地域政策学部地域づくりコースの教員２名が「2023年度グッドデザイン賞」を受賞！【島根県立大学】

平井講師・村岡講師が2つのプロジェクトでそれぞれ受賞

公立大学法人島根県立大学

2023年10月6日 16時36分

島根県立大学（法人本部：島根県浜田市）は、公益財団法人日本デザイン振興会主催の2023年度グッドデザイン賞において、「石見銀山まちを楽しくするライブラリー」、「福津市こどもの国：子育てサービスマップ、子育て支援ガイドブック、アプリ、市ウェブサイト」の2つのプロジェクトが受賞しましたのでお知らせいたします。

【受賞内容】石見銀山まちを楽しくするライブラリー

〈本学の受賞者〉

地域政策学部　地域づくりコース　平井俊旭講師（プロデューサー・ディレクター・デザイナー）

〈概要〉

大田市大森町にオープンした島根県立大学・島根県立大学短期大学部サテライトキャンパス。地元企業の中村ブレイス株式会社が古民家再生活動のひとつとして旧商家の屋敷を改装し、本学と共に運営している。学生が実践の学びの場として使用するとともにライブラリー、カフェ、コワーキングスペースとして一般の方も利用できる。

〈取り組み〉

大学が使用する単なるサテライトキャンパスではなく、地域住民や観光客が利用できるライブラリー、カフェ、コワーキングスペースとして学生が主体となり運営。本の選書やカフェ運営、HPやグラフィック、地域の方との交流イベントなど企画・運営そのものを実践の学びとして行っている。また健康教室や読書会など地域の方へ向けた教職員の地域貢献や研究活動の拠点としても利用が広がっている。

（参考）過去のプレスリリース

URL（https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000088950.html）

審査員コメント（審査委員の評価原文）

かつて石見銀山の集落の賑わいは、こんな風景だったのだろうか。秀逸な内部のインテリアで、外部の賑わいを現代的に創出した傑作だろう。町並みを忠実に再現したのではなく、ライブラリーの書棚の楽しさの演出によって、地域の人々を惹き付けているのではないか。過去の切り売りではない、未来志向の取り組みと見事な空間創出を高く評価したい。

【受賞内容】福津市こどもの国：子育てサービスマップ、子育て支援ガイドブック、アプリ、市ウェブサイト

〈本学の受賞者〉

地域政策学部　地域づくりコース　村岡詩織講師（ディレクター）

〈概要〉

福岡県福津市は、市民や大学との共創により「福津市こどもの国」として市民にわかりやすい子育て行政サービスを目指している。本プロジェクトでは、多忙で不安の多い保護者の視点から既存のサービスの届け方を見直し、再構築した。具体的には、複雑な子育てサービスの全体像がわかる「子育てサービスマップ」、詳細がわかる「子育て支援ガイドブック」、市の「ウェブサイト」と「子育て支援アプリ」の相互利用性の向上と、保護者の心理面に寄り添うグラフィックデザインを行なったものである。

〈取り組み〉

本件は、九州大学大学院と福津市の共同研究に本学の村岡講師も共同研究者として関わったものである。複数ある子育てサービスを情報デザインの視点から子どもの年齢とカテゴリで分類し、一枚にまとめた「サービスマップ」を開発し、それを基軸として他のアナログ媒体とデジタル媒体の情報とのデザインの統合ならびにユーザビリティの向上を図った。また、子育てに対する孤独や不安、相談への躊躇といった保護者の心理面に寄り添い、理想の家族を描かないグラフィックや相談のハードルを下げるための例示の掲載、担当職員との顔の見える関係づくりを図るための名前シールの付属などを行なっている点に独自性がある。村岡講師は、保護者向けのワークショップや全体の情報デザインをディレクションしている。

審査員コメント（審査委員の評価原文）

本案件はデザイン開発のプロセスでインクルーシブな開発を行い、子育てを不安に思う市民の立場への理解を深め、行政が市民に寄り添って支援する仕組みと姿勢がよく伝わる内容になっている。インクルーシブなプロセスの成果として、子育て当事者の心理をリアルに掴み、その結果表現に対する細やかな配慮を行うことで、目標達成の質を高めている点を評価した。また、市役所の職員へデザイン研修を行うことで、デザインへの理解とデザイン導入を自分ごと化してもらう活動は、行政サービスの視点のブレを防いで継続するには重要な点として期待している。本案件はツール制作のデザインに留まらず、行政の人材育成まで広い概念で行われている。九州大学がこれまで行ってきた海外の大学との行政研究や、福津市との共同研究といった継続的な広義のデザイン研究の上に成り立っていることも含めて、価値がある取り組みと捉えている。

グッドデザイン賞について

1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を継承する、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動です。国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、暮らしの質の向上を図るとともに、社会の課題やテーマの解決にデザインを活かすことを目的に、毎年実施されています。受賞のシンボルである「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く親しまれています。 http://www.g-mark.org/