〈2025年度第4回 中小企業経営実態調査〉DX実践企業の6割が「業績向上」を実感。人手不足・コスト高騰が続く中、経営課題解決へ向けた「外部専門家やコンサルタント」の活用が急務
Green(グリーン)とDigital(デジタル)を活用した中小企業の変革を目指すフォーバル GDXリサーチ研究所(本社:東京都渋谷区、所長:平良学)は、中小企業を対象にした「2025年度第4回 中小企業経営実態調査」を実施しました。

深刻な人手不足やコスト高騰が続くなか、中小企業経営において持続可能な成長と競争力確保に向けたDX、GX、ESG経営への関心が一層高まっています。これらの取り組みは、持続可能な経営や競争力確保、差別化に向けて有効だと捉えられています。日常的な事業活動と並行して取り組むことは負担になる側面がある一方で、中長期的な効果を見越し、戦略的に導入を進める企業が増えているのです。
本レポートでは、経済産業省が定義する「データとデジタル技術によるビジネスモデルや組織文化の変革」としてのDX※に焦点を当て、中小企業における取り組みの進捗、効果や課題、今後の展望を明らかにします 。
https://www.meti.go.jp/press/2024/09/20240919001/20240919001-1.pdf
【調査結果サマリー】
①DXの認知・実施ともに約6割で横ばい。普及は「足踏み状態」
認知度・実施率ともに前年同期から大きな変化はなく、中小企業全体への普及が課題。
②DX実践企業の6割が「業績向上」を実感。進捗の最大理由は「外部専門家の活用」。
「事業との連動」や「経営層のコミットメント」が続き、推進体制の構築が進捗を左右。
③DX未着手企業の8割が「必要性は認識」。障壁は「リソース不足」。
取り組めない理由は「優先課題による後回し」や「時間的な余裕がない」など経営資源の制約が上位。
【アンケート概要】
・調査主体 :フォーバル GDXリサーチ研究所
・調査期間 :2026年1月14日~2026年2月13日
・調査対象者 :全国の中小企業経営者
・調査方法 :ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析
・有効回答数 :1,647人
本リリースの調査結果をご利用いただく際は、必ず【フォーバル GDXリサーチ研究所調べ】とご明記ください。

Q1. DXの認知度(n=1,647)
Q2. DX取り組み度合い(n=1,373)
中小企業のDX認知度に関する調査結果では、最も多かった回答は「知っているが、説明できるほどではない」(43.7%)で、「知っており、他の人に説明できる」(17.1%)を合わせた認知度は60.8%となりました。これは前年同期の調査結果とほぼ変わらない水準です。一方で、約3割の企業が「よく知らない」または「知らない」と回答しており、依然としてDXが中小企業全体に浸透しているとは言えない状況です。
認知度が改善しない背景には、導入メリットなどの情報が十分に届いていないことや、自社の経営課題との関連性が理解されていないことが推察されます。今後は、中小企業の取り組みを促すためのより丁寧な情報共有が不可欠です。
続けて、中小企業のDXへの取り組み度合いに関する調査結果では、取り組み度合いを「ステップ1(意識改革)」、「ステップ2(情報活用)」、「ステップ3(事業改革)」の3段階に区分して分析しました。ここではDXの認知度で「知らない」と回答した経営者は除外しています。
調査の結果、最も多かったのは「ステップ1」の36.3%で、「ステップ2」は21.2%、「ステップ3」は5.5%となりました。
一方で、「取り組めていない」と回答した企業も37.0%にのぼっています 。前年同期の結果と比較すると、ステップ2とステップ3の割合がわずかに増加しており、取り組みを深化させる動きも一部で見られますが、全体としては大きな変化は認められませんでした。
依然として3割以上の企業がDXに着手できていない実態があり、中小企業における取り組みの底上げが引き続き課題となっています。



Q3.DXの取り組みの効果(n=865)
Q4.DXの取り組みが進捗した理由(n=523)
まず、DXの効果(「とても効果が出ている」「やや効果が出ている」の合計)については、「業績向上」(62.4%)が最も高く、次いで「社内からの評価」(54.9%)となり、DXの効果は「業績向上」や「社内からの評価」といった、比較的短期的で、かつ直接的に実感しやすい項目ほど高く表れていることが分かります。一方で、「競合優位性の確立」(42.2%)や「取引先からの評価」(40.8%)、さらに「採用力向上」(24.2%)といった中長期的な価値に関わる項目は相対的に低い傾向にあります。 DXの効果はまず直接的な業績や組織内部の評価から表れ、継続することで企業価値全体へと段階的に波及していくと考えられます。
また、DXの取り組みが進捗した理由としては、「外部専門家やコンサルタントの活用」(34.2%)が最多で、「事業との連動」(28.5%)、「経営層のコミットメント」(22.9%)、次いで、「取り組みの可視化と進捗管理」(20.5%)、「他社との連携・協業」、「補助金・助成金の活用」(どちらも18.0%)でした。(DXの取り組みにおいて最も利用されてる補助金はIT導入補助金であった。)
これらの結果から、DXの進捗を後押しするのは、継続的な取り組みに加え、ツールやシステムの導入そのものよりも、経営層の意思決定、事業戦略との連動、進捗管理、外部知見の活用といった推進の仕組みであることが示唆されます。まだ取り組みを行っていない企業は、今回の結果を参考に取り組みを検討してはいかがでしょう。


Q5. DXの取り組みを行っていない理由(n=508)
Q6. 今後の推進について(n=865)
DXに取り組まない理由として最多となったのは「他に優先すべき課題があり後回しとなっているから」(回答企業中・30.1%)であり、さらに「時間的な余裕がないから」(同・27.2%)、「具体的な進め方や手法がわからないから」(同・24.0%)と続いた。優先順位や時間不足といった経営資源の制約に加え、進め方や人材面に関する課題も背景にあることがうかがえます。
一方で、興味深いのは「取り組みの必要性を感じていない」と回答した企業が22.6%にとどまっていることです。この結果から、約8割の企業は、取り組みの必要性を認識しつつもその他の理由でDXに着手できていない状況があると考えられます。
中小企業が限られた経営資源を有効活用しつつ、DXを進めるためには、国や自治体などによる支援や外部リソースの活用なども取り入れることが効果的でしょう。

しかし、今後のDX推進につては「大幅に注力し、推進する」や「現状維持」を含め、9割を超える企業が今後も継続して取り組む意思を示しています 。特筆すべきは、取り組みのステップ(深化度)が進むほど、推進意欲が高まる傾向にある点です 。
具体的には、ステップ1(意識改革)の企業では54.5%ですが、ステップ3(事業改革)まで進んでいる企業では81.3%がさらなる注力を予定しています 。これは、取り組みが深化して「事業の変革」に近づくほど、その重要性や効果を実感しやすくなり、それがさらなる推進意欲につながるという好循環が生まれている可能性を示唆しています 。


フォーバル GDXリサーチ研究所所長
平良 学(たいら・まなぶ)
■経歴
1992年、株式会社フォーバルに入社。九州支店での赤字経営の立て直し、コンサルティング事業の新規立ち上げ、
全体統括を経て、2022年に新たに発足した中立の独立機関「フォーバルGDXリサーチ研究所」の初代所長に就任。
中小企業経営の実態をまとめた白書「ブルーレポート」の発刊、全国の自治体と連携し、地域の中小企業経営者に向けたDX、GXの講演、中小企業経営者向けのイベントの企画などを通じて、中小企業のGDXを世に発信している。

■コメント
本レポートでは、中小企業のDX推進における実態と展望を調査しました。認知・実施ともに約6割と前年から横ばいで、依然として「着手しやすい既存業務の効率化」が先行し、人材や組織体制の整備が遅れている実態が浮き彫りとなりました。
一方で、取り組みが深化している企業ほど効果を実感し、9割以上が今後も継続する意向を示しています。この「DXの好循環」を生み出すためには、単なる技術導入にとどまらず、経営課題の解決に向けてビジネスモデルや企業文化を変革する視点が不可欠です。経営資源が限られる中小企業こそ、DXによる変革の恩恵は大きいと言えます。自社のみでの推進が困難な場合は、国や自治体、専門家などの外部支援を戦略的に「使いこなす」ことが、持続的な成長への近道となるでしょう。
■フォーバル GDXリサーチ研究所とは
日本に存在する法人の99%以上を占める中小企業。この中小企業1社1社が成長することこそが日本の活力につながります。中小企業が成長するための原動力の1つにGreen(グリーン)とDigital(デジタル)を活用し企業そのものを変革するGDX(Green Digital transformation)があります。
フォーバルGDXリサーチ研究所は、中小企業のGDXに関する実態を調査し、各種レポートや論文、報告書などをまとめ、世に発信するための研究機関です。「中小企業のGDXにおける現状や実態を調査し、世に発信する」をミッションに「中小企業のGDXにおいてなくてはならない存在」を目指し活動していきます。
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