでいただけます。


加えて、マルシェとのコラボイベントも続々と生まれています。弘前市のねぷた巡行やサンリオスペシャルパレードなど、地域外から特別ゲストを招いた企画もあれば、地元の高校生が主体となってつくりあげた交流イベント「いまここ青春祭」など、地域と密着したイベントもマルシェと連動して開催され、”新しい何かと出会える場所”として、今治市民の日常にマルシェは定着しています。
最新の経済効果調査では、2024年11月~2025年10月の来場者数は約24.4万人、来場者の消費支出や出店者の売上、主催者事業費などによる経済波及効果は約13億5,400万円と試算され、前年から約1億3,200万円増と着実な伸びを示しています。

新たな勲章を弾みに、港とまちが一体となった地域づくりへさらに加速
今回、せとうちみなとマルシェが受賞した「国土交通大臣賞」は、全国から推薦された32事例の中でも、総合的に最も優れた3事例に授与される賞です。
評価のポイントは、①しまなみ海道の開通によりにぎわいが失われつつあった港を、瀬戸内ブランドとの出会いの場として再定義したこと、②多種多様な店舗の出店を可能にし、毎回新鮮な出会いを生むことでリピーターを増やしている運営方法、③市民ボランティアや学生、商工団体など多様な主体が運営に参画する官民連携の体制――などが挙げられ、実行委員会が頭を悩ませながら創意工夫を凝らしてつくり上げてきた「せとうちみなとマルシェ」オリジナルの取り組みが評価されました。 集客力の向上により商店街への回遊性も高まり、港からまち全体へにぎわいを波及させる「牽引車」としても期待されています。
2025年12月22日に東京・霞が関で行われた表彰式では、国土交通大臣政務官から表彰状が授与され、北海道網走市の「MOTレール倶楽部」、長野県塩尻市の「塩尻Lab」と並び、今治発の先進的な地域づくりのモデルとして紹介されました。
今後も、せとうちみなとマルシェ実行委員会と今治市は、この受賞を励みに、港と中心市街地をつなぐ地域活性化のエンジンとして「せとうちみなとマルシェ」を育てていけるよう、持続可能な賑わいの創出を目指した取り組みを一層加速してまいります。
○せとうちみなとマルシェ実行委員会 原 竜也 運営委員長 コメント
今回の受賞は2022年からスタートし、3年続けてまいりました「せとうちみなとマルシェ」にとって、大いに励みになる受賞です。ご来場くださった皆様をはじめ、出店者、運営ボランティア、実行委員会スタッフなど関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。
中心市街地の新しいまちづくりがこれから始まるろうとする今治市において、港が「交通の港」から「交流の港」へと生まれ変わり、そのにぎわいが月2回のマルシェ開催時だけではなく、日常のにぎわいになるべく、これからもさらなる高みを目指して邁進してまいります。
○国土交通省ホームページ「地域づくり表彰」
○表彰事例の概要
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