FromプラネットVol.142<歯の手入れに関する意識調査>
国内1,400社が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット (所在地:東京都港区、代表取締役社長:田上正勝)は消費財や暮らしにまつわるトピックスをお届けする 『Fromプラネット』 の第142号として、歯の手入れに関する意識調査の結果をご紹介します。未掲載のデータもご提供できますのでお気軽にお問い合わせください。
- 加齢とともに、歯の健康意識は高まっている
平成、令和で「歯の健康」「歯の美しさ」への注目度は年々アップしてきました。そんな中で、新型コロナウイルスの流行が起こりました。歯の手入れ、口元のケアには何か変化が起こったのでしょうか。今回はこの問題をテーマに調査をしてみました。
まず、「新型コロナウイルス流行前に比べて、あなたの衛生意識は変わりましたか」を聞きました(図表1)。「とても高まった」と答えた割合は女性が高く、その中でも若い世代よりも、70代以上の層の意識の高さが見られます。20代と比べると14ポイントも差があります。男性も70代以上の層が高い値を示しています。「アンチエイジングは歯のケアから」という現れなのか、先に書いた8020運動が浸透しているのかもしれません。それが新型コロナウイルス流行を機会にさらに深まったと思われます。
「口元ケアに関して、あなたのこだわりや、思うことがあれば教えてください」と質問して、自由に回答してもらっています。(以下、「自由回答」と記載されたものは、この設問に対する回答です)「いつまでも自分の歯で食事ができるようにケアしたい。」(女性・60代)、「加齢と共に歯の大切さを痛感していると共に、残存歯を維持する為に今まで以上に歯磨きの大切さを痛感している。又、歯の白さをとても気に掛けるようになった。」(女性・70代以上)、「今はやりの言葉、オーラルケアのごとく全身の疾患等は、口に起因していると感じるようになった。」(男性・70代以上)、という「アンチエイジングは口元ケアから」という考えがうかがえる回答が多数見られました。
- 高まる意識、変わらぬ行動
では実際に取り組みの変化は、新型コロナウイルス流行前(以下、「コロナ流行前」と記載します)と比べてあったのでしょうか。図表2と図表3を比較してみましょう。
「あなたは、マスクで口元が隠れることによって、口元もしくは歯のケア方法は変わりましたか」について聞きました(図表3)。図表2の質問では口元のケアは高まった傾向を示しましたが、この質問では、「マスクを着用しないときと変わらないケアをしている」(56.1%)が最も多く、次いで「元からあまり気にしていない」(25.2%)、「マスクを着用するときは気にしなくなった」(14.2%)、と続いています。「マスクを着用しないときより細かいケアをしている」(4.4%)と、より細かいケアをしている人は4.4%にすぎない事が分かりました。また、「元からあまり気にしていない」という回答が、男性34.2%、女性16.4%と大きな開きがありました。そして、図表2の設問では「薄れた」と答えた人が4.5%に対して、図表3の設問で「マスクを着用するときは気にしなくなった」と答えた人は14.2%となっています。意識と行動の間に差がある傾向が見てとれます。
自由回答を見ると「マスクをするようになってから、口紅は塗っていない」(女性・70代以上)、「歯のケアは丁寧にしている方だと思うが、口の周りのケアは非常に雑です。どうせ口元はマスクで隠れるし、お化粧をするとマスクが汚れるので基礎化粧品しか使っていない。」(女性・60代)、「特に拘ってケアはしていない」(男性・30代)のように気にしない人もいる一方で、「新型コロナウイルス感染症の流行が拡大してから、念入りに歯磨きをするようになった。」(女性・30代)、「歯医者に毎月かようになっただけ、将来の歯槽膿漏や周囲の口臭への違和感について気を遣うようになった方だ。コロナ禍までむしろ気にしていなかった。」(男性・40代)など、コロナ流行によって新たな実践をしている意見も多く見られました。
「口元のケアに対する意識を低めるアイテム」としてマスクは機能していないようにも見えますが、行動には明らかに影響を与えているようです。
- 女性は高い、歯の美意識
自由回答では「ホワイトニング効果のある市販のシートを購入して、ケアしている。」(女性・20代)、「口元のケアが気になり、ホワイトニング用と虫歯用の2種類の歯磨き粉を使い分けしている。」(女性・30代)、「美白と歯槽膿漏に効果のある歯みがきを使っている。毎日デンタルリンスを使用している。」(女性・50代)など、どの年齢層にも「歯の白さ」のためにケアをしている回答が、女性に多く見られました。
- 4人に1人は歯医者通いを控えている!
性別で見ると、女性の方が控える傾向が見てとれます。また「必要を感じるが行くのを止めている」と回答した方が8.1%いました。我慢できない痛みの人もいるはずです。自由回答を見てみましょう。「歯医者恐怖症だが、歯がボロボロな時、どうすれば良いのか知りたい。」(女性・40代)といった元から歯医者嫌いという回答もありましたが、「前歯が虫歯になったので治したいがお金がかかりそう。」(男性・50代)と、お金を気にして控えている人もいました。「歯茎が気になりだしたが、病院に行くことがコロナでためらっている。」(女性・60代)のように、感染防止の観点から控えている人もいるようです。
では、年齢、性別で同じ質問を見ていきましょう。(図表6)コロナ流行前より歯科医に通う回数が、男女ともに20代の若者に増えた傾向が目につきます。その一方で「必要を感じるが通うのを控えている」層も、20代が多く見られます。若者の意識の二極化が見てとれます。
- 喫煙と歯の美しさの関係は?
一方、紙タバコについて最も高いのは、「吸わない」(82.9%)でした。次いで「1日平均10~15本程度」(5.0%)、「1日平均16~20本程度」(3.6%)、「1日平均6~9本程度」(3.1%)と続いています。男女別に見ると、男性の約4人に1人、女性の10人に1人は紙タバコ愛好者のようです。では、喫煙と歯のケアの関係を自由回答から見ていきましょう。
「タバコとコーヒーを飲んで歯が茶色くなったから、タバコを減らしてコーヒーを飲むのをやめた。」(女性・20代)のように、歯の美しさから減煙という回答がありました。「コーヒーやタバコにより着色が非常に気になっているので、専用の歯磨き粉を定期購入している。」(女性・50代)、「昔にタバコを吸っていたのでホワイトニング系の歯磨きを使用している。」(男性・50代)など、歯磨き粉にこだわっている回答もありました。40年ほど前、まだ日本の喫煙人口が多かった時代には「ヤニ取り歯磨き粉」にカテゴライズされる商品が売れ筋ランキングの上位でしたが、現代では「ホワイトニング」「口臭予防」「歯周病予防」という商品がランキングの上位を占めています。(ヤニ取り歯磨き粉はランキング圏外でした。)また自由回答で目についたのは「電動歯ブラシ」の使用と、「マウスウオッシュ」「デンタルリンス」の使用でした。
時代とともに、歯のケアの考え方や方法は変わっていったようです。健康で美しい歯をいつまでも維持できるよう、努力していきたいですね。
● 2種類の歯磨き粉を使い分けている。他人と顔を合わせるとき、必ず相手の歯並びや色、歯茎のチェックをしてしまう。歯科大の知人・友人が居るので歯の情報は誰よりも詳しく自分自身も気を付けている。パートナーやパートナーの母親の歯のメンテナンスなど気を使っている。口腔内のメンテナンスは人一倍気を使っていると思う。(女性・50代) ● 一日一回は、泡の立たない歯磨き粉でゆっくり時間をかけて磨いている。フロスや歯間ブラシを使い歯の隅々まで綺麗になるようにする。マウスウオッシュはちょっと高いのを使用し殺菌効果の高い物を使う。(女性・30代) ● 最近歯茎がさがってきたことが悩み。以前は定期的に歯科に通い歯石取りとホワイトニングをしていた。その際に、小さな悩みや気づきも相談できたが、現在は不急なので通っていない。ホワイトニングはともかく歯石は気になるし、歯茎の痩せによりプラークがたまり歯周病になっているのではないか不安。 偏見になるが、歯並びが異常に悪いのに治療していない人は貧しそうなイメージがある。(女性・30代) ● 自分は若い頃から、そんなにこだわりはなく、その重要性も年齢を重ねる事に意識は薄くなって来て現在に至ってる。そう思います。いきなり始めたところで現状維持だと思っているので、今思えば若い時から、そういう意識を持てて、しっかりとケアする事を、習慣に出来れば良かった。そう思います。(男性・50代) ● 80歳にして全て自分の歯で、ケアも寝る前に1回歯を簡単に磨くだけで、こだわりは全くありません。ただ、口内炎は頻発して困っています。発症部位は決まって、上下の唇の内側で、皮膚科等に通院し投薬を受けました。その服用・塗布効果は自然治癒とほとんど変わらないため、通院はしていません。(男性・70代以上) |
調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「歯の手入れ」に関する意識調査を実施。
期間:2020年8月31日~9月2日、インターネットで4,000人から回答を得ています。
株式会社プラネットとは https://www.planet-van.co.jp/
メーカー、卸売業、小売業がサプライチェーンとして連携し、生活者へのサービス向上を目指して進化を続ける日本の消費財流通を、情報インフラ運営で支えている上場企業(証券コード2391)です。
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