三菱総合研究所、無担保ローンのコンソーシアムを組成
国内最大級の住宅ローン共同データベースに続く組成・運営、全国版モデルも提供開始
1. 背景
近年、金融機関を取り巻く環境は、人口減少・少子高齢化、金利上昇の懸念、コロナ禍以降の新常態、非金融機関など新たな競合の台頭など、さまざまな要因により変化しています。リテール事業の主力商品であった住宅ローンの収益性が低下する中、収益改善のために無担保ローンを含めたリテールローン全般に対する分析の重要性が高まっています。
MRIは25年以上にわたり、金融機関のリテールローンの与信業務を支援してきました。2010年には共同データベース「住宅ローン・データ・コンソーシアム」(※1)を組成し、運営しています。
無担保ローンでも与信モデルの構築・分析を実施してきましたが、昨今のリスク管理に対する関心の高まりや、ユーザーからの要望、および十分なデータ蓄積を受け、新たに「無担保ローン・データ・コンソーシアム」を組成しました。10年以上にわたる住宅ローン・データ・コンソーシアムの運営により培ったノウハウを、無担保ローン・データ・コンソーシアムの運営にも生かします。
2. 概要・特徴
無担保ローンの共同データベースは、約20の加盟金融機関から拠出される豊富なデータ(2023年10月時点:総件数約170万件の申し込み案件情報、約1.3万件のデフォルト情報など)を基に構築し、情報を蓄積します。また、共同データベースに基づき、リスクモデルの「全国版モデル」を構築し、各金融機関モデルの特徴やポジショニング分析など、金融機関単独では分からない高付加価値情報を還元します。
無担保ローン・データ・コンソーシアムの組成により、国内最大級(※2)の住宅ローン共同データベースに無担保ローンデータが加わり、共同データベースの対象範囲はリテールローン全般をカバーします。
MRIは、この共同データベースに基づいて、商品性に合わせた3つの全国版モデルを構築し、提供を開始しました。初期与信スコアリングモデルとして、これら全国版モデルを導入することも可能です。
図 コンソーシアムと全国版モデル
出所:三菱総合研究所
また、無担保ローン・データ・コンソーシアム加盟金融機関が参集し交流を行う場として、「ユーザー会」を開催します。ユーザー会では、共同データベースを用いた分析結果の報告や、無担保ローンの全国トレンドや規制対応など、最新のトピックに関する情報提供を行う予定です。住宅ローン・データ・コンソーシアムにおけるユーザー会は、加盟金融機関のご担当者さま同士の情報交換やネットワーク構築の場として、好評の声をいただいています。
MRIはこれらの取り組みを通じて、リテールローン全般のリスク管理や推進、収益性の向上を支援します。
3. 今後の予定
コンソーシアムの豊富なデータを用いて、AIモデル構築などによるリスク管理の高度化につながるサービス開発、住宅ローンを絡めたリテールローン全般に対する分析や施策検討の実施、途上管理データなどを含めた共同データベースの対象範囲拡張などを検討しています。また、加盟金融機関の意見・要望を随時取り入れ、サービスを拡充します。
※1 https://www.mri.co.jp/service/mortgage-data-consortium.html
※2 当社調べ。比較的規模の大きな地方銀行を中心に加盟いただいており、第一地銀の住宅ローン残高全体のおよそ半数のシェアを占める。
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本件に関するお問い合わせ先
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