高次脳機能障害発症から8年。入院中から仕事に復帰するまでの困ったことや周囲とのギャップを言語化しました。豊富なマンガとイラストで、当事者やご家族、絵の方が理解しやすい人にも勧めやすい1冊です。
脳卒中や事故をはじめ、脳に何らかのダメージを追った時に発症する高次脳機能障害は、誰もが人生のどこかで経験する可能性のある障害です。
けれどこの障害は医療者からも見過ごされたり、当事者本人でも自分の症状に気づいたり理解するのが難しいことのある障害。「軽度」と診断された僕が体験したのは「日常のあらゆる当たり前が崩壊する」ような経験でしたし、発症から8年経つ今も、パッと見は健常者にしか見えなくても、毎日自分に障害があることを一度も意識せずに一日の終わりを迎えることはほとんどありません。
この本では、この分かりづらい障害を当事者がどのように感じているのか、どのように理解し、どのように他者に助けを求めていけばいいのかを、僕自身のケースから掘り下げ、お連れ合いが当事者である漫画家のいのうえさきこさんと一緒に可視化を試みました。
僕の世界の感じ方や経過について、これまで数多くの当事者と一緒に活動されながら専門的な知見をお持ちの2人の専門家に解説していただくことで、より理解を深めていただけたらと願っています。
はじめに
忘れっぽくなる、ではなく「頭の中身が一瞬で消える」(作業記憶の低下)
失語症とは? 右脳損傷のコミュニケーション障害
構想ができない 講師業務での失敗
目次
1 高次脳機能障害に共通の症状って?
2 入院生活中の「異世界感」
3 日常生活、困ってます
4 お仕事編 できると思って大玉砕
5 業務継続の中で起きてくる困りごと編
著者情報
鈴木大介(すずき・だいすけ)
子どもや女性、若者の貧困問題をテーマに『最貧困女子』(幻冬舎)などを代表作とするルポライターだったが、2015年に脳梗塞を発症。その後は高次脳機能障害者としての自身を取材した闘病記『脳が壊れた』『脳は回復する』(いずれも新潮社)や夫婦での障害受容を描いた『されど愛しきお 妻様』(講談社)などを出版し、援助職全般向けの指南書『「脳コワ」さん支援ガイド』(医学書院) にて日本医学ジャーナリスト協会賞大賞受賞。
いのうえさきこ
だじゃれと酒を愛する片付けられない漫画家。高次脳機能障害のパートナーとの日々を描いた『私、 なんで別れられないんだろう』(秋田書店)、『発達系女子とモラハラ男─ 傷つけ合うふたりの処 方箋』(鈴木との共著、晶文社)などがある。
【解説】
山口加代子(やまぐち・かよこ)
公認心理師・臨床心理士。中央大学大学院・明治学院大学非常勤講師。 日本高次脳機能障害友の会・リハビリテーション心理職会顧問。
著書に『不自由な脳― 高次脳機能障害当事者に必要な支援』(鈴木との共著、金剛出版)『高次脳 機能障害を生きる― 当事者・家族・専門職の語り:夫と妻の心の旅』(ミネルヴァ書房)、『病気のひとのこころ― 医療のなかでの心理学:脳にダメージを受けた方たちのこころとその援助』(誠 信書房)、『脳の働きに障害を持つ人の理解と支援:高次脳機能障害の当事者』(誠信書房)がある。
長谷川 幹(はせがわ・みき)
医師、世田谷公園前クリニック、一般社団法人日本脳損傷者ケアリング・コミュニティ学会理事長。 2011年に三軒茶屋内科リハビリテーションクリニックを開設、一般社団法人日本脳損傷者ケアリン グ・コミュニティ学会理事長。
著書に『リハビリ医の妻が脳卒中になった時― 発病から復職まで』(共著、日本医事新報社)、『主 体性をひきだすリハビリテーション― 教科書をぬりかえた障害の人々』(日本医事新報社)、『リ ハビリ― 生きる力を引き出す』(岩波書店)などがある。
書誌情報
『この脳で生きる 脳損傷のスズキさん、今日も全滅』
https://www.godo-shuppan.co.jp/book/b626804.html
【著】鈴木大介
【イラスト】いのうえさきこ
【解説】山口加代子
【解説】長谷川幹
□定価=本体1,800円+税
□A5判/200ページ
□ISBNコード:978-4-7726-1496-2
□Amazon
https://amzn.asia/d/e7wsl9e
□楽天ブックス
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