FromプラネットVol.143<食生活と秋の味覚に関する意識調査>

プラネット

 国内1,400社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット (所在地:東京都港区、代表取締役社長:田上正勝)は消費財や暮らしにまつわるトピックスをお届けする 『Fromプラネット』 の第143号として、食生活と秋の味覚に関する意識調査の結果をご紹介します。未掲載のデータもご提供できますのでお気軽にお問い合わせください。

 
  • 食事は“外食”から“自宅”に回帰
 「実りの秋」を迎え、さまざまな味覚を楽しめる季節になりました。新型コロナウイルスの影響で、思うように外出できない状況が半年余り続き、“食”を取り巻く環境は大きく変わりました。そこで今回は「食生活」をテーマにアンケートを実施、コロナ下での食生活の変化を探りました。
 まず、コロナ前後で【食事の場所】がどう変わったかを聞きました(図表1)。その結果、「自宅での食事」が増えた(非常に増えた+少し増えた+コロナを機に利用・実施、以下同)人は46%に。性別で増えたと答えた人は女性51%、男性40%と、女性のほうが多いのは意外ですね。一方で「外食」が減った(少し減った+非常に減った+コロナを機に利用・実施しなくなった、以下同)人は63%でした。コロナを機に、食事が“自宅回帰”したことがわかります。
では、自宅で食事をする回数が増えた理由としては、どういったことがあるのでしょうか。図表2で結果をみると、「外食を控えているため」が7割超と最多、次いで「外出を控えているため」が約6割となりました。「外出はしても、食事は家に帰ってから」という人が増えたのでしょうか。また、「在宅勤務や遠隔授業などで家にいることが増えた」も4分の1に。男女差をみると、「外出を控えているため」「節約のため」「ストックしている食品を消費するため」は女性が、「在宅勤務などで家にいることが増えたため」は男性が特に高い結果となりました。
さらに年齢別でみると、20代では全体に比べて「在宅勤務などで家にいることが増えた」「節約」の比率が高く、逆に「外食」「外出」を控えている人は低率になりました。他の年代に比べて活動的なためでしょう。意外にも同じ傾向を示したのが50代。子育てがひと段落したことも一因にあるのかもしれません。一方で、70代以上では「外食」「外出」を控えている人は全年代で最も高い一方で、「節約」は1割強と最低に。コロナ対策を強く意識して外出・外食を控えるかわりに、自宅での食事を充実させているのかもしれません。

 

  • 4割が“料理・自炊が増加テイクアウト” “デリバリーも浸透
 コロナを機に自宅での食事機会が大幅に増えたなか、どのようなものの利用・実施が変化したのでしょうか(図表3)。自宅で食事をする場合、“自分で料理する(自炊)”か、“外部から食事を調達する(中食)”のいずれかになります。自炊と中食に関連する項目の増減をみると、「料理、自炊」が増えた人は約4割に。一方で、【中食】のなかでは4分の1の人が「テイクアウトの利用」が増えたとし、ほかの項目でも利用が増加した人は1割を超えました。自炊を増やしつつ中食も活用し、自宅での食事を充実させている様子がうかがえます。ここで注目したいのが、「テイクアウト」と「デリバリー・出前」以外の項目で、利用・実施頻度が(コロナ前と)変わらないと答えた人が半数以上であること。コロナというインパクトの大きい出来事があっても、食事に関する行動様式は大きくは変化しないということなのでしょうか。
 【料理・自炊】について詳しくみてみましょう。料理・自炊の増減を性年齢別にみると、40代の51%を筆頭に30~50代女性で増えた人が突出している一方、男性は全年代で全体値を下回っています。家族の在宅が増えたことで食事の準備の負担がこの年代の女性に一気に押し寄せた、と言えます。日々3回の食事を全て一から料理する負担は小さくありません。それを反映してか、料理の際にコロナ後に利用・実施が増えたものとして(図表4)、16%が「レトルト食品やチルド食品、冷凍食品」を挙げています。その一方で、「レシピサイトの閲覧・利用」や「作ったことのないレシピ」もほぼ同率であることから、手軽さや時短を求める人と、“おうち時間”が増えたことを利用して新しい料理に挑戦する人も同じくらいいたと推測できます。
 コロナで注目されている【テイクアウト/デリバリー・出前】の利用状況を住環境別にみると、増えた人は都市部でそれぞれ26%、17%と高い一方で、その他は全体より低位にあります。特に人口が集中する都市型のサービスであるデリバリーは住環境によるアクセス差が大きく、それが調査結果にも表れていると言えそうです。
 さらに、どんな料理でテイクアウトやデリバリーを利用するかも聞いたところ(図表5)、テイクアウトは「チェーン店のファストフード」、デリバリーは「チェーン店のピザ」がそれぞれ2位以下を大きく引き離してのトップに。いずれも女性の利用が半数超となっています。全般的に、店舗数が多くサービス網が充実しているチェーン店系の食事が上位を占めていますが、デリバリーでは「個人店」の「寿司」「ラーメン」といった昔ながらの“出前”がランクインしたのが興味深いですね。

 

 

 
  • 若年層も含め外食頻度は激減
 図表1で示したように、コロナ後に外食を控える傾向が鮮明になったことから、コロナ前後の外食頻度の変化を聞いてみました(図表6)。コロナ前には30%の人が「週に1回以上」外食していたのが、コロナ後は14%に半減。一方で、「月に1回未満」が16%→27%、「全く利用しない」も9%→24%に急増。図表2で自宅での食事が増えた人の7割超が「外食を控えているため」としたことも納得できますね。
 現在の外食頻度を男女別にみると、月に複数回外食している人の比率は男性33%に対し女性は25%に。女性は「全く利用しない」人も25%にのぼることも勘案すると、現状下での外食に慎重だと言えます。年代別では、20代と30代で最多なのが意外にも「全く利用しない」に。リモート勤務などで、“自宅で食事”に切り替えた人が多いのでしょうか。
 さらに、外食に対する現在の考えを聞いたところ(図表7)、ここでも「外食したいが控えている」が31%と最多で、特に女性では4割近くにのぼりました。「コロナが収束するまでは外食したくない」「外出や出勤した時は仕方なく外食している」がともに15%超であることと合わせると、外食に対して慎重な姿勢がここでもうかがえます。一方で、「店の感染対策はあまり気にしていない」という鷹揚な向きが15%、「外食は馴染みの店を応援する意味合いが大きい」とした人も13%にのぼりました。10月から始まった「Go Toイート」キャンペーンによる需要喚起で、外食に慎重な態度を示す人がどれくらい重い腰を上げるのか、注目したいところです。

 

 
  • “秋を感じる味覚”は果物
 コロナ自粛が半年余り続き、「コロナ疲れ」という言葉も聞かれます。そんな自分をいたわるのに味わいたい秋の味覚を聞いてみたところ(図表8)、「梨」と近年人気の「ぶどう・マスカット」の果物勢がワンツーフィニッシュ。以下、「サンマ」「栗」「新米」と続き、10位内に4種の果物がランクインしました。
 女性が好きな秋の味覚は「いもくりなんきん」と言われますが、女性の順位をみると、栗3位、サツマイモ4位、かぼちゃ8位(全体では11位)と、この通説どおりの結果に。一方で、サンマやうなぎ、松茸といった“おかず系”の味覚は男性の支持を集めました。
 今回の結果から、“新米のご飯に、おかずはサンマ、食後に梨やマスカット、栗やさつまいもを使ったスイーツ…” そんなメニューが理想的な秋の食卓となりそうです。

 

 
  • 新たな“食”への挑戦…発見も多い
 最後に、コロナ下で食生活や食事に対する考え方の変化や感じたことなどを教えてもらいました。外食に行きたいが控えている状況を嘆く声が聞かれた一方、テイクアウトやデリバリーを楽しんだり料理に挑戦したりする人も多く見受けられました。行きつけの店でのテイクアウトや、販売先がなくなった地方食材のお取り寄せといった手段で、苦境の飲食店や生産者の応援・支援も。美味しい食事で活力を得て、コロナ疲れを跳ね除けたいですね。

 

  • 《 新型コロナ感染拡大以降の食生活に関する意識や行動の変化 》

【料理に目覚める!】
● 以前はインスタント食品を週5くらい食べていたが、感染拡大後は豚肉の生姜焼きや酢豚など主に肉料理を自分で作るようになった。自炊した方がおいしく、味付けを工夫したりして料理自体も楽しめている。(男性・20代)
● 自宅で料理をすることが増えて、料理が苦手だった私もネットレシピを参考にしたりしてレパートリーが増えて少し楽しくなってきた。子供の離乳食も面倒の一言だったが、料理の腕前が少し上がったことで楽しみを見出せた。(女性・30代)

【テイクアウトやデリバリーを活用】
● 地元の店でテイクアウトを頼むようになった。はじめて食べて、地元にこんなおいしい店があるんだなぁ、と改めて感じた。(女性・30代)
● デリバリーに抵抗があったけれど、実際に利用してみたら出来たてでなくても十分においしかったので、近いうちにまた頼みたいと感じた。(女性・30代)

【やっぱり外食したい】
● テイクアウトが増えたのは良かったが、外食は気分転換になるし早く行える環境になって欲しい。(女性・20代)
● 今はまだ気軽に外食しようとは思わないが、毎日自炊して自分の作ったものばかり食べていると飽きるので、たまには他人が作った美味しいものを食べたい。(女性・50代)

【在宅が増えて…】
● すべて家で食べているのだが、同じような食材ばかりでマンネリ化が進んでいる。その割に運動不足も重なって、どんどん体重が増えている。想像以上に食生活や生活習慣が崩れてしまった。(男性・40代)
● 子供の学校がオンライン授業の日もあり、昼食を用意する日が増えました。どうしても麺類が多くなってしまいました。一方利点としては、子供と手作り料理を一緒に作る時間ができたことです。(女性・40代)

【“食”で応援も】
● 販売予定のなくなった地方の食品を割引価格で販売しているので、この機会に少し高級な食品(肉類)を取り寄せて味わってみた。こんな機会がなければ購入しなかったと思うので、良い経験だった。(女性・60代)
● よく利用していたお店が突然閉店してしまったり、近所に新しくできたばかりのお店もいつの間にか閉店していたり、ショックでした。お気に入りの店がなくならないように、時々外食を楽しんで応援したい。(女性・30代)

調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「食生活と秋の味覚」に関する意識調査を実施。期間:2020年9月14日~17日、インターネットで4,000人から回答を得ています。


株式会社プラネットと https://www.planet-van.co.jp/ 
メーカー、卸売業、小売業がサプライチェーンとして連携し、生活者へのサービス向上を目指して進化を続ける日本の消費財流通を、情報インフラ運営で支えている上場企業(証券コード2391)です。

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東京都港区浜松町1丁目31番 文化放送メディアプラスビル3階
電話番号
03-5962-0811
代表者名
田上 正勝
上場
JASDAQスタンダード
資本金
4億3610万円
設立
1985年08月