フレクト、大手自動車メーカーとオペレーションズ・リサーチを活用したテスト車両のテストスケジュール自動作成の共同研究において実証実験に成功
※1 オペレーションズ・リサーチ:現象を抽象化した数理モデルを構築し、モデル分析に基づいて種々の問題、とりわけ意思決定問題の解決を支援する方法論や技法
■テスト車両の配車計画における課題について
共同研究を行っている大手自動車メーカーでは、新機種の開発において膨大なテストを行う為にテスト車両を数十台開発されています。テストスケジュールとは、そのテスト車両1台1台に、いつ、どんなテストを行うかを割り振った計画表の事を指します。
※イメージ図(実物とは異なります)
テストスケジュールを立案する際、各テストの制約条件が課題となります。例えば“衝突テストなど車にダメージが入るテストの後に他の車体テストができない”、“サスペンションテストとステアリングテスト等の走行系テストは連続で行う”等、テストの前後関係/依存関係の制約条件や、特定のバリエーション(同じ機種でも装備品の違い・2WD/4WDといった構造の違い等によりバリエーションが多数存在する)でなければテストができないケースがあります。あるいは、特定の設備を使うテストは一度にたくさんできないといったリソースの制約もあります。更に、部門間でテスト車両の受け渡す回数を最小限に抑えるといった制約条件を加味し、千項目にのぼるテストを期日までに終わらせる為に計画する作業は、ベテランのご担当者の方々が複数人がかりで数週間から1か月以上かかる作業となっていました。
また、次々と新技術が開発されていく中、テストの数も増大の一途を辿る事が明白で、テストスケジュールを立案する工数がさらに膨れ上がる事が予見されていました。
■オペレーションズ・リサーチによる課題解決の可能性について
前述の課題を解決する為に、オペレーションズ リサーチの数理最適化技術を応用するアプローチの有効性について共同研究をスタートさせ、テストスケジュールの自動作成の実証実験を行いました。
具体的には、テストスケジュールを立案される方々、各テストの実施を担われている方々にヒアリングを行いながら各種制約の定式化(制約条件)、より効率的と判断する為の指標の定式化(目的関数)を行い、job-shop scheduling※2問題をベースにモデリングし、Vehicle Routing Problem※3用のSolver※4を活用する事で解の探索を行うアプローチをとりました。
※2 job-shop scheduling:スケジューリング問題の1つで、各ジョブが2台以上の機械において、ジョブ毎に指定された順序で順次処理されるジョブショップにおいて各機械におけるジョブの最適処理順序を決定する問題
※3 Vehicle Routing Problem:デポ(depot)と呼ばれる特定の施設に待機する車両によって、顧客の需要を運搬(または収集)し、再びデポに戻る。このとき顧客の位置・需要量・作業時間, 利用可能な運搬車台数ならびに運搬車の最大積載量・最大稼働時間, 地点間の移動時間・移動距離・移動費用などが与えられたとき、総移動時間・総移動距離・総移動費用・必要な運搬車台数などを最小化する顧客訪問順(ルート)を求める問題
※4 Solver:モデリングされた問題を解くアプリケーション・ソフトウェア
※定式化イメージ(実際のモデルとは異なります)
■実証実験の結果と今後について
前述のモデリング及びSolverを使った実証実験(実際の機種の情報を使い、テストスケジュールを自動で作成)した結果、計画表としての精度は、ほぼベテランの配車担当者が作成した計画表と同等レベルの結果が、数時間の計算で得られました。
実務に耐えうる結果が得られた為、今後、全ての機種で活用していく為のアプリケーション開発を共同で進めていく予定です。
【会社概要】
本社: 〒105-0023 東京都港区芝浦1丁目1番1号 浜松町ビルディング11F
代表者: 代表取締役CEO 黒川 幸治
設立: 2005年8月
TEL: 03-5159-2090
事業内容:DX支援のプロフェッショナルサービス「クラウドインテグレーションサービス」、クルマと企業をつなぐドライバー働き方改革クラウド「Cariot(キャリオット)サービス」を展開
企業サイト: https://www.flect.co.jp
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