【令和6年能登半島地震】NPOカタリバと石川県珠洲市が学校再開に向けた連携協定を締結
学校再開後の児童・生徒の心のケアも含めた、NPOと自治体の包括的な連携
認定特定非営利活動法人カタリバ(本部:東京都杉並区、代表理事:今村久美、以下カタリバ)は、2024年1月1日(月)に発災した令和6年能登半島地震の被害を受けた石川県珠洲市と学校再開に向けた包括的連携協定を締結しました。学校が教育活動を再開できるための復旧・復興支援のほか、こどもの居場所の確保、専門家を交えたこどもの心のケア等に取り組みます。
被災地では校舎の損壊や断水が続くなか、通常の学校運営の目処が立ちにくい学校も。
2024年1月1日に石川県能登地方を震源とする「令和6年能登半島地震」が発生し、石川県では現在も約2万人が避難しています。(*1)
全国的に多くの学校が1月9日から新学期をスタートしていますが、被害の遭った能登地方の一部の学校では再開の目処が立っていません。
特に死者・安否不明者が多く、建物の倒壊も多かった石川県珠洲市では、校舎の損壊や断水による衛生管理や給食等が提供できず、通学路の安全確保にも時間がかかることが予想されます。
また避難先に指定されている学校では、避難者の受け入れを行っていたり、児童・生徒らも学校区外の避難所にいることから、再開の目処が立ちにくい学校もありました。しかし、少しずつ再開できる学校から、児童・生徒を受け入れはじめ、同市11校の小中学校と義務教育学校のうち、1月11日には3校が再開し、22日までに全11校が再開できる見込みとなっています。
NPOカタリバと石川県珠洲市、学校再開からその後の心のケアも含めた包括的連携協定の締結
カタリバでは、東日本大震災・熊本地震・西日本豪雨災害・熱海市伊豆山土石流災害・秋田豪雨など、災害が起こるたびに現地ニーズを調査し、必要に応じた緊急支援に10年以上取り組んできました。
2019年からは災害時子ども支援「sonaeru (ソナエル)」プロジェクトチームを立ち上げ活動を行っており、今回の地震発災後の1月3日(水)よりスタッフが現地入りし、子ども支援のニーズ調査・居場所運営を行っています。
石川県珠洲市では1月5日より子どもの居場所支援「高校生とつくるみんなのこども部屋」を開設し、現在珠洲市内で2拠点の居場所支援を現地NPOと共同運営しています。
この度、被害が大きいため支援の手が入りづらく、学校再開の目処が立ちづらい状況だった石川県珠洲市と、発災直後から同市での緊急子ども支援に取り組んでいるカタリバが、学校再開からその後の包括的なケアによる、教育活動の復旧・復興を目指し、連携協定を締結しました。
・令和6年能登半島地震で被災した子どものための居場所を開設。石川県珠洲市で「高校生とつくるみんなのこども部屋」を1/5よりスタート
https://www.katariba.or.jp/news/2024/01/05/43301/
・令和6年能登半島地震で被災した石川県珠洲市で2拠点目となる子どもの居場所「みんなのこども部屋」を1/7より開設
https://www.katariba.or.jp/news/2024/01/08/43318/
「みんなのこども部屋」に続き、第二弾として学校再開に向けた暖房備品・灯油を同市12校の小・中・高校へ届けました
避難所に指定されている学校では、今もなお避難者が教室や体育館などで避難生活を送っています。
石川県の例年1月の気温は3〜4度(*2)。学校での避難生活にはストーブ等の暖房器具が必須となり、普段であれば児童・生徒が使用しているストーブを避難者の皆さんのために使っている状況です。
同市教育委員会のヒアリングによると、いずれの学校も同様の課題を抱えていることから、今回カタリバに寄せられた寄付金の一部を学校再開に向けた暖房備品に活用しました。
同市内の11校の小中学校と義務教育学校、「みんなのこども部屋」が設置されている県立高校1校に、合計62台のストーブを贈ることとなりました。加えて、被災地の貴重な資源を圧迫することのないよう、当分資源にゆとりができるまでの間は、灯油も提供を続けます。
なお、ストーブと灯油の物資・資源の手配から同市までの輸送、継続的な灯油の給油提供に関しては、セイノーホールディングス(株) 様の協力により、被災した地域まで迅速に届けることができています。
■連携内容
珠洲市とカタリバが相互に連携・協力し、災害時における子どもの心のケア及び居場所の確保、学校再開の支援などを含めた包括的な「子ども支援」を行うことを目的として、次のような連携を推進します。
(1)子どもの心のケアに関すること
迅速に子どもの心のケアを届けられる機会環境の確保を臨床心理士や社会福祉士、スクールカウンセラー等の専門家を交えて行います。
(2)子ども支援の活動場所の確保に関すること
「みんなのこども部屋」等、子どもたちが安心・安全に過ごすことができる居場所環境の確保を協力して行っていきます。
(3)学校再開のために必要な物品等の調達に関すること
災害による破損や必要備品に関する調達を協力して行っていきます。
(4)子どもの情報共有および子どもへの情報伝達に関すること
子どもたちの情報は常に連携し、必要な情報を分かりやすく子どもたちに届けていきます。
など
災害時子ども支援「sonaeru(ソナエル)」について
災害発生時に、子どもたちへの支援を一刻も早く届けることを目的とした緊急支援プロジェクト。これまでの被災地での経験から「発災直後の子ども支援は重要」と捉え、平時から自治体・企業と事前にアライアンスを組んでおくことで、迅速な支援活動ができるような仕組みづくりに取り組んでいます。
https://www.katariba.or.jp/activity/project/sonaeru/
認定特定非営利活動法人カタリバとは
どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。
<団体概要>
設立 : 2001年11月1日
代表 : 代表理事 今村久美
本部所在地 : 東京都杉並区高円寺南3-66-3 高円寺コモンズ2F
事業内容 : 高校生へのキャリア学習・プロジェクト学習プログラム提供(全国)/被災地の放課後学校の運営(岩手県大槌町・福島県広野町)/災害緊急支援(全国)/地域に密着した教育支援(東京都文京区・島根県雲南市)/家庭の事情で居場所を求めている子どもに対する支援(東京都足立区)/外国ルーツの高校生支援(東京都)/不登校児童・生徒に対する支援(島根県雲南市・全国)/子どもの居場所立ち上げ支援(全国)
URL: https://www.katariba.or.jp/
問い合わせ
■本件に関する取材について
今回の子ども支援についての取材は、下記フォームからご連絡ください。
ご取材をご希望の場合は、必ず下記フォームからカタリバへご連絡いただき、直接避難所にご連絡いただくことはお控えいただきますようお願いいたします。
https://www.katariba.or.jp/report/(担当:カタリバ広報 阿部)
■ご寄付について
NPOカタリバの災害支援sonaeru事業へのご寄付はこちらをご覧ください。
https://www.katariba.or.jp/sprit/now/sonaeru.index.php
*1 石川県 2024年1月14日時点 令和6年能登半島地震による被害等の状況について(危機管理監室)
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/saigai/documents/higaihou_42_0114_1400.pdf
*2 気象庁 過去の気象データ検索(石川県)
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