男性の8割が直面する指導のジレンマ「女性特有のコンディショニングに踏み込めない」
共通言語を持って女子選手に寄り添い、対話するための正しい知識が学べる『1252公認 女子アスリートコンディショニングエキスパート検定』受検申込を絶賛受付中!
一般社団法人スポーツを止めるな(所在地:東京都新宿区、代表理事:伊藤華英)は、女子アスリートに向けた生理とスポーツの教育・情報発信活動「1252プロジェクト」において過去5回実施した「1252公認 女子アスリートコンディショニングエキスパート検定(以下、1252エキスパート検定)」の合格者を対象に、アンケート調査を実施いたしました。本調査により、スポーツ指導に関わる男性の多くが女子選手のコンディション低下に気づきながらも踏み込めないジレンマを抱えており、その背景に「距離感の難しさ」や「ハラスメントへの不安」が存在することが明らかになりました。また、目先の勝利を優先するあまり選手の「競技引退後の人生や将来の健康」が見過ごされがちであったスポーツ界の課題も、データとして浮き彫りになっています。
以下にて調査結果のハイライトをまとめております。
当社団は、この社会課題を「正しい共通言語」で解決するため、指導者、医療関係者、保護者向けの「第6回 1252公認 女子アスリートコンディショニングエキスパート検定」を2026年9月に実施いたします。現在、受検申込を受け付けております。
【調査概要】
実施主体:一般社団法人スポーツを止めるな
調査期間:2026年6月29日〜7月13日
回答者:医療関係者(29.9%)、指導者(クラブ・実業団:27.9%、学校部活:27.6%)、トレーナー・フィジカルコーチ(25.3%)、保護者(16.2%)、教員(保健体育、その他:9.7%)、アスリート(9.1%)、その他へ実施
※有効回答:154名(1252エキスパート検定合格者)
調査結果ハイライト:データで見る指導現場のリアル
ハラスメントと紙一重のリアル 男性の8割以上が女子選手の生理によるコンディション低下について訊ねることに「躊躇」
女子選手のパフォーマンス低下や体調不良の裏に「生理などの女性特有のコンディション」が影響していると感じつつも、本人へ率直に確認できなかった、躊躇した経験がある人は全体で約76.7%(118人/154人)にのぼりました。さらに性別でのクロス集計を行うと、男性では80.6%(75人/93人)と8割を超え、女性の70.0%(42人/60人)を上回る実態が浮き彫りになりました。その背景にある最大のハードルとして、「どこまで深く聞いていいのか、距離感がわからなかった」が37.3%(57人)で最多、次いで「ハラスメントと捉えられないかという不安があった」が22.1%(34人)となっております。特に男性においては男性全体のうち26.9%がハラスメントへの不安を感じており、過度な警戒心が適切な指導やケアの障壁になっていることがわかります。
一方の女性においては(「男性指導者はこう感じているだろう」という推測)、ハラスメントへの不安は女性全体のうち15.0%に留まっており、周囲の想像以上に男性がハラスメントのリスクに対して強い危機感と躊躇を抱えているというギャップが明らかになりました。
Q. 女子選手のパフォーマンス低下に女性特有のコンディションが影響していると感じつつも、確認できなかった経験は?

Q. 受検するより以前において、女子選手の生理や特有のコンディションについて触れる際、最も大きなハードルは何でしたか? ※女性の回答は「男性指導者はこう感じているだろう」という推測

「女性アスリートがコンディションについて相談しづらい理由」については、男女差が明確に
この問いでは「指導者が男性であり、異性に話しづらい空気」を挙げたのは男性のうち84.9%、女性が73.3%と、両者ともに異性への話しづらさを感じている一方で、性別における認識の差が明確になりました。
「選手に『自分の体の状態を言語化する』知識がない」と答えた男性が43.0%に対し、女性は66.7%と大きく上回りました。
また「『生理で休む=サボり・甘え』と思われる恐怖感から」の回答については、男性が41.9%に対し女性は58.3%にのぼり、女性の回答は当事者として経験した意見が多く反映されていることがわかりました。

将来の健康管理への危機感「目先の勝利優先」で無月経放置などの危機感不足が8割以上
目の前の「競技パフォーマンス」を優先するあまり、無月経の放置など、女子選手の「将来の健康(引退後の後遺症や、将来の妊娠・出産など)」に対する配慮や危機感が不足していると感じたことがある指導者は82.5%(126人/154人:「よくある」61人、「たまにある」65人)と深刻な数字を示しています。
一方で、女性の体のメカニズムを学ぶことは、選手の「引退後の人生(妊娠・出産や長期的な健康)」を守るためにどの程度重要かという問いに対しては、99.4%(153人/154人)が「非常に重要」「重要」と回答しており、「重要性は理解しているが、現場では目先の勝利のために軽視されがちである」という強いジレンマが浮き彫りになりました。
興味深いのは、置かれた立場による認識の違いが導き出されたことです。
「医療関係者(46人)」の91.3%が、また「トレーナー・フィジカルコーチ(39人)」の87.2%が、「将来の健康(引退後の後遺症や、将来の妊娠・出産など)」に対する配慮や危機感が不足していると回答。
一方で、「クラブや実業団の指導者・コーチ(43名)」では72.1%、「学校部活の指導者・コーチ(42名)」では69.0%が「将来の健康に対する配慮や危機感が不足している」と回答。医療関係者と比べるとポイントがやや落ちています。
ここからは、医療関係者やトレーナーは選手のケガや体調不良の場面に日常的に関わることから、将来の健康への危機感を感じやすいことが読み取れます。一方の指導者・コーチとは「ケガや体調不良の場面への接触機会」に差があるからと考えられますが、こうした背景があるからこそ、指導者にはより体系的な知識提供が重要といえそうです。
【検定で得た知識は、選手が競技を引退した後の生活にも役立つと思うか?(合格者の方の自由回答よりピックアップ)】
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男性トレーナー・フィジカルコーチ、教員(保健体育・その他):役立つと思う。日常生活においてはアスリートほど自身の体に対して向き合う時間が確保できないことも多い。だからこそ、正しい知識をもって日々のちょっとしたことに配慮できることが、より充実した生活を過ごすためには重要であるため。
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女性トレーナー・フィジカルコーチ:最近でも無理をしてまで頑張ってしまう選手が多い印象です。現役時代の頑張りが原因で、現役引退後に悩むことはしてほしくないので、頑張ることと、我慢して無茶をすることの線引きを選手自身が現役中に知っておく必要があると思います。
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女性指導者・コーチ(学校部活・クラブ・実業団), 教員(保健体育・その他), 保護者, アスリート:女性の生理、ホルモンバランス、妊娠、出産、子育ての状況は人それぞれで、定型化できるものではない。様々な状況の中でより良い選択ができる知識の提供が必要だと思われる。「競技実績に偏重した考え方では、スポーツを通じて人生を豊かにできるとは思えない」という考えを選手当事者に定着するまでは、正しい考え方や知識を提供することが周囲の大人の役割だと思う。そのように考える大人が増えることが、引退後の選手の健康や「リプロダクティブ ヘルスライツ」を守ることにもつながると思う。
「1252エキスパート検定」受検により指導者の86.9%が自信を深め、行動変容へ
こうした課題に対し、正しい知識を得ることで現場は劇的に変化しています。受検後、女性アスリートへの指導に対する自信が「とてもついた」「少しついた」と回答した人は87.0%(134人/154人)に達しました。
具体的な行動変化(複数選択)としては、「選手の体調変化への対応が変わった(63票)」「選手・生徒と月経について話す機会が増えた(51票)」に加え、「ハラスメントへの過度な不安が消え、フラットに体調を確認できるようになった(30票)」や「目先の試合だけでなく、長期的な選手の健康を最優先した練習計画を立てるようになった(37票)」など、指導の健全化とアップデートが着実に進んでいることが伺えました。
またクロス集計の結果からは、「自信がついた」と答えた層(134人)のうち、62.7%が「チームや選手との関係に変化を実感」している一方、「自信が変わらない」と答えた層(15人)で変化を感じた人は20%に留まりました。ここからは「知識の習得により自信を持ち、結果的に選手との関係性やチームの雰囲気が変化した」という一連の好循環が見て取れました。
さらには、「受検前、女性アスリートの指導・サポートにおいて、困っていたことや悩んでいたことはありましたか?」の問いに対して「明確な悩みがあった」層(33人)のうち87.9%が、「なんとなく課題感はあったが言語化できていなかった」(105人)のうち89.5%が、「受検後、現場での行動に変化はあった」と回答。「特に悩んでいなかった」(16人)についても75%が「変化があった」と答えており、検定での学びは課題の有無にかかわらず、現場での行動を変えるきっかけとなり得ることが伺えます。
【学んだ知識を生かせたことで、選手や生徒の反応・変化で印象に残っているエピソード(合格者の方の自由回答よりピックアップ)】
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女性指導者(学校部活):生徒の貧血を疑い受診を勧めた結果、治療をし、無事に数値が安定したら凄く活躍するようになった。保護者も本人も満足して引退の日を迎えられたのは、長い人生を考えても重要な局面だったように思う。少しの知識が生徒の人生に大きく影響できるといえるケース。
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男性指導者・コーチ(クラブ・実業団)、医療関係者、保護者:資格取得をクライアントの保護者が知り、1252エキスパート検定について説明した。特に女子クライアントの保護者から「なるほど。そのような視点で娘を見ていていただけると安心感が上がります」と話していただけた。
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女性トレーナー・フィジカルコーチ:生理不順の選手に対して、医療機関の受診や内服の相談、ストレスをコントロールする方法など深く話すことができた。上手くコントロールできるようになり、高校最後のインハイで、個人戦で3位に入ることができた。
コメント:伊藤華英/一般社団法人スポーツを止めるな 代表理事
今回の調査で最も印象的だったのは、女子選手を支えたいという思いを持つ指導者ほど、「ハラスメントと受け取られないか」「どこまで踏み込んでいいのかわからない」と悩み、必要なコミュニケーションをためらっている現実でした。
私自身、競技者として長年スポーツに携わる中で、女性特有のコンディションがパフォーマンスや将来の健康に大きく関わる一方、それを安心して相談できる環境は決して十分ではないと感じてきました。だからこそ、この結果は、誰かが無関心だから起きている問題ではなく、現場に共通の知識や共通言語が不足していることによる構造的な課題だと受け止めています。
一方で、今回の調査では、正しい知識を学んだ多くの指導者が自信を持ち、選手とのコミュニケーションや日々の行動が変わったという結果も得られました。知識は、指導者を縛るものではなく、選手に寄り添うための「安心して対話する力」になることが、この調査から見えてきたと思います。
スポーツは、勝つことだけが目的ではありません。競技生活の先には、一人ひとりの長い人生があります。その人生まで見据えて選手を支えられる環境をつくることが、スポーツに関わる大人に求められる役割であり、とても重要なことだと考えています。今回の調査が、スポーツ現場で「聞いてはいけない」ではなく、「正しく聞き、正しく支える」という文化を広げるきっかけとなることを願っています。そして私たちは、そのために必要な知識を届ける活動を、これからも続けてまいります。
1252公認 女子アスリートコンディショニングエキスパート検定 実施概要
・開催日時:2026年9月1日(火)~2026年9月14日(月)
・申込期間:2026年8月21日(金)16時まで
※コンビニ決済の申込期間は、8月14日(金)16時まで
・受検料:1級/12,000円(税込13,200円)、2級/8,000円(税込8,800円)
・受検方式/開催場所:オンライン受検・インターネットに接続できる環境であれば、どこでも受検可能。
・問題数/検定時間:1級/50問 90分、2級/30問 60分
※各級とも4年に1回の更新が必要です。更新は別途費用が発生いたします。
※詳細は1252エキスパート検定WEBサイトをご覧ください。
テキストブックについて
女子アスリートを指導する上で必要な知識を問う、1252公認 女子アスリートコンディショニングエキスパート検定(1・2級)の出題範囲を網羅したテキストブックです。
月経の仕組みや、必要な栄養、適切な接し方など、スポーツ界における女性特有の課題に対する知識や対策を学び、女子アスリートのパフォーマンス向上に役立つ見識を深めることができます。そして、元東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当大臣の橋本聖子氏やスポーツ庁長官の室伏広治氏をはじめとした、スポーツ業界関係者・トップアスリートによる豪華対談コラムも掲載。女子アスリートを取り巻く環境への提言や当事者の実体験を通して、様々な視点から学びを得ることができる一冊になっています。検定対策はもちろんのこと、日々の女子アスリートへのスポーツ指導のヒントとしてもご活用ください。
また、テキストブックの購入者限定特典として、指導の参考・学びにしていただけるトレーニング動画をご用意しています。

書名:1252公認 女子アスリートコンディショニングエキスパート検定テキストブック
編者:一般社団法人スポーツを止めるな
定価:2,500円(税込2,750円)
仕様:A5判、並製
ページ数:272ページ
ISBN:978-4-491-05375-2
発行:東洋館出版社
販売場所:1252エキスパート検定WEBサイト
「1252プロジェクト」とは
1年(52週)のうち、約12週は訪れる生理とそれに伴う体調の変化は、女子アスリートにとって避けては通れない問題です。「正しい情報がない」「相談する先がない」と感じる女子アスリートや、その指導者のみなさまに対し、必要な情報を楽しく学ぶためのオンライン発信や授業などの様々なプログラムを提供しています。

・1252プロジェクト紹介映像
https://www.youtube.com/watch?v=8D0WARPVGZw
・トップアスリートの生理にまつわる体験談「Talk up 1252」
https://www.youtube.com/watch?v=bVYoDobYa9I
・1252プロジェクト公式インスタグラムアカウント
生理とスポーツの新しい教科書「1252Playbook」
https://www.instagram.com/1252project/
・1252エキスパート検定 公式インスタグラムアカウント
検定合格者の声、勉強のコツ、検定の最新情報など
https://www.instagram.com/1252expert/
「スポーツを止めるな」とは
2020年に立ち上がった学生アスリートの成長に寄り添う活動。有志の活動が後に一般社団法人化。スポーツを通じて若者が自立することを信じサポートを行っています。
「スポーツを止めるな」は、日本を代表するアスリートや専門家に賛同頂き、SNSを中心に活動を展開し、大きなムーブメントとなりました。その後、オンライン学習システムの開発や、教育機関との共同研究など活動の範囲を広げています。
生理×スポーツの教育/情報発信プロジェクト「1252プロジェクト」や、災害復興への想いを持ったアスリートと被災地をつなぐ中間支援「災害支援スポーツネットワーク」など、スポーツを通じて社会をより良くするため活動を推進しています。
「1252プロジェクト」は、国際オリンピック委員会(IOC)が実施した「イグナイト365」アワードにおいて、世界で選ばれた5つの革新的なスポーツ関連プロジェクトの一つとして表彰されました。アジアからは唯一の受賞となり、その取り組みは国際的にも高く評価されています。
スポーツを止めるな 公式サイト:https://spo-tome.com
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info@spo-tome.com
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