2030 年の消費者セグメント動向の予測から導くBtoCビジネスの7つの未来像

• 価値観の多様化により、2030年時点でフォロワー層は消滅の見通し

• 経済動向や健康・社会への意識の高まりを捉える7つの主要なBtoC未来像を示唆

• 小売りビジネスは、「ステークホルダーマネジメント型」経営モデルにシフト

欧州最大級の経営戦略コンサルティングファームである株式会社ローランド・ベルガー（以下、ローランド・ベルガー）は、2030 年の消費者セグメント動向の予測し、多業種に適応できるBtoCビジネスの7つの未来像について、小売企業経営に求められる戦略的アクションとともに詳しく記したレポート「小売ビジネスの未来」を発表しました。

ローランド・ベルガーが長期的なデータを基に、グローバルで独自に開発した消費者分析ツール「RB Profiler（RBプロファイラー）」は、社会・情緒・価格・機能の4つ価値観の軸から消費者をセグメント化し、価値観と購買行動の傾向を浮き彫りにします。「RB Profiler」を用いた2021年の消費者動向調査では、コロナ禍を経てフォロワー層が減少し、新たな消費者セグメントが多数出現しましたが、最新の2030年予測では、消費者の価値観の多様化が一層進み、フォロワー層が消滅するとしています。

小売企業は、マス消費者という強固な顧客基盤を持つビジネスモデルでしたが、消費者の価値観多様化、労働人口の減少、原材料単価の継続的上昇、健康/環境等の社会的価値に関する実現要請の高まり等も相まって、既存のビジネスモデルの転換期を迎えています。

今後の小売企業経営は、多様化する消費者のニーズに応えながらも、仕入業者や流通業者など幅広い関係者に持続可能性をもたらす「ステークホルダーマネジメント型」経営モデルへのシフトが求められます。

本レポートでは、以下の7つのBtoCビジネスの未来像を提起しています。

１． PBがカスタマイズ化する

購買等の消費者データを活用し、多様な価値観に応えるPB市場が進展

２． 店舗オペレーションがメリハリ化する

商材・消費者・エリア特性を鑑みたオペレーション変革で、店舗群の経済価値や社会価値が向上

３．Secondhand Ecommerce（中古品Eコマース）が拡大する

循環型経済の仕組み化が進み、飲食や物流など複数産業を巻き込んだ余剰在庫の経済圏を形成

４．環境価値の訴求が二極化する

サプライチェーン全体を通じて取り組む中で、訴求は「マス向け」と「社会価値重視層向け」に二極化

５．店舗が健康ハブステーション化する

小売企業が医療・介護サービス、ヘルスケアにおける自己決定の選好と健康需要を取り込む機会

６．モビリティ体験と購買体験が融合する

EV（電気自動車）充電ステーションの設置に伴い、待機時間を活用できるサービス需要が発生

７．リアル店舗がダークストア/エンタメ店舗に分化していく

AR・VRやメタバース、五感センシングなどのデジタル技術の進展は、購買の完全オンライン移行を促し、リアル店舗が「在庫拠点」と「体験サービス提供」に二極化

ローランド ・ベルガーのパートナーで消費者向け産業に精通する松本渉は、次のように述べています。

「ローランド・ベルガーでは、小売業界に関する多くのプロジェクトを手掛けていますが、RB Profilerは、商品強化、最適なチャネル・プロモーション選択や競合ブランドへの対策において、お客様から高い評価をいただいているツールです。本レポートは、RB Profilerによるデータ分析および国内外のローランド・ベルガーの経験・知見を踏まえ、今後起こりうる未来トレンドの導出と求められるアクションを示しています。日本の主要産業の１つである小売産業はもちろん、あらゆる産業がBtoCビジネスの将来像と商機を捉え、多角的且つ迅速に変化する市場環境の中で、更なる発展をしていくことの一助となれば幸いです。」

ローランド・ベルガーの最新のレポート「小売ビジネスの未来」はこちらのサイトからダウンロードしてご覧いただけます。

ローランド・ベルガーについて

ローランド・ベルガーは、1967 年に設立されたドイツのミュンヘンに本社を置く世界有数の経営戦略コンサルティングファームです。世界50以上の主要都市にてビジネスを展開し、Entrepreneurship（起業家精神）、 Excellence（卓越性）、Empathy（共感）という価値観を原動力とし、現在および未来の重大な課題に対応するための最高水準の知見及びサービスを提供しています。