フィーノとヘアドネーションのその先にある医療用ウィッグを学ぶ 夏休みの親子参加型ワークショップで子どもたちが「今できること」を体感
-「正しく知ること・伝えること」が誰かのサポートになる、自分にも出来る“ちょっといいこと”とは-
近年ヘアドネーションという言葉の認知度の高まりと共に、子どもたちにも出来るひとつの社会貢献の形として、ヘアドネーションをする子どもたちも少しずつ増加の傾向にあるといわれています。一方で、ヘアドネーションをしたその先にある過程として、どのように寄付した髪が医療用ウィッグになり、必要な方々のもとへ届けられているかまではあまり知られていません。また日本人の2人に1人ががんになる時代(※1)で、健康に関する国民の基礎的教養としてがんの最低限の知識は身に付けておくべきという厚生労働省の考えのもと、近年の学習指導要領の改訂で小中高での「がん教育」が必修化されたことを受け、その学びを自身の考えや行動と共に、様々な社会活動とを結びつける一つのきっかけになって欲しいと願い、今回のワークショップの開催に至りました。
※1 国立研究開発法人国立がん研究センター 「最新がん統計」
今回の親子向けワークショップでは、賛同団体である「Rethink Fashion Waseda(ReF)」から木村文さんと宮原奈々子さんにも協力を仰ぎ、医療用ウィッグに関わる方々が登壇。製作の工程とともに、医療用ウィッグのためにヘアドネーションをする方、医療用ウィッグを使用する方、そしてドネーションカットをする方の想いなどを実演とともに学びました。まずは、医療用ウィッグの製作を手掛け、本プログラムの「fino ウィッグBank」にもご協力いただいているNPO法人「全国福祉理美容師養成協会」(以下ふくりび)から野島美都さんに、寄付された毛髪が医療用ウィッグへと生まれ変わるまでの工程をパネルや実際のウィッグを使ってご説明いただき、次にご自身もがん罹患により実際に医療用ウィッグを使用されていたSKE48の元メンバーで、現在はタレント・声優として活動されている矢方美紀さんに、ウィッグを使用したことによる気持ちの変化など当時の体験談を交えて、ヘアドネーションというサポートがあることで救われる気持ちなど、医療用ウィッグの必要性をお話しいただきました。子どもたちは、話を聞きながら熱心にメモを取ったり、質問をしたり理解を深めていました。また、ショート・ボブ専門の美容師として活動される大野道寛さんによるドネーションカットのデモンストレーションも実施。なぜ通常の美容院ではヘアドネーション用のカットの受け入れが一般的ではないのか、普段のヘアカットとの違いや、ドネーションカットをされる方から気づかされる想いなどをお話しいただきながら実演していただきました。
さらに本ワークショップに参加した子どもたちは、寄付された毛髪の仕分け作業や、完成した医療用ウィッグの試着も体験し、体感しながら学ぶことで自分たちにも出来る“ちょっといいこと”を考えました。
身近な誰かが医療用ウィッグを必要としていたら? 「見て・知る」ことで自分ごと化の一歩に。
医療用ウィッグが出来るまでには、まず、ヘアドネーションされた髪の毛を長さや状態別に箱に仕分ける作業が行われます。そして仕分けられた髪の毛は、殺菌・消毒や、キューティクルをはがしたり、残したりする作業をする工場へと送られ、ウィッグになじみやすい髪へと加工されます。その後、ウィッグ製作工場に移され、ウィッグの製作に入り、最後に仕上がりのチェックが行われた後、いよいよ医療用ウィッグを必要とされる方へと届けられます。
このように様々な工程と人の手を経て出来上がる医療用ウィッグの工程をふくりび野島さんから学ん
だ後、製作工場から届いたばかりのウィッグを確認。実物はまだきれいにカットされておらず前後がわからないような状態で届くことに、子どもたちからは驚きの声もあがりました。「このぼさぼさのままでは使えないので、医療用ウィッグを必要とされる方にサロンに来ていただいて、一人ずつに試着いただきながら、自分が希望するヘアスタイルになるように整えていきます」と実際の完成直後のウィッグと、完成したウィッグを子どもたちへ見せながら説明し、その過程でもまた多くの方の手が必要とされていることを学びました。
続いて、がん闘病中に医療用ウィッグを使用していた矢方さんが登壇。「大変なこともあるけど、医療用ウィッグを被りヘアアレンジを楽しむことで気分を上げることができた。朝、ウィッグを付けるだけでお出かけすることが出来て、楽な部分もある」とウィッグユーザーの視点から子どもたちへ、知らない誰かの遠い出来事ではなく、身近に医療用ウィッグを必要としている人がいるという気づきをお話しいただきました。
ドネーションカットの実演に子どもたちは興味津々 – カットする方、される方の想いを実演を通して体感
ドネーションカットのデモンストレーションでは、中学1年生の莉衣紗さんが「緊張しているけど、2年間伸ばしてきた髪が困っている人のためになど役に立つのが嬉しい」と話し、31cm以上あった髪をカットし美容師の大野さんの手によって、新しくボブ姿に生まれ変わりました。ドネーションカットは、完全に乾いた髪を複数に束ねてからカットする必要があるなど、通常のカットとは異なる技術が必要とされており、ドネーションカットの課題として、実際に切る美容師・または美容院が充実していないという現状もあります。そんな中、これまでに
も多くドネーションカットを行ってきた大野さんは、「私の学生当時は、美容師の専門学校ではドネーションカット技術を学ぶ機会がなかったので、周りの美容師の先輩にカットの仕方を知っている人がいればその人から教わるなどしか学ぶ機会がない。自分も最初はヘアドネーションのことを知らず、お客さまに言われて調べて知ったことがきっかけだった」と語りました。また、大野さんは「ヘアドネーションをする人にとってたくさんの想いがつまった髪の毛だからこそ、より良い素敵な体験にしたい」という想いから、ファーストカットはヘアドネーションをする方や、そのご家族の方にお願いしているそうで、当日も複数に束ねられた髪束のうち、最初の一束は莉衣紗さん自らがハサミを入れました。
参加した子どもたちの中には同じようにヘアドネーションをするために髪を伸ばしている方も多く、カットの様子を興味津々に見学していました。
毛髪の仕分け作業を体験 - 医療用ウィッグをより身近なものに
ワークショップの後半には、野島さんのお話から学んだ医療用ウィッグが出来るまでの一つ目の工程である、寄付された髪を仕分ける作業を子どもたちが体験しました。実際の体験を通じて、ヘアドネーションの先にある医療用ウィッグをより身近なものに感じてもらい、ひとつひとつの作業に関わるたくさんの方々の想いがつながり、医療用ウィッグが必要な方のもとに届けられていることを学びました。
さらに完成した医療用ウィッグの試着も行われ、いつもと少し違う自分の姿にそれぞれ盛り上がりながらも、肌触りや、見た目の変化などウィッグユーザーの方々が普段どのような想いでウィッグを着用されているのかを実際に体験しました。
ワークショップに参加し終えた親子からは「ヘアドネーションするには長さが意外に必要ということを知り、まだまだ伸ばしていこうと思った」、「仕分け体験の時、髪の種類がたくさんあって楽しかった」などの感想が聞かれました。
登壇者のコメント
・ふくりび 野島美都氏
医療用ウィッグは本物の髪の毛で作られていることも多く、より自然に心地よく使えるように工夫して作られていて、本当の自分の髪の毛のように扱うことができるので、より自分らしさを表現したり新しい自分にも挑戦したりすることができます。病気や治療のための薬などが原因で髪を失ってしまう方が多くいらっしゃいます。医療用ウィッグを使って、ご自身が心地よいと思えるおしゃれを楽しんでいただくことで、気持ちを元気にすることができればと思っております。
・矢方美紀氏
医療用ウィッグでも気分に合わせてヘアカラーやヘアアレンジを楽しむことができて、がん治療中でも前向きな気持ちでいられることができました。またいつ自分が病気になってしまうかは本当に分かりません。でも、もしそうなったとしても周りに助けてくれる人がたくさんいるから大丈夫だよ、ということをお伝えしたいです。
・大野道寛氏
普段ヘアドネーションカットを行う美容師として髪をカットする工程しか携わることができませんが、ヘアドネーションをする人の想いだけでなく、医療用ウィッグを作る人や実際に医療用ウィッグを使う人の想いを知ることができ、自分自身にとっても新たな勉強になりました。今後、より深みのある活動に繋げていこうと思います。
・株式会社ファイントゥデイ ブランドPRマネージャー 赤阪裕実
医療用ウィッグを必要とする方がいて、その方たちの見た目のケアをする事で、心までもケアすることが出来る。そのために周りがお手伝いできることのひとつとして存在するのがヘアドネーションだと思います。一言でヘアドネーションというと髪を寄付する行為が参加することだと思われがちですが、「寄付をする、しない」に関わらず、どんな人が医療用ウィッグを必要としているのか、医療用ウィッグの現状や課題を「正しく知る」だけでも「ちょっといいこと」だと私たちは考えています。
「#髪からはじめるちょっといいこと」キャンペーン概要
ヘアケアブランド・フィーノが展開する医療用ウィッグを取り巻くすべての人をつなぐプログラム【HAIR TOUCH YOU】の一環でスタートする、医療用ウィッグやヘアドネーションに関心のある人が”髪”を通してすべての人が参加できるキャンペーン。Twitter投稿キャンペーン他体験型イベント等、様々な活動を展開してまいります。
https://twitter.com/fino_jp/status/1675670696729427968
医療用ウィッグとヘアドネーションを学ぶワークショップ開催概要
開催日:2023年8月22日(火)
会場:都内
登壇者:ふくりび 野島美都氏
矢方美紀氏
美容師 大野道寛氏
チャレンジサポーター 莉衣紗氏
株式会社ファイントゥデイ ブランドPRマネージャー 赤阪裕実
【HAIR TOUCH YOU のばせば届く。】について
医療用ウィッグをとりまく方々の想いが重なる場が生まれる
「まるで美しさが生まれ変わるような体験」を。
すべての方に、その一日がより満たされ、気持ちまでもが生まれ変わるような体験をお届けするために、医療用ウィッグをとりまくすべての方をフィーノがつなぐプログラム【HAIR TOUCH YOU のばせば届く。】が始動。
【HAIR TOUCH YOU】“髪”を通してあなたの・私の感動が生まれ、【のばせば届く】今まで届けたくても届きにくかった、ドネーションをした方々、レシピエント、美容師や医療従事者の方々の想いを見える化し、つないでいく仕組みを作る新しい社会貢献のカタチです。“髪”がつながるきっかけとなり、医療用ウィッグに関わる方すべての「生まれ変わり体験(※2)」をお手伝いしてまいります。
【プロジェクトサイト】https://brand.finetoday.com/jp/fino/hair_touch_you/
※2 フィーノが提案する「生まれ変わり体験」とは、まるで美しさが生まれ変わるような体験を通して、気持ちまで前向きになること。すなわち「気持ちまでもが生まれ変わるような体験」です。
フィーノについて
2004年のブランド誕生以来、スキンケア発想のアプローチでヘアケア商品を展開。現在は、「プレミアムタッチ 浸透美容液ヘアマスク」、「プレミアムタッチ 浸透美容液ヘアオイル」を展開しており、ヘアマスクはインバストリートメント6年連続売上No.1(※3)、ヘアオイルはアウトバストリートメント売上No.1(※4)に成長しています。
フィーノはこれからも、お客さまの期待を超える、まるで美しさが生まれ変わるような体験を通して、気持ちまでも生まれ変わるような体験を提案してまいります。
【公式サイト】 https://brand.finetoday.com/jp/fino/
【公式SNS】 Instagram:https://www.instagram.com/fino_jp/
X(旧Twitter):https://twitter.com/fino_jp
※3 インテージSRI+インバストリートメント市場2017年10月~2022年12月金額シェアSKUランキング
※4 インテージSRI+ オイル市場 2021年2月〜2023年1月 ⾦額シェア SKUランキング
NPO法人「全国福祉理美容師養成協会」(ふくりび)について
2007年の設立以来、「誰もがその人らしく美しく過ごせる社会の実現」を目指し、理美容・医療・介護・ファッションなどの多職種専⾨家が「得意を活かして社会貢献活動」をするプロフェッショナルNPO。国内での高齢者・障害者・闘病患者支援、シングルマザーや若年層の女性への職業訓練などをしています。
【公式サイト】 http://www.fukuribi.jp/
賛同団体「Rethink Fashion Waseda(ReF)」について
「Rethink Fashion Waseda」は「十人十色のサステナブルファッションを楽しもう」という考えのもと活動をしている早稲田大学を中心にした学生団体。 活動内容は、Instagram, Youtube, Website等を通じ情報発信を行うほか、メンバー全員で定期的なミーティングの開催、不定期なイベントなど多岐にわたります。
すべての画像