【プレスリリース】中央アフリカ共和国: 7割が学校に戻れず
閉鎖された学校
調査を実施した学校の65パーセントが、略奪や占拠、あるいは銃弾や砲撃による被害を受けていました。「学校というものは、本来、教えたり学んだりできる安全な場所であるはずなのに、跡形も無いほどに破壊されてしまった学校もあります」とユニセフ・中央アフリカ共和国事務所のスリマン・ディアバット代表は言います。「先生もおらず、机や教科書もない状況で・・どうやって子どもたちが学べるのでしょう?」
子どもたちはなぜ学校に戻らないのか?調査対象の5人中4人が、未だに存在する暴力への恐怖がその原因と考えています。約半数の学校は閉鎖されたまま。子どもたちは、平均で6ヶ月もの間、教育を受ける機会を失っています。
「中央アフリカ共和国の初等教育は、通学する子どもたちの数の問題のみならず、質の面でもひどく悪化しています。今、私たちが行動を起こさなければ、このままでは、もっと多くの子どもたちが1年間もの長きにわたって教育の機会を失い、退学してしまうリスクに直面してしまいます」(ディアバット代表)
ユニセフは、中央アフリカ共和国当局に対し、全ての教員と子どもたちが安心して学校へ戻り、勉強を続けることができるようにする具体的な施策を求めています。
ユニセフの支援
この危機に対処するため、ユニセフはNGOや教育省の協力も得て、小学校教員1,352人が(避難先から)以前働いていた職場に戻れるよう支援しました。この内戦に巻き込まれた子どもたちのうち約2万5,000人が、今、期末テストにむけて補習授業を受けています。さらに4万人の子どもたちも、近々学校に戻り勉強を再開する予定です。
およそ2万人の生徒が学用品を受け取り、机や椅子などの家具も提供されたことで、多くの学校が活動を再開し始めています。ユニセフは、年末までに、さらに10万5,000人の子どもたちが教室に戻ってこられるよう、支援を準備しています。
ユニセフは、今年一年間の中央アフリカ共和国における緊急支援活動に必要な資金として、当初1,150万米ドルを想定していましたが、しかし、昨年12月に今回の危機が発生して以降、その額は3倍の3,200万米ドルに膨らみました。一方、これまでに確保できた資金は、その3分の1にとどまっています。中央アフリカ共和国で紛争に巻き込まれている子どもや女性たちに教育や支援を届けるためには、2,100万米ドルが早急に必要とされています。
※文章中のデータは、中央アフリカ共和国の全17州のうち11州で認可されている1,933か所小学校のうち176校で行われたサンプリング調査を基にしています。本調査は2013年8月にユニセフが、教育省や学校校長会、その他7つのパートナー団体の参加協力を得て実施したものです。
■ お問い合わせ
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、世界の子どもたちの命と健やかな成長を守るために活動する国連機関です。現在、150以上の国と地域で活動しています。ユニセフは、子どもの権利を守る主要な機関として、保健、教育、栄養、水と衛生、保護、緊急支援などの支援活動を実施しています。活動資金は、すべて個人や企業・団体・各国政府からの任意拠出金でまかなわれています。(www.unicef.org)
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人日本ユニセフ協会(東京都港区)は、国連児童基金(ユニセフ)の活動を世界36の国と地域でサポートするユニセフ国内委員会の一員として、ユニセフ本部との協力協定に基づき、募金や広報、アドボカシーなどを通じてユニセフの活動を支えています。
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