【活動報告】ウィーン・フィル&サントリー音楽復興基金「こどもたちのためのコンサート2025」世界最高峰のオーケストラ、ウィーン・フィルのメンバーが岩手県陸前高田市を訪問・演奏
10年ぶりに岩手県のこどもたちの前で演奏。東日本大震災後、2012年から続く、コンサートを通じたウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と日本のこどもたちとの交流、今年も実現
公益財団法人サントリー芸術財団(代表理事・堤剛、鳥井信吾)は、2012年に「ウィーン・フィル&サントリー音楽復興基金」を設立しました。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団員が継続的に被災地を訪れ、「こどもたちのためのコンサート」を開催するとともに、次世代の音楽愛好者と演奏者育成のための音楽指導に取り組んでいます。
今回はウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の日本公演「ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2025」のために来日したメンバーから9名(ダニエル・フロシャウアー楽団長も同行)が11月9日(日)に岩手県陸前高田市を訪問し「こどもたちのためのコンサート2025」を開催したほか、東日本大震災津波伝承館の見学、高田松原津波復興祈念公園での献花、陸前高田市 東日本大震災追悼施設・刻銘碑での献花・献奏、市内の中高生との交流をしました。ウィーン・フィルが岩手県を訪問しコンサートを開催するのは、10年ぶり3度目です。(2013年に宮古市、山田町、2015年に宮古市を訪問)

日本公演前半を終え、岩手県陸前高田市へ
前日11月8日に姫路公演を終えたばかりのウィーン・フィルメンバーは、まず、東日本大震災津波伝承館を見学しました。津波の甚大な被害の記録を目の当たりにするとともに自然災害から命を守り、乗り越え、未来へとつなげていく知恵に触れた楽団員たち。ガイドの方の説明を聞くだけでなく、熱心に質問を投げかけていました。




付近の高田松原津波復興祈念公園での献花、さらには陸前高田市 東日本大震災追悼施設・刻銘碑の前にて震災で犠牲となった人々のためにヴァイオリンのベンジャミン・モリソンがバッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番よりラルゴを演奏しました。
コンサートの前には、近隣から集まった岩手県立高田高校吹奏楽部5名を含むこどもたちのためのプレイベントが開かれ、ウィーン・フィルの団員と交流しました。演奏の指導や質疑応答を行い、こどもたちは世界的なオーケストラの奏者からの直接指導に目を輝かせました。


こどもたちのためのコンサート2025
陸前高田市民文化会館(奇跡の一本松ホール)に市内の小中高生を招待し、一般の方の応募も受付、約300名が来場しました。コンサート開演前には地震による津波注意報が発令されましたが、現地のガイドラインに基づき、安全に十分配慮して演奏会を行いました。
会場の陸前高田市民文化会館は2011年3月の東日本大震災において全壊となる甚大な被害を受けました。その後、市民会館と中央公民館の機能を併せ持つ新たな施設「陸前高田市民文化会館(奇跡の一本松ホール)」として20年2月にオープンした新しいホールです。
コンサートでは、ウィーン・フィル楽団員が、ヴァンハル:オーボエ四重奏曲 ヘ長調 作品7-1と、ラハナー:九重奏曲 へ長調 作品22の2曲を演奏しました。交流会で指導を受けた吹奏楽部の生徒は「なかなかオーケストラの演奏会を聴く機会も少ない中、憧れのオーケストラであるウィーン・フィルのみなさんと直接話す機会を持ててとても感激した。演奏で自分が悩んでいたことに、親しみをもって教えてくれて嬉しい。練習中に気を付けることなど、明日から早速実践したい」と感想を述べました。


ダニエル・フロシャウアー楽団長は、「地震と津波の大きな被害を目の当たりにし、言葉が出なかった。E.T.A.ホフマンの言葉に『言葉が途切れる時、音楽が語り始める』というものがあるが、この取り組みを通して改めてその言葉の深みや、音楽の力について考えることができた」と述べました。
今後もウィーン・フィル&サントリー音楽復興基金「こどもたちのためのコンサート」の活動を通じて、未来の聴衆である日本のこどもたちとウィーン・フィルとの交流を続け、社会に貢献してまいります。
ウィーン・フィル&サントリー音楽復興基金 ホームページ
https://www.suntory.co.jp/sfa/fund/
【参加メンバー】
フルート:リュック・マングホルツ Luc MANGHOLZ *2023年参加
オーボエ:パウル・ブリュームル Paul BLUEML
クラリネット:アレックス・ラードシュテッター Alex LADSTAETTER *2023年参加
ファゴット:ルーカス・シュミッド Lukas SCHMID
ホルン:マヌエル・フーバー Manuel HUBER
ヴァイオリン:ベンジャミン・モリソン Benjamin MORRISON *2016,18年参加
ヴィオラ:クリストフ・ハンマー Christoph HAMMER
チェロ:エンドレ・シュティーガー Endre STEGER
コントラバス:クリストフ・ヴィンマー=シェンケル Christoph WIMMER-SCHENKEL
同行:ダニエル・フロシャウアー Daniel FROSCHAUER
*ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 楽団長
主催:公益財団法人サントリー芸術財団、陸前高田市
協力:サントリーホールディングス株式会社
陸前高田市民文化会館指定管理者 株式会社共立ソリューションズ
<活動記録>
献奏および献花
日時:2025年11月9日(日)12:30~14:00
東日本大震災津波伝承館を見学後し、高田松原津波復興祈念公園にて献花。その後、陸前高田市 東日本大震災追悼施設・刻銘碑にて献花と献奏
中高生との交流
日時:2025年11月9日(日)15:00~16:00
場所:奇跡の一本松ホール(陸前高田市民文化会館)
参加:高田高校吹奏楽部 有志5名ほか近隣中高生
ウィーン・フィル&サントリー音楽復興基金「こどもたちのためのコンサート2025」
会場:奇跡の一本松ホール(陸前高田市民文化会館)
日時:2025年11月9日(日)18:00開演
内容:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団メンバーによる演奏、陸前高田市小中高生など約300名が鑑賞した。
曲目:ヴァンハル:オーボエ四重奏曲 ヘ長調 作品7-1、ラハナー:九重奏曲 へ長調 作品22
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