小売電気事業者向け電力調達コスト低減ソリューション「POWER JUGGLING」の開始について
近年、事業運営に必要なエネルギーを100%再エネで賄うことを目標とするRE100(※1)の取り組みや、ESG投資を通じた事業機会の増加により、再エネを活用する企業が増えています。その需要を受け、PPA(※2)モデルなどといった新しいエネルギーの取引市場が拡大してきています。また、2016年の電力全面自由化を受け、多様な企業が電力の小売り事業に新たに参入しており、国内で唯一の卸電力取引市場である日本卸電力取引所(JEPX)を通じて、提供する電力を調達しており、その取引量は年々増加しています。一方で、昨今の原油・LNGなどの原材料高騰や再エネの普及により、JEPXの変動幅が大きくなり、電力調達価格が大幅に高騰するなどの課題が顕在化しつつあります。また、経済産業省が定めるインバランス制度の変更(※3)により、2024年以降、電力の過不足を調整するため単価が上がるなどといったコスト課題も想定されます。このような電力調達コスト課題を解決する方法として、蓄電池による市場への電力供給の調整力として、その価値に注目が集まっています。
この度、OSSではこのような電力調達時の課題解決をサポートする電力調達コスト低減ソリューション「POWER JUGGLING」をサービス開始します。本サービスはインターネットに接続されているOSS製の家庭用蓄電システム(※4)を束ねて制御し、小売電気事業者向けの調整力として活用できるもので、電力契約者の施設に設置した蓄電システムに対し、小売電気事業者からの制御指示に基づき、OSSがインターネットを介して充放電制御を実施します。例えば、JEPXの価格が安い時間帯に充電し、高い時間帯に放電することにより、電力調達コストを低減するとともに、電力契約者へのインセンティブを創出することが可能で、電力契約者は蓄電池設置によるレジリエンス対応とインセンティブの両方を享受することができます。
また、導入時の追加機器が不要なため、初期コストを抑え、最短の準備期間で運用開始ができ、蓄電池の新設・既設を問わないため、幅広い導入が可能です。
OSSは本サービスを2023年9月1日より提供開始し、各小売電気事業者様との協業を広げることにより、3年間で累計1万台の蓄電池制御による調整力提供を目指します。家庭用蓄電システムの調整力としての価値を高め、更なる再エネの普及に貢献していきます。
<サービスフローイメージ>
■主なシステム仕様(※5)
■関連ページ:https://socialsolution.omron.com/jp/ja/products_service/energy/power_juggling/
※1.RE100:Renewable Energy 100%の略.事業者が自らの事業の使用電力を100%再エネで賄うことを目指す国際的な構想
※2.PPA:Power Purchase Agreement(電力販売契約)の略.企業・自治体などが保有する敷地や屋根などの遊休スペースに、発電設備の運用・管理を行う会社(PPA事業者)が、太陽光発電システムなどを設置し発電した電力をその施設の電力使用者へ有償提供するもの。設備の所有者は第三者(事業者または別の出資者)となるため、資産保有をすることなく再生可能エネルギーが利用可能となる。
※3.2022年度以降のインバランス料金の詳細設計等について
https://www.emsc.meti.go.jp/info/public/news/20211223001.html
インバランス料金とは、一般送配電事業者が実需給における電気の過不足を調整する単価。
※4.対象機種:マルチ蓄電プラットフォーム🄬KPBP-Aシリーズ(以降の機種についても対応予定)
※5.仕様・製品デザインなどについては現時点での予定のため、予告なく変更する場合があります。
オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社について
オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社は、これまで独自のオートメーション技術により、自動改札機などの駅務自動化システムをはじめ、世界初・日本初の社会公共システムを数多く生み出してきました。これからも労働力不足やエネルギー、レジリエンスなどの社会課題をいち早く捉え、IoT・AI・ロボティクスなどの最先端技術、ソフトウェア、運用・保守のトータルサービスでソリューションを構築し、安心・安全・快適な社会づくりに貢献してまいります。
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