ブロッコリースプラウトなどに含まれる「スルフォラファン」に風邪の症状を抑制する効果を確認
この研究は、医療法人社団盛心会タカラクリニック院長・高良毅先生らによるもので、スルフォラファンを8週間摂取することによって、全身倦怠感やくしゃみ、のどの痛みなどの風邪の症状が抑制されるという結果が明らかになりました。論文は、『Functional Foods in Health and Disease Vol 13, No 6(2023)』に掲載されました(https://www.ffhdj.com/index.php/ffhd/article/view/1089)。
村上農園は、今後もスルフォラファンの健康効果について研究を進めてまいります。
本研究の背景と目的
免疫機能は加齢とともに低下し、感染症や慢性疾患のリスクが高まることが明らかになっています。今後、世界的な高齢化社会を迎える中で、健康な免疫機能を維持することは疾病予防の観点から重要な取り組みといえます。特に風邪は、一般的には軽度な症状を呈するものですが、既往症を持つ者にとっては致命的な病気のきっかけになる可能性があります。
ブロッコリーやブロッコリースプラウトなどに含まれるスルフォラファンは、抗酸化作用や解毒作用、肝機能保護などさまざまな健康効果を示すことが確認されており、免疫系細胞である単球やマクロファージにおいて抗酸化酵素を活性化し抗炎症効果をもたらすなど、免疫に関する作用も複数報告されています。
そこで本研究では、ブロッコリー種子エキス由来のスルフォラファンが、健常な日本人成人の免疫機能及び風邪症状に与える影響を検証しました。
本研究の方法と結果
風邪をひきやすいと自覚している男女64名を、スルフォラファンの前駆体「スルフォラファングルコシノレート(以下 SGS)」を1日に100 mg摂取するスルフォラファン群とプラセボ群にランダムに割り付けました。8週間の摂取期間において、「全身倦怠感」「熱っぽさ」「くしゃみ」「のどの痛み」などの風邪の症状が1つ以上あった場合を風邪症状と定義し、風邪症状が現れた日数を評価しました。
その結果、参加者ごとの風邪症状の合計日数は、スルフォラファン群で平均12.1日、プラセボ群で平均20.2日と、スルフォラファン群が有意に少ない結果となり、スルフォラファンの摂取によって風邪の症状が抑えられる可能性が示唆されました。
用語解説
・スルフォラファン
ブロッコリーやブロッコリースプラウトなどのアブラナ科野菜に含まれる有用成分。体内の抗酸化酵素や解毒酵素の生成を促し、がんやさまざまな疾患への予防効果が期待されている。
・スルフォラファングルコシノレート(SGS)
スルフォラファンは植物組織中では前駆体のSGSの形で存在する。同じく植物組織中に含まれる酵素(ミロシナーゼ)との接触により加水分解されることでスルフォラファンが形成されるほか、ヒト腸内細菌によってもスルフォラファンに代謝される。
・ブロッコリースプラウト
発芽したばかりのブロッコリーの新芽。成熟したブロッコリーよりもスルフォラファンを高濃度に含み、品種によって2〜20倍以上になる。
・単球、マクロファージ
単球は白血球の成分の一種であり、感染に対する防御の開始に重要な細胞。単球が血管外の組織に移動するとマクロファージと名前を変える。
村上農園 会社概要
【設立】1978年1月
【代表者】代表取締役社長 村上清貴
【売上】89億8,300万円(2022年12月期)
【事業内容】ブロッコリー スーパースプラウト、豆苗などの高成分野菜や発芽野菜、マイクロハーブの生産・販売
【事業所】本社・研究開発部(広島)、生産センター(宮城、千葉、神奈川、静岡、山梨、三重、広島、福岡)、営業所(東京、愛知、大阪、広島、福岡)
【関連会社】株式会社沖縄村上農園(沖縄県大宜味村)
【加盟団体】一般社団法人 日本経済団体連合会(経団連)
【ウェブサイト】https://www.murakamifarm.com
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