「年末年始の長距離移動」に関するアンケート調査
~年末年始の長距離ドライブの動向を三井ダイレクト損保がリサーチ~
◆年末年始の長距離移動、年末は12月26日午前、年始は1月2日と3日午前に回答が集中
◆渋滞を避けるために意識すること「早めの出発」が半数超え
◆渋滞を解消できるのであれば払える1時間あたりの金額は「1,000〜1,500円」が最多
MS&ADインシュアランス グループの三井ダイレクト損害保険株式会社(URL:http://www.mitsui-direct.co.jp/ 取締役社長:船木隆平)は、2015年11月10日(火)~2015年11月12日(木)の3日間、18歳~69歳・全国の運転免許をお持ちで年末年始(2015年12月26日~2016年1月3日)に高速道路を利用して車の長距離運転をする、もしくはする予定のある男女に対し、「年末年始の長距離移動」についてのインターネットリサーチを実施し、1,000名の有効回答を得ました。
さらにアンケート結果については、「渋滞学」の権威で、東京大学先端科学技術研究センターの西成教授からコメントをいただきました。
西成教授には、『MUJICOLOGY!研究所』の所長を務めていただいています。『MUJICOLOGY!研究所』は、三井ダイレクト損保が2011年5月に開始した「事故のないクルマ社会を目指す」活動『MUJICOLOGY!(ムジコロジー)プロジェクト』の情報発信拠点で、無事故でエコな社会実現に向け、ドライブマナー向上につながる情報を発信しています。
※詳細は当社HPご参照 → http://news.mitsui-direct.co.jp/topics/20151201/index.html?id=40217
アンケート総括
◆年末年始の長距離移動の目的 ⇒ 43%が「帰省」
◆年末年始の渋滞予想 ⇒ 年末は12月26日、年始は1月2日と3日午前に回答が集中
◆渋滞が予想されても車で移動する理由 ⇒ 「自己都合で動きやすい」
◆渋滞を避けるために意識すること ⇒ 「早めの出発」が半数超え
◆渋滞を解消できるなら払える金額 ⇒ 1時間あたり「1,000~1,500円」が最多
◆年末年始のヒヤリ・ハット経験 ⇒ 約半数が長距離ドライブ中に経験あり
◆ヒヤリ・ハット経験の原因 ⇒ 1位「人・車の飛び出し」
◆渋滞時の車線選択 ⇒ 「中央の車線を走りたい」が約4割
今年で3回目の実施となる「年末年始の長距離移動」に関するアンケート調査。渋滞が発生しやすく、ヒヤリ・ハット経験も多くなる年末年始の長距離ドライブを前に、今年は「渋滞」に関する意識についても調査し、「渋滞学」の権威である西成教授にコメントをいただきました。
西成教授のコメントからは、
・車を走らせる時間を分散することが渋滞の減少につながる
・個人ででき安全性も高まる渋滞回避策は「加減速の少ない安定走行」「車間距離確保」
など、渋滞を回避し、安全な運転をするためのヒントが見えてきます。
※コメントの詳細は最終ページをご覧下さい。
今回の調査が「事故減少」や「渋滞緩和」につながり、みなさまの楽しいカーライフ、そして「事故のないクルマ社会」の実現の一助となれば幸いです。
■ 2年連続、年末年始の長距離ドライブの目的は「帰省」(43.0%)
Q1. あなたの年末年始の長距離ドライブの目的をお答えください。(※複数回答形式【N=1000】)
年末年始に長距離ドライブをする方の目的は、「帰省」が最も多く43.0%となりました。次いで「1泊以上の旅行」が32.3%、「日帰り旅行」が29.8%です。その他の回答の中には、「仕事」と答えている方もいました。合わせて同乗者についても聞いたところ、目的が違えど、ほとんどが「家族」でした。過去2年の調査結果と同様、やはり年末年始は、家族で過ごす人が多いといえそうです。
■年末年始の道路状況は26日(土)早朝から渋滞を迎える予想
Q2.年末年始の長距離運転、どの日程を予定していますか。(※複数回答形式 【N=1,000】)
赤:60名以上が回答(混雑予想) 青:30名以下が回答(混雑緩和予想)
渋滞のピークとなりそうなのは、年末が12月26日の早朝、年始は1月2日の午前中と1月3日の午前中に分散しそうです。日付関係なく、深夜に運転をしようと考えている方は少ないようです。
過去2013,14年を見ても、年末年始の往路のピークは土曜日の早朝から午前中にかけてとなるのは共通していました。帰路は1月2日、3日に集中しており、早くから出発し、ギリギリで帰ってくる傾向が強そうです。
■年末年始の高速道路で長距離運転する方の運転時間は「2時間以上、3時間未満」がトップ!
Q3. あなたのこの年末年始(2015年12月26日~2016年1月3日)の目的地まで、おおよそどの位の時間がかかるかお答えください。(※単数回答形式 【N=1,000】)
※自動車利用時、渋滞はない状態を想定。※目的地までの時間が一番長い場所と想定。
年末年始の長距離ドライブで、渋滞がないと仮定した場合に、運転時間はどの程度か聞いたところ、「2時間以上~3時間未満」が最も多く28.2%となりました。次いで、「1時間以上~2時間未満」が22.9%、「3時間以上~4時間未満」が18.2%となっています。目的地まで渋滞がない場合にかかる時間は、3時間未満が過半数を占めました。
■渋滞が予想されるにも関わらず、車で移動する理由は、「自己都合で動きやすい」、「便利」
Q4.毎年、年末年始には渋滞が発生しますが、それでも車で移動しようとする理由は何ですか。
(※複数回答形式 【N=1,000】)
道路の渋滞が予想される中、車で移動する理由は、「自己都合で動きやすいから」55.4%、「他の手段より車の方が便利だから」44.3%となりました。自由回答では、「荷物が多い」という理由や、「赤ちゃん」や「高齢者」、「ペット」が一緒だからという回答もありましたが、こちらも含め、車の利便性が評価されていると言えそうです。
■長距離ドライブ中に、渋滞を避けるために意識すること「早めの出発」が半数超え!
Q5.あなたが、普段渋滞を回避するために意識していることは何ですか。(※複数回答形式 【N=1,000】)
渋滞を回避するために意識することは、「早めに出発するなど混む時間帯を避ける」53.9%が最も多い回答となりました。早めに出発するためにも「出発前にテレビやラジオ」で渋滞情報のチェックなど、ドライブの前に工夫されているのかもしれません。それに比べて、西成教授も渋滞回避のために重要であると後述している「安定走行」や「車間距離の確保」などの運転中の渋滞回避については意識されている方が少ないようです。
■渋滞時に困ること、第1位は「トイレに行けない」
Q6. あなたが、渋滞時に困ることは何ですか。(※複数回答形式 【N=1,000】)
渋滞時に困ること1位は「トイレに行けない」ことでした。(2013年度は3番目。1番目は「疲れがたまる」、2番目は今年と同じく「イライラがつのる」)
次にイライラや疲れなどが多く、渋滞によって身体的なストレスを感じている人が多いようです。
■渋滞を解消できるのであれば払える1時間あたりの金額は「1,000〜1,500円」が最多!
Q7. 渋滞を短縮できるのであれば、1時間あたりいくら払えますか。 (※複数回答形式 N=1,000】)
渋滞を回避できるとしたら1時間あたりに払える金額は「1,000~1,500円」が34.5%と最も多くなりました。1,500円未満と答えた人が8割弱となっています。
最も多かった回答は「1,000円」ですが、最高額は「50,000円」という結果となりました。
「時は金なり」、西成教授が後述していますが、渋滞による経済損失額は年間12兆円です。
ある程度のお金を払ってでも渋滞を回避したいと思っている方が多いようです。
■約半数が、年末年始の長距離ドライブにヒヤリ・ハット経験あり!
Q8. あなたは過去の年末年始の長距離ドライブで交通事故などになりそうになった経験(ヒヤリ・ハット経験)がありますか。 (※単一回答形式 【N=1,000】)
約半数の方が、過去の年末年始の長距離ドライブで交通事故になりそうになった経験(ヒヤリ・ハット経験)をしているようです。これは、過去2年の調査結果とほぼ同じ割合です。
■ヒヤリ・ハットの3大要素は、「人・車の飛び出し」、「スピードの出し過ぎ」、「悪天候・自然現象」
Q9. あなたは過去の年末年始の長距離ドライブで交通事故になりそうになった経験(ヒヤリ・ハット経験)がありますか。 (※複数回答形式 【N=472】)
年末年始の長距離ドライブで約半数である47.2%の方が経験があると回答した、ヒヤリ・ハット経験の原因は、「人・車の飛び出し」、「スピードの出しすぎ」、「悪天候・自然現象」が昨年同様上位になりました。
また、渋滞時に困ることで上位となった「眠気」や「疲労」が原因で、事故に遭いそうになる「居眠り・漫然走行」も高い数値であることが分かります。渋滞とヒヤリ・ハット経験にも関係があると言えそうです。
その他の回答として、冬のドライブならではと思いますが、前の車に積んであったスノーボードが落下してきたという回答もありました。
■3車線の高速道路で渋滞したら「中央車線」を走りたい人が約4割
Q10. 3車線ある高速道路が混んできたとします。あなたはどの車線を走りたいと思いますか。(※単一回答形式 【N=1,000】)
3車線の高速道路が混んできたら、「中央車線」(39.4%)を走りたいと考える方がいちばん多いようです。その次に「右車線(追い越し車線)」、「左車線」となりました。
西成教授によると、走りたい車線が偏るこの結果も渋滞を助長する一因とのことなのですが、詳しくは次の教授からのコメントをご覧ください。
今回の調査では、「渋滞」に関するみなさまの意識が見えてきました。
クルマにまつわるアレコレを楽しく学べる研究所「MUJICOLOGY!研究所」所長で、渋滞学の権威である東京大学の西成活裕教授のコメントから、渋滞の解消、事故のないクルマ社会に通じるヒントが見つかるかもしれません。
【西成教授からのコメント】
年末年始は帰省や休暇などで高速道路で毎年大きな渋滞が発生しています。日本人の大移動の時期なので仕方ないところもありますが、何とか渋滞を回避できないのでしょうか?
まずなぜ移動に車を使うのか、というのは、Q4:毎年、年末年始には渋滞が発生しますが、それでも車で移動しようとする理由は何ですかの結果からも見えてきます。大きな理由は「自己都合で動きやすい」、「他の手段より便利」ということで、これでは電車やバスなどの公共交通をなかなか使ってくれそうもありません。車の数が一定以上増えると渋滞が発生するため、やはり車の総数をこの時期いかに抑制するかも課題です。
そこで別の方法として車を走らせる時間をうまく皆で分散できれば、渋滞は減ることにつながります。これは皆さん努力されていて、Q5:あなたが、普段渋滞を回避するために意識していることは何ですか。では、渋滞を避けるために「早めに出発」したり、「渋滞情報をチェック」する工夫をしている方が半数近くいることが分かりました。近年、スマートフォンなどによる交通情報提供サービスが充実してきています。このおかげでドライバーの混雑回避の意識もより高まっていると思われます。
実は時間をずらす以外にも個人でできる渋滞回避策がいくつもあります。その例として「加減速の少ない安定走行」や「車間距離の確保」なのですが、これらを意識されている方は少ない結果が出たのは残念です。安全性も高まるのでこれらをぜひ意識して頂きたいと思います。
さらに運転する車線も重要です。実は渋滞は追い越し車線から発生することが多いのです。それは混んでくると皆さん早く行きたい心理から、右車線へ移動する車が増えてくるからです。Q10:3車線ある高速道路が混んできたとします。あなたはどの車線を走りたいと思いますか。では、混んできたら3車線のうち「真ん中」を走りたがる車が4割もいて一番多いことが分かりました。そうなるとせっかく車線が3本あるのに、それが混んできても均等に使われず、より渋滞を起こしやすくなってしまいます。また「頻繁に空いている車線に移動する」車も少なからずいて、こうした車が周囲にブレーキを踏ませてしまい渋滞を作ることもあります。できるだけ各車線に車がうまく分散して、適度な車間を確保して不要不急の車線変更は避けるのが渋滞回避の運転のコツ、ということを覚えて頂ければと思います。
渋滞による経済損失は、国土交通省の試算でおよそ12兆円というデータが出ています。それだけ渋滞は社会や個人にとって大きな問題なのですが、Q7:渋滞を短縮できるのであれば、1時間あたりいくら払えますか。という問いは大変興味深いです。その結果は1時間あたり1,000円から1,500円が最も多いものでした。実は渋滞を避ける取り組みの一つに、「通行券」を発行するというアイディアも議論されています。「何月何日何時にこの道路を通過する権利」をあらかじめ購入し、その券を持っている人はその道路を優先的に通過できる、という方法です。この値段の決め方が難しいのですが、今回の結果はそのヒントになるかもしれません。
【プロフィール】
西成活裕(にしなり・かつひろ) 東京大学先端科学技術研究センター教授
1967年、東京生まれ。
1995年、東京大学工学系研究科航空宇宙工学専攻博士課程を修了後、山形大学工学部機械システム工学科、龍谷大学理工学部数理情報学科、ドイツのケルン大学理論物理学研究所を経て、2005年、東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻に移り、2009年より現職。
著書の『渋滞学』(新潮選書)では、講談社科学出版賞、日経BP・BizTech図書賞を受賞した。日本テレビ『世界一受けたい授業』などテレビ、ラジオなどにも多く出演。
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