〈2025年度第3回 中小企業経営実態調査〉中小企業支援制度「わかりやすい」は1割強 支援制度を理解している層では活用意向7割超※ 認知・理解度が活用を左右

フォーバル GDXリサーチ研究所

 Green(グリーン)とDigital(デジタル)を活用した中小企業の変革を目指すフォーバル GDXリサーチ研究所(本社:東京都渋谷区、所長:平良学)は、中小企業を対象にした「2025年度第3回 中小企業経営実態調査」を実施しました。

※「IT導入補助金」について「活用している・活用したことがある」、「今後の活用を検討している」の回答割合

 春闘の活発化により賃上げ圧力が高まる中、中小企業においても賃上げ対応が大きな経営課題となっています。連合は2026年春季生活闘争において、2月5日に「闘争開始宣言」中央集会を開催するなど、交渉が本格化する日程を示す中、中小企業の経営者の間では「賃上げ疲れ」という言葉も聞かれるようになっています。人材確保のためには賃上げが不可避である一方、原材料費高騰や人手不足が続く中で、利益を確保しながら賃上げを実現することは容易ではありません。こうした状況下で、補助金・助成金などの中小企業支援制度は、売上拡大や業務効率改善を後押しする重要な経営資源になり得ます。実際に国も、各都道府県の「よろず支援拠点」内に2026年4月1日から「生産性向上支援センター」を設置し、中小企業等の生産性向上を“伴走”で支援する体制を強化する方針を示しています。しかし、支援制度を“使いこなす”ためには、制度情報をどこから得て、どの程度理解できているかが重要になります。今回、こうした背景を踏まえ、中小企業支援に関する情報(補助金・助成金等)の入手先や認知状況、活用意向などに関する調査を実施しました。

【調査結果サマリー】

①支援制度を「わかりやすい」と感じる企業は1割強

 制度は存在していても、多くの企業にとって理解の壁が高い実態が明らかに。

②積極的に支援情報を探す企業は約1割 

 結果として約半数が外部専門家経由で情報を入手。

③理解が進むほど支援制度の活用意向は上昇 

 制度内容を理解している企業では活用意向が7割超。

【アンケート概要】

・調査主体   :フォーバル GDXリサーチ研究所

・調査期間   :2025年11月11日~2025年12月12日

・調査対象者    :全国の中小企業経営者

・調査方法   :ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析

・有効回答数    :1,570人

本リリースの調査結果をご利用いただく際は、必ず【フォーバル GDXリサーチ研究所調べ】とご明記ください。

Q1.中小企業支援に関する情報の分かりやすさ(n=1,570)

 2026年春闘が本格的にスタートし、中小企業の賃上げを加速させるため、福岡県では、経営革新計画に基づく「新事業活動」に必要な経費を補助する「福岡県中小企業経営革新・賃上げ緊急支援補助金」を実施、また山梨県は県内企業の設備投資や改修に必要な費用を助成する方針を固めるなど、各地方自治体等支援策が拡大されています。

 実際に中小企業の経営者に中小企業支援に関する情報(補助金・助成金等)の分かりやすさについて問うと、「非常に分かりやすい」と回答した企業はわずか1.5%であり、「分かりやすい」の12.4%と合わせても13.9%にとどまる結果となりました。一方、「非常に分かりにくい」の20.1%、「分かりにくい」の27.3%の合計は47.4%と約5割の企業が支援制度についての情報について分かりにくいと感じていることが明らかになりました。

 中小企業向けの補助金・助成金等に関する情報は、情報発信元の多様性に加え、その対象や要件の複雑さも重なり、企業側から情報にアクセスすることを難しくしていると考えられます。また、アクセスできたとしても説明内容が細かく、自社に申請資格があるのかを自ら判断しなければならないことは企業側の負担になると思われます。

 国や自治体などによるポータルサイトでの一元化、また専門家の助言などを参考にしながら、中小企業がこうした支援内容にアクセスしやすいインフラの整備・拡充が期待されます。

Q2.中小企業支援に関する情報について(n=1,570)

Q3.中小企業支援に関する情報の入手先(n=1,235)※複数回答可

 中小企業向けの支援に関する情報を、中小企業自身はどのように探しているのかを問う設問では、「積極的に情報を探している」と回答した企業は12.6%にとどまり、能動的に情報収集を行っている企業は少数派であることが分かりました。一方で、「必要に応じて探している」(33.9%)、「情報が入ってきたら目を通す」(32.2%)が多数派であることから、多くの企業が受動的な情報接触に依存している実態が明らかになりました。さらに「情報収集はしていない」と回答した企業も21.3%に上りました。

 

 中小企業支援に関する補助金・助成金等の支援制度は多岐にわたり、かつ内容が複雑なため、中小企業経営者にとって日常業務の中で継続的に情報を収集するのは負担が大きいのが実情だと考えられます。

 また、そうした中小企業支援に関する情報の入手先について問うと、「外部の専門家(税理士・中小企業診断士・行政書士・コンサルティング会社など)」が49.7%で最も多く、2番目に多い「新聞・業界紙・ビジネス雑誌・Webニュース等」の31.4%とは大きく差が開く結果となりました。

 この結果から、支援制度の活用は自力探索よりも、“内容をかみ砕いてくれる存在”への依存度が高い構造にあると考えられます。中小企業支援に関する補助金・助成金は多岐にわたり、制度内容の理解には専門知識が求められるケースも少なくありません。そのため、専門家が“翻訳者”として機能している一方で、専門家との接点を持たない企業ほど制度活用の機会を逃しやすい可能性も考えられます。

Q4.中小企業支援に関する認知度・理解度(n=1,570)

Q5.中小企業支援に関する活用意向

 毎年度中小企業に提供されている補助金を4つ、助成金を3つ抽出し、それぞれの認知・理解状況についてを調査しました。「知っており、内容も理解している」の回答が最も多かったのは「IT導入補助金」(43.2%)、さらに「キャリアアップ助成金」(34.2%)、「事業再構築補助金」(30.6%)と続きました。デジタル化の推進や人材支援など、多くの中小企業に共通する課題に対応する補助金・助成金については認知・理解度が相対的に高いことが明らかになりました。

 一方、その結果が相対的に低かったのは、育児や介護などとの両立を図る「両立支援等助成金」(9.2%)、財務課題解決に向けた計画作成を支援する「経営改善計画策定支援(通称:405事業)」(8.0%)です。

 

 具体的な支援ごとに見ても、内容まで理解されている補助金・助成金は一部に限られており、代表的な制度であるIT導入補助金でさえ内容を理解している企業は半数に満たないことがわかります。

 各補助金・助成金について「知っており、内容も理解している」と回答した企業に対し、当該補助金・助成金の活用意向について聞いたところ、「知っており、内容も理解している」と回答した企業が最も多かった「IT導入補助金」については、そのうちの42.0%が「活用している・活用したことがある」と回答し、「今後の活用を検討している」も含めると71.2%が活用意向を示す結果となりました。同様に、認知・理解が進んでいた「キャリアアップ助成金」の活用意向も、その合計が73.9%となりました。

 内容を理解している企業に限って見ると、多くの補助金・助成金で過半数が活用意向を示しており、制度そのものへの関心は決して低くないことが分かります。内容を認知し、理解が進めば活用する企業も増えると言えるでしょう。

 また、全体的に補助金よりも助成金の方が、活用意向がやや高い傾向でした。補助金が国や自治体の政策に沿った事業に対して行われる、事業性が強い支援であるのに対し、助成金は主に雇用や労働環境に重点を置いているため、そうした支援内容の性質の違いがこの結果に表れている可能性があります。

フォーバル GDXリサーチ研究所所長

平良 学(たいら・まなぶ)

 

■経歴

1992年、株式会社フォーバルに入社。九州支店での赤字経営の立て直し、コンサルティング事業の新規立ち上げ、

全体統括を経て、2022年に新たに発足した中立の独立機関「フォーバルGDXリサーチ研究所」の初代所長に就任。

中小企業経営の実態をまとめた白書「ブルーレポート」の発刊、全国の自治体と連携し、地域の中小企業経営者に向けたDX、GXの講演、中小企業経営者向けのイベントの企画などを通じて、中小企業のGDXを世に発信している。

■コメント

 本レポートでは、中小企業支援に関する情報(補助金・助成金等)の入手先や認知状況、活用意向などに関して調査しました。自ら積極的に情報を探している中小企業は12.6%にとどまり、多くの企業は必要に応じて、または情報が入ってきたら目を通す程度の意識であるという結果になりました。

 こうした中小企業支援に関する情報については、約半数の企業が分かりにくいと感じていること、一方で支援内容について認知し、理解している企業の場合、活用意向が高いこともわかりました。

 賃上げ圧力が高まる中、売上拡大や業務効率改善を実現するためには、支援制度を戦略的に活用できるかどうかが企業の競争力を左右する時代になっています。制度を“知っている”だけではなく、“使いこなせる状態”にすること。その橋渡しを担う伴走支援の役割は、今後さらに重要になるでしょう。

■フォーバル GDXリサーチ研究所とは

 日本に存在する法人の99%以上を占める中小企業。この中小企業1社1社が成長することこそが日本の活力につながります。中小企業が成長するための原動力の1つにGreen(グリーン)とDigital(デジタル)を活用し企業そのものを変革するGDX(Green Digital transformation)があります。

 フォーバルGDXリサーチ研究所は、中小企業のGDXに関する実態を調査し、各種レポートや論文、報告書などをまとめ、世に発信するための研究機関です。「中小企業のGDXにおける現状や実態を調査し、世に発信する」をミッションに「中小企業のGDXにおいてなくてはならない存在」を目指し活動していきます。

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会社概要

株式会社フォーバル

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URL
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業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区神宮前 五丁目52番地2号 青山オーバルビル14階
電話番号
03-3498-1541
代表者名
中島 將典
上場
東証スタンダード
資本金
41億円
設立
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