「ハイパフォーマンススポーツ・カンファレンス2025」 開催報告

ハイパフォーマンスディレクターの資質や役割について深く議論　―次回は2026年11月28日（土）・29日（日） に開催予定―

テーマ：ハイパフォーマンススポーツ研究に基づく支援のメソッドに向けて

　日本スポーツ振興センター（JSC）が設置するハイパフォーマンススポーツセンター（HPSC）は、2025年12月10日（水）・11日（木）にHPSC（東京都北区）の味の素ナショナルトレーニングセンター・ウエストなどを会場として「ハイパフォーマンススポーツ・カンファレンス2025」を開催しました。両日ともに約180名の参加者と、合計26名の登壇者※のもと、HPSCにおける各事業の取り組み・知見の紹介、国内外のハイパフォーマンススポーツに関する情報・先進事例の提供等を行いました。（※サブ会場の発表者を除く）

　また、クロージングのご挨拶の中で、次回のハイパフォーマンススポーツ・カンファレンスの開催時期について2026年11月28日（土）、29日（日）を予定していることを発表しました。

開催概要

名　　称	ハイパフォーマンススポーツ・カンファレンス2025
会　　期	2025年12月10日（水）・11日（木）
会　　場	ハイパフォーマンススポーツセンター 味の素ナショナルトレーニングセンター・ウエストほか （東京都北区西が丘3-15-1）
開催規模	参加者約360名／登壇者26名／ポスター発表等40件／展示7ブース
主　　催	独立行政法人日本スポーツ振興センター
後　　援	スポーツ庁、公益財団法人日本オリンピック委員会（JOC）、公益財団法人日本パラスポーツ協会日本パラリンピック委員会（JPC）、公益財団法人日本スポーツ協会（JSPO）
協　　賛	トップパートナー：富士通株式会社 パートナー：大塚製薬株式会社／株式会社協栄／エームサービス株式会社／ 　　　　　　株式会社ニューロスペース
配　　信	2日目の様子は以下のウェブサイトにおいてオンデマンド配信を予定 （配信期間：12月24日（水）～1月末（予定））

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当日の様子

セッションに関する詳細情報はウェブサイトイベントページにてご確認いただけます。

1日目

第1部

・オープニングセッション「強化戦略プラン×スポーツ医・科学」　

　A会場　ハイパフォーマンスディレクターと考えるアスリート育成パスウェイの構築・活用

　B会場　ハイパフォーマンスディレクターと考える競技団体による「女性アスリート支援」

・サブ会場　ポスターセッション ①

第2部

　A会場　ハイパフォーマンスディレクターのためのHPSCリカバリー機能見学ツアー

　B会場　国際競技力向上に資する研究開発〜先端的スポーツ医・科学研究推進事業における大学の取り組み〜

オープニングセッションの様子　左から、尾崎、窪、飯塚

サブ会場（ポスターセッション）の様子

2日目

午前の部

シンポジウム① トータルコンディショニングのための知見共有「ハイパフォーマンススポーツ×宇宙」

・イントロダクション： 久木留 毅 （HPSC）

・基調講演： 室伏 広治氏（東京科学大学）「スポーツを通じて社会と世界の“善き未来”を創造する」

① 招待講演：速水 聰氏（国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構（JAXA））

　「宇宙飛行士の健康を支えるJAXA医療運用チームとその取組について～各分野エキスパート間の連携とフライトサージャンの役割～」

② 招待講演：笹原 信一朗氏（筑波大学）

　「有人宇宙活動におけるメンタルヘルスケア」

③ 話題提供：半谷 美夏（HPSC）　

　「国際総合競技大会におけるト―タルコンディショニング」

・サブ会場　ポスターセッション ②

　HPSC発特許のご紹介

　「スポーツ映像解析を支える技術開発 国立スポーツ科学センター発のカメラキャリブレーション手法」

午後の部

シンポジウム② トータルコンディショニングのための知見共有「ハイパフォーマンススポーツ×ハイパフォーマンススポーツ」

・イントロダクション

・話題提供

　　永友 洋司氏（日本ラグビーフットボール協会）

　　ミゲル・トーレス氏（日本自転車競技連盟）

　　平松 竜司氏（日本パラ陸上競技連盟）

・パネルディスカッション　

　「ハイパフォーマンス発揮のためのトータルコンディショニング」

・クロージング

左から、久木留、室伏氏、速水氏、笹原氏、半谷

左から、尾崎、清水、永友氏、ミゲル氏、平松氏

主催者コメント

　今回のカンファレンスでは、ハイパフォーマンススポーツ関係者、その中でも中心的な役割を担うハイパフォーマンスディレクター（HPD）、そしてHPDを目指す方々や支える皆様に向けて、その資質や役割について議論を深めることができました。

　1日目は、スポーツ医・科学の更なる活用について参加者を交えて検討するとともに、HPSCのハイパフォーマンススポーツ研究に基づく支援メソッドの一つとして最新のリカバリー機能をご紹介し、2日目は、トップアスリートと宇宙飛行士が競技環境・極限環境で発揮するパフォーマンスに焦点を当て、ハイパフォーマンススポーツ領域間での知見共有を通じて、競技現場での好事例や知見の蓄積を目指し、HPSCが推進するトータルコンディショニングをテーマにシンポジウムを開催しました。

　さらに、包括連携協定を締結している大学との連携による研究成果の共有や学生交流を通じ、HPSCが結節点となり、ハイパフォーマンススポーツ研究の発展と将来に向けた人材育成にも取り組みました。

　HPSCが支援するアスリートやチームは、世界の中で戦っており、それを支えるスタッフも世界レベルでの競い合いに適応する必要があると考えています。今後もこのような場を通じて、HPSCの取組やその成果を積極的に発信していきたいと思います。

　— [ハイパフォーマンススポーツセンター長／国立スポーツ科学センター所長　久木留毅]