【終活に関する調査レポート】60代の22.5%が「お墓の希望わからない」と回答 お墓の希望・海洋散骨に関する意識調査
海洋散骨を中心に「旅立つ人、見送る人」に寄り添う終活事業を展開する株式会社ハウスボートクラブ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:赤羽 真聡、以下「当社」)は、2024年11月1日~8日に20代~70代の1,152名を対象にお墓の希望・海洋散骨に関する意識調査を行いました。(URL:https://hbclub.co.jp/news/20250130/)
実施の背景
「終活」とは、人生の終わりに向けておこなう準備や備えといわれ、高齢者やその家族に関する事柄であると考えられています。しかしながら当社では、この「終活」をご本人やその家族が「明日からの人生をより輝かしく“生きる”ための活動」と捉え、海洋散骨をはじめとした様々なサービスを提供しています。
特に、シニア層が自らおこなうだけではなく「子どもから親へ」と呼びかけるようにおこなう終活では、親(本人)の希望と子(家族)の希望を丁寧にすり合わせることで、想いの掛け違いがおこらず、双方にとってよりよい結果を迎えられると考えています。例えば、両親の思い出の場所へ孫も含めた三世代で旅行して新たな想い出を作ったり、お墓の代わりにハワイでの海洋散骨を選択し、定期的にハワイを訪れることを所謂「お墓参り」の代わりにしたり、など、供養や終活はネガティブで義務感にかられるものではなく、方法次第で前向きで楽しみなものに変換することができると当社は考えています。
この度はご両親が健在であると回答した1,152名を対象に、お墓の希望・海洋散骨に関する意識調査を実施いたしました。
調査結果
1.希望するお墓の種類:若い世代はお墓を持たないスタイルに注目集まる。60歳以上でもお墓の希望が「わからない」22.5%、進まぬ終活
「自身のお墓を検討するとしたら、どの種類を選びますか?」という質問に対して、回答を求めました。回答の選択肢には「一般墓」「室内納骨堂」「樹木葬」「海洋散骨」「合葬墓(合祀)」「手元供養」「わからない」「その他」の8種類を用意しています。
全体で最も多かったのは「一般墓」で35.8%。次いで「樹木葬」が14.0%でした。株式会社鎌倉新書が2024年3月におこなった調査(※1)では、お墓の新規購入者のうち48.7%が樹木葬を選択した、という調査結果も表れており、樹木葬の人気の高さが伺えます。一方で「一般墓」を希望すると回答した人々が最多という結果からは、代々のお墓がすでにあり、予めお墓が決まっている方の占める割合が多いと予想することができます。
希望するお墓の種類に関する回答を年代別に分けると、上記のような結果となりました。どの年齢層でも多い「一般墓」の回答を除くと、20~39歳までの層は「室内納骨堂」もしくは「わからない」と回答した人が多く、40歳以上の層では「樹木葬」と「わからない」の回答が多いという結果となりました。また、40~59歳の層では「海洋散骨」の希望が14.5%と全体値の13.1%を上回っており、現在のシニア層よりも海洋散骨に対する関心度が高いことがわかりました。なお「その他」の中には、『お墓はいらない』『火葬場で処分したい』というようにそもそもの遺骨の管理・供養を行わない意向を持つ回答も見られ、樹木葬や海洋散骨同様に、お墓や遺骨を継承しない方法への注目が高まっていると考えられます。
一方で、60歳以上の層でも22.5%が自身のお墓の希望について「わからない」と回答していることについては、予想以上にシニア層の終活が進んでいない側面が見られ、今後課題であると感じました。
2.海洋散骨への印象:若い世代ほど「寂しさ・申し訳なさ」を感じている。40~59歳は「管理の手間がない」点に着目
続いて、「海洋散骨を知っている」と回答した969名に対し、海洋散骨に対して抱いている印象を伺いました。全体では「管理の手間がない」が34.3%で最多。次いで「自然に還ることができる」が33.1%でした。先ほどと同様に年代別で集計すると、20~39歳は「自由になれる・開放的」26.2%、「明るい・前向き」18.3%と肯定的な回答も多い一方、「かたちが残らず寂しい」17.3%、「お墓参りができない」20.8%、「船や海の不安(事故・津波など)」10.4%という不安面も他の世代より強いということが分かりました。お墓の希望の調査で最も海洋散骨に関心の高かった40~59歳の層は、「管理の手間がない」が最多で37.8%、「自然に還ることができる」33.9%、「子どもや家族に負担がない」30.2%、と維持・継承の面で海洋散骨に関心を持っているとわかり、不安要素である「法律面が不安」21.4%についても、他世代に比べてより具体的に海洋散骨について検討している(したことがある)ことが要因であると推測することができます。60歳以上の層では、40~59歳と同様に管理の手間や家族への負担軽減の側面で肯定的な一方、イメージや雰囲気の部分では好印象を持たれている人は少なく、「特に印象はない」も23.7%で他世代に比べて多いという結果となりました。
※1:株式会社鎌倉新書 いいお墓 第15回お墓の消費者全国実態調査(2024年)
https://guide.e-ohaka.com/research/survey_2024/
全体考察
近年、「終活」の一環として葬儀やお墓の準備・持ち物の整理など終活を事前に進める人々が増えていると耳にします。しかしながら、60歳以上の約2割がお墓について自身の希望が定まっていないという側面もあり、その背景のひとつには、死を連想する葬儀やお墓の話題をオープンに相談できないという意識があると考えられます。同調査の回答内には、お墓に関する希望について「子から親へ切り出すにはためらいがある」「縁起が良くない」という類の回答もみられ、言葉にするとその出来事が現実になってしまう、というような言霊(ことだま)の意識が根強く残っているように感じられました。
上記のような意識・文化を一朝一夕で変化させることは困難ですが、終活に対する理解度を深めたり、選択肢を広く持っておいたりすることで、一部の不安を解消することができると当社は考えています。シニア層が晩年をより安心して過ごせる環境づくりのため、より自由度の高い選択肢の提供に今後も務めて参ります。
調査概要
調査名 :お墓の希望・海洋散骨に関する意識調査(2024年)
調査対象 : 20歳以上の男女
調査期間 : 2024/11/1(金)~2024/11/8(金)
調査方法 :インターネット
有効回答 :1,152名(20~59歳912名、60歳以上240名)
URL:https://hbclub.co.jp/news/20250130/
※複数回答の結果を含んでいます。また、回答結果(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計数値が100%にならない場合があります。
代表者コメント
昨今、埋葬先の多様化やお墓じまいなどが広がっていることから、今回は「お墓の希望・海洋散骨に関する意識調査」を実施いたしました。調査結果から、60代以上の方でもご自身の埋葬先(お墓)について前向きに考えることを少し懸念されていることが分かりました。しかしながら、人生の幕引きを自分自身で設計(デザイン)することが今後はより重要になってくる、その上で“前向きな終活”に取り組んでいただくことが必要だと私は思います。また、頼れる家族がいない「おひとりさま」も社会的な問題になっており、今後も広がっていく中で、「誰かが何とかしてくれる」「最後は行政が何とかしてくれる」という考えを捨て、正しい情報を得ることも必要です。そして、海洋散骨の認知度に関する調査でも、年代別で印象が異なることがわかりました。埋葬先の選択肢として海洋散骨が世の中に広がりつつある中、世代別に正しい情報をしっかりと伝えていくための活動を拡大していく必要性もあると感じました。
今後、多くの人々により安心してお過ごしいただくためにも、当社のサービスやセミナーなどを通じて、終活に対する理解度を深めたり、体験を通じて終活のきっかけにしていただいたりなど、今後も多種多様な選択肢を世の中に提供し続けたいと考えています。また、今後も終活に関するテーマに関して、さまざまな角度で情報を提供し続けたいと思います。
会社概要
株式会社ハウスボートクラブ
「大切な人とのつながりを大事にする社会を目指す」をビジョンに掲げ、海洋散骨事業「ブルーオーシャンセレモニー」、お別れ会プロデュース事業「Story(ストーリー)」、思い出に残る体験を提供する旅行「えんの旅」、改葬・お墓の引越しサポート「お墓の引越し&墓じまいくん」の4つのサービスを展開している。「偲ぶ」ということが、悲しみに暮れるということではなく、大切な人との結びつきを改めて感じ、感謝やあたたかな気持ちにあふれるような終活・葬送の機会を提供すべく、日々取り組んでいる。
【設立】 2007年2月15日
【代表】 代表取締役社長 赤羽 真聡
【住所】 東京都江東区住吉1-16-13 リードシー住吉ビル3F
【従業員】 26名(2024年1月時点)
【事業内容】
【1】 汽船を使用したセレモニー及び、各種クルーズの企画運営
【2】 終活支援、相談業務
【3】 ライフエンディングに関する各種イベントの企画運営
【4】 旅行業法に基づく旅行業
【URL】 https://hbclub.co.jp/
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