Interbrand “Best Japan Brands 2019”

ブランド価値による日本ブランドのランキング、Japan’s Best Global Brands Top40およびJapan’s Best Domestic Brands Top40を発表

•ToyotaがJapan’s Best Global Brandsで11年連続の第1位
•Kao、TerumoがJapan’s Best Global Brandsに初ランクイン
•ZOZOTOWNが38% 増でランキング最高の成長率
•昨年上場のMercariが Japan’s Best Domestic Brandsに初ランクイン
日本最大のブランディング会社である株式会社インターブランドジャパン(東京都渋谷区、代表取締役社長 兼 CEO:並木将仁)は、ブランドの持つ価値を金額換算する独自のブランド価値評価(Brand Valuation)手法を用い、日本発のブランドを対象としたブランド価値ランキング「Best Japan Brands 2019」を発表いたしました。

2009年より発表し、今年で第11回目となるBest Japan Brands 2019は、日本のグローバルブランド(海外売上高比率30%以上)を対象とした「Japan’s Best Global Brands(JBGB)」と、国内ブランド(海外売上高比率30%未満)を対象とした「Japan’s Best Domestic Brands(JBDB)」の2部門の各Top40ブランドの発表となります。Best Japan Brandsは、インターブランドが2000年より毎年発表するグローバルのブランド価値ランキング「Best Global Brands」と共通の評価方法を用いており、グローバルのリーディングブランドと日本企業のブランド価値が比較可能となる世界基準の指標として活用されています。

Best Japan Brands 2019 概況
近年世界のあらゆる産業で、パラダイムチェンジがかつてないスケールとスピードで進んでいます。「人」の暮らし方や働き方、「物」に対する所有・共有の概念や価値観、FinTech の進化による「金」の流れやあり方、そしてカスタマーセントリシティーを実現する「情報」の重要性の乗数的増大。それを取り巻く「コミュニケーション」の絶え間ない変化。構造変化がもたらすさまざまな影響は業界の垣根を軽々と越え、企業のビジネスに巨大なうねりとなり広がっています。
そのような環境の中、社会や人々が要請する本質的な課題を見抜き応え続けていく、すなわち、変化に果敢に挑戦し、新しい価値を生み出し続けているブランドが価値を向上させています。

ランキング全体を業種別でみると、金融ブランド(11ブランド)、自動車関連ブランド(9ブランド)、小売関連ブランド(9ブランド)の3セグメントのブランドが存在感を示しています。JBDBからJBGBにランクインしたKao(JBGB 14位、前年比+11%)、成長率の著しいShiseido(JBGB 15位、前年比+30%)、KOSÉ(JBDB 12位、前年比+27%)、JBDBに初ランクインしたLion(JBDB 37位)、POLA(JBDB 39位)など、今年は化粧品・トイレタリー関連のブランドが躍進しています。また、今回最も高い成長率を示したZOZOTOWN(JBDB 25位、前年比+38%)、2018年東証一部上場を果たし評価対象となったMercari(JBDB 40位)など、新しいビジネスモデルにより、これまでになかったサービスを提供するブランドの躍進も特筆されます。

Japan’s Best Global Brands 2019
JBGB2019では、Toyotaが11年連続の第1位(前年比+6%)となり、Honda(2位、前年比+4%)、Nissan(3位、前年比+6%)、Subaru(10位、前年比+5%)とTop10のうち4つが自動車ブランドとなりました。また、Bridgestone(12位、前年比+10%)、Suzuki(16位、前年比+23%)など、ランキング全体では、Top40のうち9ブランドと、数多くの自動車関連ブランドがランクインしているのが近年の傾向です。また、海外売上高比率30%以上の「グローバル基準」を満たしたことで、Kao(14位、前年比+11%)がJBDBから移動しランクイン、日本ブランドのグローバル化が着実に進んでいます。(※これまで、2015年にUNIQLOとYakult、 2016年にMUFG、2017年にTokio MarineとMUJI、2018年にMizuhoとSMBCがJBDBよりランクインしており、Kaoは8例目となります。)また、Terumo(39位)が初めてランクインし、Makita(40位)が2016年以来3年ぶりにランキングにカムバックしました。全体的な傾向としては、顧客の本質的なニーズに対して新しい価値を生み出し続けているブランドが成長しています。
 


Japan’s Best Domestic Brands 2019
JBDB2019では、NTT DOCOMOが9年連続の1位(前年比-1%)となり、以下SoftBank(2位、前年比-6%)、au(3位、前年比+2%)と4年連続で大手通信3社が上位3位に名を連ねました。また、Sagawa(30位)、Lion(37位)、POLA(39位)、Mercari(40位)の4つのブランドが初のランクインを果たしています。ランキングでは、ブランド価値成長率Top5のブランドに見られるように、ECを積極的に推進することで接点を広げるとともに、ブランドの「らしさ」を創り上げる活動を推し進めている傾向が見えます。また、国内ブランドとはいえグローバル展開を加速しているブランドも多く見られます。
 


Best Japan Brands 2019のブランド価値評価について
評価対象基準

グローバルに展開される日本発のブランドについて,そのブランド価値を明らかにし、「世界共通の尺度」で、そのポジションを相対比較することを目的に、以下の基準を満たすブランドを抽出し評価します。

· 日本発のブランドであること:日本の企業によって生み出されたコーポレートおよび事業ブランドであること
· 各種財務情報が公表されていること:2018年10月31日時点で上場しており、アナリストによる業績予測が入手可能な企業であること
· 「Japan’s Best Global Brands」では、2017年度実績で、ブランドを冠する事業の海外売上高比率が30%以上であること(「Japan’s Best Domestic Brands」では30%未満、「Best Global Brands 2018」ランクインブランドは 2018 年度のブランド価値を適用)
· グローバルで一般に認知されていること

評価手法
インターブランドのブランド価値評価手法は、財務力、ブランドが購買意思決定に与える影響力、そしてブランドによる将来収益の確かさ、という観点からみたブランド価値の評価です。証券アナリストが事業の価値を分析・評価するのと同じように、「将来どれくらい収益を上げると予想されるか」という視点に基づいて、ブランドの価値を分析・評価します。ブランドの金銭的価値測定のための世界標準として、国際標準化機構(ISO)からISO10668の認定を受けており、以下3つの分析によって評価されます。

 1. 財務分析:企業が生み出す利益の将来予測を行う
まず、ブランドが冠された事業の現在および将来の収益を予想します。そして,その売上から営業費用、税金、投下資本に応じた資本コストを差し引き、将来の経済的利益を算出します。本分析は公開されている企業情報を基にし、将来予測はアナリストによる業績予想(※)を基にしています。
※本評価のアナリストの業績予想は、IFISコンセンサスデータ http://www.ifis.co.jp/ より取得したアナリストによる将来予測を用いています。将来予測については、2018年11月19日時点のものを採用しています。

 2. ブランドの役割分析:利益のうちブランドの貢献分を抽出する
財務分析で算出された将来の経済的利益のうち、ブランドによってもたらされた利益を抽出するために、ブランドがどの程度顧客の購買意思決定に影響を与えているかを分析します。本評価においては、ブランドが消費者の購買動向に果たす役割について、インターブランドが過去30年以上にわたり実施した10,000を超えるブランド価値評価実績のデータベースを活用し、業界別にベンチマーク分析を行います。それを基にして、独自の調査・分析により個別ブランドのブランドの貢献分のスコアを算出します。

3. ブランド強度分析 :ブランドによる利益の将来の確実性を評価する
ブランド強度分析は、市場でのロイヤリティ、消費者の継続購入や囲い込みといったクライアントのニーズを喚起する力(将来の収益を維持する力)を測り、ブランドによる利益を割り引いて現在価値に換算するものです。 この評価は、ブランドのリスクを判断する体系的な手法であり、以下の10項目で評価されます。経営層や社員のブランドへの支持や管理体制などの社内評価、市場でのブランドのポジション、消費者の認知・好感度、イメージなど社外評価を踏まえ、同業種の他ブランドと比較して、100をパーフェクトブランドとする0から100までのスコアで表されます。公表されているさまざまな報告書等を使用し、弊社コンサルタントの多面的な評価を踏まえ算定されます。

ブランド強度評価モデル10要素(Brand Strength Model 10 Factors)

最後に、このブランド強度スコアは、インターブランド独自の計算手法により割引率に変換され、その割引率で将来のブランド利益を割り引くことで、ブランド価値が算定されます。


インターブランドについて
インターブランドは、1974年にロンドンで設立された、世界最大のブランディング専門会社です。インターブランドは、ブランドをLiving business asset(常に変化する事業資産)と定義し、組織が明確な戦略を持ち、優れた顧客体験を提供する時、成長がもたらされると考えています。世界14カ国、18のオフィスを拠点に、戦略、クリエイティブ、テクノロジーの組み合わせにより、クライアントのブランドとビジネス双方の成長を促進する支援を行っています。
インターブランドの「Brand Valuation(ブランド価値評価)」は、ISOにより世界で最初にブランドの金銭的価値測定における世界標準として認められました。インターブランドは、グローバルブランドの価値を評価したブランドランキングである Best Global Brandsをはじめとする各種ブランド価値・ブランド強度分析レポートを公表しています。インターブランドでは、先端的な手法を用いる戦略分析チームと高い芸術性を持つクリエイティブチームが一つのチームとなり、プロジェクトを推進します。ブランド価値評価・ブランド戦略構築をリードする戦略コンサルタント、ブランドロゴ・パッケージ・空間・デジタルデザインを開発するデザイナー、ネーミング・スローガン・メッセージを開発するコピーライターなどが在籍し、分析から実行、全ての流れを自社のリソースで完結します。
インターブランドジャパンは、ロンドン、ニューヨークに次ぐ、インターブランド第3の拠点として、1983年に東京で設立されました。日系企業、外資系企業、政府・官公庁など様々な組織・団体に対し、トータルなブランディングサービスを提供しています。
インターブランドについての詳しい情報はhttps://www.interbrandjapan.comをご覧ください。

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会社概要

URL
https://www.interbrandjapan.com
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区虎ノ門3-2-2 虎ノ門30森ビル 4F
電話番号
03-6632-5300
代表者名
並木 将仁
上場
未上場
資本金
2000万円
設立
1983年10月