障害のある作家の才能を社会に放つ「HERALBONY GALLERY」、第3回原画展「岩瀬俊一展」を8月7日より開催
〜やまなみ工房の作家が描くアール・ブリュット作品を展示販売、芸術鑑賞を通じた「障害」のイメージ払拭へ〜
株式会社ヘラルボニー(以下、ヘラルボニー)は、障害のある作家の才能を披露するアートギャラリー「HERALBONY GALLERY」(岩手県盛岡市)にて、第3回目となる原画展「岩瀬俊一展」を8月7日より開催いたします。当展では「やまなみ工房」(滋賀県甲賀市)に在籍するアーティスト、岩瀬俊一(いわせ・しゅんいち)が描いた実物の原画作品を展示します。今回展示する作品群の内、8作品をギャラリーと当社のECサイトで販売いたします。
- ギャラリー発足・原画展開催の背景
ヘラルボニーは「障害のある人が生み出すものの価値は低い」という社会に残存する負のイメージを払拭したいという想いから「アート」というフィルターを通じて、作家個々人へのリスペクトが生まれる空間創出として「HERALBONY GALLERY(ヘラルボニーギャラリー)」を4月25日に開設しました。
当ギャラリーの特色は、アーティスト「個人」に焦点を当てた企画展の周期開催と、原画作品の売買取引を可能とし、販売価格の40~50%が作家に還元される仕組みを導入している点にあります。
ヘラルボニーは、当ギャラリーの運用を通じて、障害のある人が描いた作品の市場価値を高め、障害の有無に関わりなく、才能のあるアーティストが正当に評価される社会の実現を目指します。
- 概要
作 家:岩瀬 俊一(Shunichi Iwase)
会 期:2021年8月7日~9月12日(8月28日より一部作品を入替して展示予定)
時 間:12:00‐19:00
定休日:水・木 ※会期終了後、展示入替期間のため1週間ほど閉廊予定
会 場:岩手県盛岡市開運橋通2‐38@HOMEDLUXビル4階
入場料:無料
主 催:株式会社ヘラルボニー
協 力:やまなみ工房(滋賀県甲賀市)
- 岩瀬俊一展の見どころ
岩瀬は長年、細い水彩ペンのみを用いて、動物や植物などのモチーフを独自の装飾性で緻密に描いてきました。その殆どがモノクロームで禍々しいイメージでしたが、近年では色鉛筆が画材に加わり、より色鮮やかで温度のある世界観に変化しています。今回の企画展では、会期を前半と後半で、一展示作品の入替を予定しております。世界に通じる実力を持った、日本全国の作家を、岩手から発信していく。地元に根差しながら、遠く射程を構える「HERALBONY ART GALLERY」の第3回企画展。岩瀬俊一の手がける想像力豊かでエキゾチックな世界に、是非耽溺してください。
- アーティスト・作品紹介
作品名:「ちょうちょ」(2016)
黒い背景に対して、的確にモチーフを表したシルエットが浮かび上がっている。だがその中に描かれた模様は、あまりにも平面的・装飾的で、そのギャップが岩瀬作品に一貫する魅力となっている。この作品は特にそれが顕著であり、グロテスクなまでに全身模様だらけの蝶々が、一斉に空を飛んでいる。これは蝶々には違いないのだろうが、「ちょうちょ」という可憐で無害な語感はかけ離れた、全くの別の生物だ。蝶は南極などを除いたほぼ全ての陸上環境に存在するという。過酷な環境にも貪欲に適応する、種としての蝶の禍々しさが見えてくるようだ。
作家:岩瀬 俊一(Shunichi Iwase)
所属:やまなみ工房(滋賀県甲賀市)
1973生まれ。滋賀県在住。2008年から『やまなみ工房』に所属。
ペンを用いて人物や動物等、モチーフが決まると彼独自の視点で余白を余すことなく、紙面全てにゆっくりと描きこんでいく。彼の内向的で真面目な性格が作品にも反映され描く線の一つひとつがとても丁寧で、まるで細い糸が絡み合っているかのように繊細に描かれる。日常では、ほとんど言葉も発することなく意見を求めても、顔を赤らめながら、か細い声で一言口にする程度しかない彼の作品からは、内に秘めた思い全てが放出され、訴えかける力強さに満ち溢れている。彼もまた自己を表現する術を作品制作に見出したひとりであり、これからも彼の世界観は大きく広がっていくだろう。
作家からのコメント
「作品が展示されて嬉しい。もし絵が売れたら旅行に行きたいです。」
(※7月28日 弊社実施の作家インタビューより)
ヘラルボニーは、今後も日本全国の障害のあるアーティストの才能の発信を進めてまいります。
以上
【株式会社ヘラルボニー概要】
「異彩を、 放て。」をミッションに、 福祉を起点に新たな文化を創ることを目指す福祉実験ユニット。日本全国の障害のある作家とアートライセンス契約を結び、2,000点以上のアートデータを軸に作品をプロダクト化するアートライフブランド「HERALBONY」、建設現場の仮囲いに作品を転用する「全日本仮囲いアートミュージアム」など、福祉領域の拡張を見据えた多様な事業を展開。社名「ヘラルボニー」は、知的障害がある両代表の兄・松⽥翔太が7歳の頃に⾃由帳に記した謎の⾔葉。そのため「ヘラルボニー」には「⼀⾒意味がないと思われるものをの世の中に新しい価値として創出したい」という意味を込めている。
会社名:株式会社ヘラルボニー / HERALBONY Co.,Ltd.
所在地:岩手県盛岡市開運橋通2-38
代表者:代表取締役社長 松田 崇弥、代表取締役副社長 松田 文登
公式サイト:
https://www.heralbony.jp
https://www.heralbony.com
【社会福祉法人やまなみ会・やまなみ工房 概要】
滋賀県甲賀市に所在する障がい者福祉施設。1997年に開設されて以来、30年にわたって表現・芸術活動に注力している。その取り組みは全国でも珍しく、実践や実績において今日では国内の障害者芸術を牽引し、日本の代表的な作家や作品を多く輩出。現在約90名の作家が在籍し国内外の様々な分野から高い評価を得ている。
所在地:滋賀県甲賀市甲南町葛木872
代表者:やまなみ工房施設長 山下完和
公式サイト:a-yamanami.jp
【HERALBONY GALLERY 概要】
株式会社ヘラルボニーが岩手県盛岡市にオープンしたアートギャラリー。「どこよりも強烈な異彩を放つ場所」をコンセプトに、アーティスト個人にフォーカスした原画展を企画・開催。日本全国の障害のある作家の才能を発信することで「障害」のイメージの払拭に挑戦する。あえて地方都市にアート空間を構えることで、地域の福祉領域をカルチャー化させる「アートローカルハブ」を目指す。
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