大阪・泉大津市 コメの継続摂取により「新生児の体重増加」「妊産婦の体調不良軽減」を示唆

~泉大津市マタニティ応援プロジェクトにおける検証結果レポート①~

泉大津市

左_(公財)医食同源生薬研究財団 代表理事 米井嘉一、右_泉大津市長 南出賢一

大阪府泉大津市と公益財団法人医食同源生薬研究財団は、妊娠中の健康をサポートするために取り組んだ「泉大津市マタニティ応援プロジェクト」において、加工玄米の摂取が妊産婦と赤ちゃんの健康に良い影響を与えることを実証しました。

【プロジェクト概要】

「泉大津市マタニティ応援プロジェクト」は、妊産婦が妊娠期間を健康に過ごしてもらい元気な赤ちゃんを産んでもらうことを目的として、令和5年度から東洋ライス株式会社と連携し、市内の妊産婦とその家族に毎月最大10kgの加工玄米を無償提供するプロジェクトです。妊産婦に提供した加工玄米には、東洋ライス株式会社が持つ精米技術により、滋養源であるビタミンやミネラルなどの玄米の栄養を美味しく摂取でき、消化性に優れた無洗米「金芽米(きんめまい)」を使用しました。本プロジェクトでは、出産予定月まで妊産婦に毎日加工玄米を喫食してもらい、アンケートや妊産婦健診、赤ちゃんの1か月児健診などのデータから加工玄米による母子への健康効果を検証する全国初の試みです。

【研究結果】

プロジェクトに参加した101人の妊産婦を対象に妊娠中/出産後の2回のアンケート調査、また、その妊産婦から生まれた赤ちゃんのうち、83人の出生時体重/1か月児健診のデータ検証を実施しました。その結果、以下のような健康効果が確認されました。

  • 妊娠中の体調不良(胃の張り、便秘、むくみ、冷え性など)が軽減

  • 泉大津市内で生まれた赤ちゃんの体重が、過去4年間(2019年度~2022年度)の各年度平均と比較して増加

    妊産婦への体調改善効果だけでなく、赤ちゃんの出生時体重増加には大きな意義があります。ここ20年、国内で新生児・乳幼児の体重は低下傾向にありました。世界中で、低出生体重児は医療的ケアが必要であることが多く、発育に遅延が生じたり、成人後も健康に関わるリスクが大きいことが指摘されています。そのような点から、本プロジェクトの調査結果は、出生児数が減少し、高齢出産率が増加傾向にある我が国の出産事情に鑑みても非常に重要であり、今後の支援策の基盤につながる可能性があります。

本結果はGlycative Stress Research誌において、2024年12月31日付けで研究論文として掲載されております。

Glycative Stress Research 2024; 11 (4): 204-211.

 https://www.toukastress.jp/webj/article/416

【参加者の声】

  • プロジェクトに参加し「身体に良いお米を頂ける機会はとても有り難かったです。妊娠中自分はもちろんこの暑さで食欲不振の家族も美味しくご飯が食べられました。」

  • 「ただの白米でなく健康面も考慮したお米で嬉しかったです!」

  • 「いただいたお米はとても安心して食べることができ、体の調子も良くなりました。妊婦

    健診でもなんの問題もなく臨月を迎えることができました。」

  • 「妊娠中という口にする物を気にかける期間に、こういうプロジェクトに参加できて嬉し

    かったです。お米だけでなく、他の物も体にいい物を選ぶきっかけになりました。」

  • 「上の子もいるので、今回のプロジェクトは今後生まれてくる子のために母体の健康を維

    持すると共に、家族の健康維持にもなったのでとてもありがたかったです。」

  • 「妊娠してから、お腹の子に栄養を与えるために健康な食事を心がけて生活を送ってきた

    のですが、美味しい金芽米を提供頂いたことで、理想通り健康的に体重増加することが

    できました。」

  • 「金芽米を初めて食べましたが、美味しくて健康的な印象でした。一緒にお米を食べた配

    偶者や小学生、未就学の子供も便秘が解消したようです。妊娠中の健康促進を支援いた

    だける貴重なプロジェクトだと感じました。」

【出産後の新生児の体重が、過去数年間の平均体重と比べて増加】

以下のグラフは出生時および1か月児健診時の体重を経時的に示し、回帰直線を引いたものです。1か月児健診時の体重の推移では2019年度から2022年度の平均体重と、本プロジェクトに参加した新生児の1か月児健診結果との間には有意な差が認められ、大きく右肩上がりを示しています。出生児の体重においても、2019年度から2022年度までは大きな違いが生じていませんが、本プロジェクト参加者では増加傾向がみられます(回帰直線を2024年度まで延長した時の予測体重に比べて、本プロジェクトによる介入後体重は上方にシフトしています)。

【研究責任者コメント】

■泉大津市長 南出賢一

泉大津市では、食からアプローチした市民の“本質的な健康づくり”に取り組んでおり、その一環として妊婦さんに向けた全国初の取組み「泉大津市マタニティ応援プロジェクト」をスタートした。本プロジェクトで使用する加工玄米は、令和6年8月から、全国各地で農業連携を締結している地域から、農薬や化学肥料の使用を抑えた玄米を本市が直接購入し、さらにその玄米を金芽米加工した上で妊婦さんとそのご家族に届けている。今回、実証結果として、妊婦さんと赤ちゃんの健康が向上し、特に新生児の体重増加が確認されたことを大変嬉しく思う。本プロジェクトは、既に複数の自治体で採用されるなど全国に広がりをみせている。今回の実証結果を発信することで、“お米の力”を広く知ってもらい、より多くの人が健康になり、お米の消費量が増え、ひいては日本の農業振興にも繋がっていくことを期待している。今後も、妊婦さんへの継続支援をはじめ、官民連携による全国共通の社会課題解決に向けたモデルケースの創出に取り組んでいく。

■(公財)医食同源生薬研究財団 代表理事 米井嘉一

泉大津市がのろしを上げて、日本の将来を担う次世代に目を向けたプロジェクトがいよいよ始まりました。平均寿命の定義は「0歳児の平均余命」です。今回は2024年度第1四半期の報告ですが、出生時体重と低出生体重児割合の推移をみると、玄米の栄養成分が0歳児の段階から健康増進に貢献する可能性が示唆されました。日本の将来を担う、健康な0歳児が増えることは大変喜ばしいことです。当財団としては、玄米栄養成分が胎児の発育に及ぼす作用機序についての研究が進むこと、「マタニティ応援プロジェクト」に加えて「学校給食での加工玄米提供プロジェクト」を介して学童の健康増進に貢献すること、そしてこのような「次世代エイド」プロジェクトが他の自治体へ広がってゆくことを期待しています。

【有識者コメント】

■東京科学大学 准教授 安達貴弘氏

低出生体重児と発達障害や生活習慣病と相関のあることが知られており、金芽米加工した玄米の摂取により体重が増えることは、これらの疾患の発症を低下させる可能性があります。泉大津市のお米によるこの試みは、子どもの将来の健康に寄与し、“健康寿命の延伸、格差のない健康”という国の重要課題の解決にもつながることが期待されます。

【今後の展開】

より大規模な調査(約500人規模)を通じて、加工玄米の摂取が妊産婦の健康や新生児の体重などに与える影響をさらに詳しく検証し、2025年秋にその結果を発表する予定です。

泉大津市は、引き続き妊産婦と赤ちゃんの健康をサポートするために、さまざまな取組みを行ってまいります。

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


ビジネスカテゴリ
政治・官公庁・地方自治体
キーワード
泉大津市子育て
ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

泉大津市

2フォロワー

RSS
URL
https://www.city.izumiotsu.lg.jp/index.html
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
大阪府泉大津市東雲町9番12号
電話番号
0725-33-1131
代表者名
南出 賢一
上場
未上場
資本金
-
設立
-