77.3%がリモートワークに不安を感じると回答。リモートワーク中の部下の4人に1人は ”さぼっていると思われないか” に不安を抱く

カオナビHRテクノロジー総研、「リモートワーク実態フォロー調査レポート」第二弾を発表

株式会社カオナビ

HRテクノロジー業界を牽引する株式会社カオナビ(本社 東京都港区、代表取締役社長 CEO 柳橋 仁機)の研究機関「カオナビHRテクノロジー総研」(以下「当総研」)は、「リモートワーク」についての実態調査を実施しています。今回は、「リモートワーカーの不安」に焦点を当て、当総研研究員の齊藤による考察とともに、リモートワークの現状を報告します。(調査結果詳細URL: https://ri.kaonavi.jp/20201001/

■調査結果
調査結果1: 約半数は労働時間に変化なし。増加が20.0%、減少は27.0%
調査結果2: 77.3%がリモートワークに不安を感じている
調査結果3: リモートワークにおける不安のトップは「仕事や成果、提供価値の質や生産性」が低下すること
調査結果4: 上司は「周りがさぼっているのではないか」と不安に思う
調査結果5: 部下は「自分がさぼっていると、周りに思われていないか」と不安に思う

■本調査実施の背景
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、テレワーク、在宅勤務、リモートワーク等の「出社をしない」働き方(以降、すべての働き方を含めて「リモートワーク」とします)を始めた方も多いのではないでしょうか。そこで当総研では、リモートワークについての実態調査を実施しました。

■アンケート調査概要
・調査対象:20代~60代の自由業を除く、かつ従業員数10名以上の組織に勤めている「勤務時間の半分以上は出社せずにリモートワークで働き、それ以外は就業場所に出社している」もしくは「基本的に毎日、リモートワークで働いている」300名
・調査期間:2020年8月21日(金)~2020年8月24日(月)
・調査内容:
1 Web上でリモートワークについての質問項目に、選択・記述式で回答
2 結果の集計・分析:回答結果を集計し、差異や傾向を抽出(本プレスリリース内でとりあげている2群の差異[調査結果4]はt検定で有意を検出したものです。)

▶調査結果1:約半数は労働時間に変化なし。増加が20.0%、減少は27.0%

【結果】<SA><n=300>
労働時間の変化について、「特に変わらない」が52.0%と約半数を占めていますが、労働時間が増加した人は20.0%、減少した人は27.0%と、労働時間が減少した人の方が多い結果となりました。

リモートワークでは「仕事終わりが曖昧になりがち」「休憩を取らずに働いてしまう」など、「労働時間が増加する」といった懸念がありますが、今回の調査でも5人に1人は労働時間が増えていることがわかります。



▶調査結果2:77.3%がリモートワークに不安を感じている

【結果】<MA><n=300>
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、「不安」を感じる人が増えたという調査やニュースはよく目にするのではないかと思われますが、当然「感染への不安」がその大部分を占めています。本プレスリリースでは「リモートワークにまつわる不安」に焦点を当て、「感染不安」を除いた形で結果をご紹介します。

「リモートワークをしている中で、不安に感じることを教えてください(複数回答可)」という質問に対して、新型コロナウイルスへの感染以外に何かしらの不安があると回答した割合は77.3%となりました。
※「特になし」には、「特になし」を回答した人に加え、「新型コロナウイルスへの感染不安」のみを回答した人も含む

▶調査結果3:リモートワークにおける不安のトップは「仕事や成果、提供価値の質や生産性」が低下すること

【結果】<MA><n=300>
リモートワーカーはどのような不安を、具体的に感じているのか聞いたところ、回答の上位は「自分の仕事の質や生産性が落ちているのではないか(27.0%)」「部署、チーム、組織として、成果や提供価値の質が落ちているのではないか(23.7%)」となりました。

リモートワーク環境となり、個人として、また組織全体として、アウトプットが悪くなっているのではないかと一定数の人が不安を感じているようです。またこの上位2つは、上司と部下の間であまり差がなく、どちらも不安に感じている2項目となりました。

▶調査結果4:上司は「周りがさぼっているのではないか」と不安に思う

【結果】<MA><上司:n=143、部下:n=157>
調査結果3において、「自分の仕事の質や生産性が落ちているのではないか(27.0%)」「部署、チーム、組織として、成果や提供価値の質が落ちているのではないか(23.7%)」という上位の2回答は上司・部下間でギャップは生じていませんでした。一方でこの2項目とは反対に、「部下の有無」で差が開いている項目が見受けられます。各項目の上司(=部下あり群)のみの回答率と、部下(部下なし群)のみの回答率との差を見ていきます。

上司と部下で差が大きい順に上位3つは「周りがさぼっているのではないか」「他の社員の業務で問題が起きた時に、自分が気づけないのではないか」「中長期的に、自組織の業績が下がるのではないか」でした。どの項目も、上司の方が部下よりも不安に感じており、マネジメント側の責任感を表す結果と言えます。

▶調査結果5:部下は「自分がさぼっていると周りに思われていないか」と不安に思う

【結果】<MA><n=157>
部下側の不安のトップ5については、全体でトップの「自分の仕事の質や生産性」を抑え、「自分がさぼっていると、周りに思われているのではないか」という項目がトップとなり、部下側の回答者の約4人に1人が不安を感じています。

また調査結果4の通り、上司側の21.0%は「周りがさぼっているのではないか」という不安を感じており、部下側の「さぼっていると思われる」という不安は、実際に上司から「さぼっているのでは」という目線を受けているために、生じているのかもしれません。

■本調査結果を踏まえた考察「リモートワークが生む上司と部下のすれ違い」
カオナビHRテクノロジー総研 研究員・齊藤直子による考察

「カオナビHRテクノロジー総研」では、リモートワークの実態について、調査を実施してきました。今回は、「リモートワーカーの不安」に焦点を当て、調査を実施しました。

上司・部下間でのギャップをみていくと、部下側の3位には「自分が重要な情報を知ることができていないのではないか」という項目が登場します。上司側は必要な情報を部下に伝えているつもりでも、物理的に離れた場にいると「まだ何かあるのではないか」という猜疑心が生まれるのでしょうか。

「上司と部下の認識にギャップがある」ということは、マイナスに聞こえてしまうかもしれませんが、ギャップのある項目や部下側の不安を見てみると、上司と部下の不安は表裏一体であることがわかります。 

上司側が懸念する「自組織の業績」が悪化した結果として、部下側の懸念する「給与などの待遇」が下がるという関係があり、両者はともに「業績」に関心が向かっているとも捉えられます。また部下側の「重要な情報を知ることができていない」という不安は、「情報の取得・伝達」の課題の存在を暗に示していますが、その課題こそが上司側の「他の社員の業務で問題が起きた時に気づけない」という不安を生んでいるといえます。

「さぼり」に関しては「周りがどうなのか」と「周りから自分がどう思われているか」に、上司と部下の立場の違いによって表出の仕方が分かれていますが、根本的には「さぼることは悪いことだ」という共通の価値観を持っているということです。「業績をよくしたい」「よい仕事をするための障壁をなくしたい」といった共通の思いを、上司も部下も持っているのではないでしょうか。

リモートワークでは物理的な距離が開き、「お互いが見えない」時間が長いため、本来ならば不要な不安を生んでいる側面はありそうです。次回の「リモートワーク実態フォロー調査レポート」では、リモートワークの組織における継続方針や個人の継続希望についての調査結果とともに、不安の解消に欠かせないと思われる「リモートワーク下のコミュニケーション」についてフォーカスし、調査結果をお伝えしていきます。

■カオナビHRテクノロジー総研について
正式名称 : カオナビHRテクノロジー総研
設立   : 2017年12月
研究領域 :
ーHRテクノロジー(IT、新技術を用いた人事・組織施策)
ーピープルアナリティクス(人材データの分析・活用)
ー組織・人事課題の解決
活動内容 :
ーHRテクノロジー」「ピープルアナリティクス(※)」における調査・研究およびレポート等による情報発信
ー人事・組織に関する調査・研究・情報発信
ー産学連携による共同研究
所長   : 内田 壮
所在地  : 〒107-0051 東京都港区元赤坂1-2-7 AKASAKA K-TOWER 5階

■株式会社カオナビについて
株式会社カオナビは、企業の人材情報をクラウド上で一元管理できる人材マネジメントシステム「カオナビ」を提供しています。社員の顔や名前、経験、評価、スキル、才能などの人材情報を可視化することで、最適な人材配置や抜擢といった人材マネジメントをサポートしています。今後も、人材マネジメントのプラットフォームとして、日本の「働き方」を変えていきたいと考えています。

所在地  : 東京都港区元赤坂1-2-7 AKASAKA K-TOWER 5F
設立   : 2008年5月27日
資本金  : 10億1,827万円 ※2020年3月末時点
代表者  : 代表取締役社長 CEO 柳橋 仁機
事業内容 : クラウド人材管理システム「カオナビ」の開発・販売・サポート
会社HP   : https://corp.kaonavi.jp/

 <本プレスリリースに関しまして>
・ 本リリースに記載されている会社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。
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会社概要

株式会社カオナビ

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URL
https://corp.kaonavi.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア 38F
電話番号
-
代表者名
佐藤 寛之
上場
東証グロース
資本金
11億4377万円
設立
2008年05月