三重県発|三重県モデル市町村における導入率が約16倍に向上

― 地道な"つながりづくり"で進んだケアプランデータ連携システムの"日常化" ―

TRAPE

 急速に進む高齢化により介護サービスの需要が高まる一方、人口減少に伴う介護人材の不足が深刻化しており、介護サービス事業所における生産性向上は喫緊の課題となっています。

こうした中、介護現場の業務効率化と生産性向上に向けた「ケアプランデータ連携システム」の導入が推進されていますが、「周囲の事業所が導入していない」「効果が見えにくい」「導入や運用が難しそう」「経営層の理解が得られない」といった理由から、導入・活用は十分に進んでいないのが現状です。

 株式会社TRAPE(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:鎌田大啓)は、介護現場の生産性向上に関するガイドラインの作成など、2017年から国の施策づくりに関わり、介護分野の変革をリードしてきました。ウェルビーイングにあふれた介護事業所の実現を目指し、現場の業務改善やDXに不可欠な「チームづくり」や「課題の見える化・分析」を支援する無料のオンラインツール「生産性向上くん®」の提供と、「生産性向上」「働きがい向上」「リーダー育成」を同時に実現する伴走支援サービス「Sociwell(ソシウェル)」を展開しています。

令和7年度三重県においては、四日市市、松阪市、伊勢市、志摩市の各モデル市およびモデル事業所と連携し、地域全体での普及による導入数の向上と、各事業所における導入から運用定着までを一体的に支援する伴走型のモデル事業を実施してきました。

本リリースでは、こうした取り組みにより実現したモデル市における導入率の大幅な向上や、モデル事業所における業務負担の軽減といった具体的な成果についてご紹介します。

ケアプランデータ連携システムの導入促進とその重要性

 現在、介護現場における事業所間の書類のやり取りは、手渡しや郵送といったアナログな手法が一般的です。こうした事務作業は、介護職員が本来注力すべき「利用者への直接的なケア」の時間を奪う「間接業務」となっており、現場の大きな負担となっています。

この課題を解決し、オンライン上で書類授受を完結させる仕組みとして考案されたのが「ケアプランデータ連携システム」です。国は全国の自治体におけるシステム導入率30%という目標を掲げていますが、令和7年10月時点では10%未満にとどまっていました。

その後、普及に向けた取り組みが進み、令和8年3月時点では導入率は28.2%まで向上していますが、依然としてさらなる普及促進が求められています。

さらに、現在国が進めている介護・医療・行政の情報を一元化する仕組みである「介護情報基盤」においても、本システムは重要な役割を担います。ケアプランのデータをこの基盤に蓄積・活用するためには、各事業所によるシステムの導入が前提となります。

つまり、ケアプランデータ連携システムは、単なる業務効率化のツールにとどまらず、今後の介護保険制度を支えるデジタルインフラの一部として、すべての事業所にとって導入が不可欠な存在であると言えます。

令和7年度三重県ケアプランデータ連携システム活用促進モデル地域づくり事業とは

本事業は、居宅サービス事業所職員の事務負担の軽減を図るとともに、生産性向上の取組を推進することを目的として実施しました。三重県が選定したモデル地域(四日市市、松阪市、伊勢市、志摩市)において、公益社団法人国民健康保険中央会が運営する「ケアプランデータ連携システム」の導入促進に取り組みました。

さらに、モデル地域における導入および活用のプロセスを好事例として整理し、その成果を他の介護事業所へ横展開することで、県内全体での連携システムの活用促進につなげることを目指しています。

【事業内容】
1.介護サービス事業所への伴走支援
2.事業説明会の開催
3.モデル事業所における効果検証(ヒアリング・タイムスタディ)
4.成果発表会の実施および好事例の発信

取組みの成果(一部) 

モデル市における導入数の変化

事業開始前、モデル4市における導入事業所数は40事業所、導入率は3.5%にとどまっていました。

しかし、本事業の取組により、導入事業所数は649事業所まで増加し、導入率は43.2%へと大幅に向上しました。これは、国の目標である30%を大きく上回る水準です。

こうした変化により、当初見られた「周辺の事業所の状況を見ながら導入を検討する」といった慎重な声はほとんど聞かれなくなりました。
代わりに、「周囲で導入が進んでいるので自分たちも導入したい」といった前向きな声がコールセンターに寄せられるようになりました。

モデル事業所の取り組みの成果

4市それぞれのモデル事業所において、ケアプランデータ連携システムの活用前後で、タイムスタディ等による比較を実施しました。

  • 最大で1か月あたり1,170分の業務時間削減が確認されました。

  • また、削減効果を比較したところ、連携システムを活用している取引先事業所数や利用者数が多いほど効果が大きくなること、さらに操作担当者の習熟度も影響していることが明らかになりました。

  • 初回は操作に時間を要した事業所においても、翌月には操作時間が約40分短縮されました。

  • 成果報告会では「ケアプランデータ連携システムの操作はシンプルで簡単であり、慣れればすぐに対応できる」との声もあり、比較的短期間で習熟が進み、継続的な効率化につながることが確認されました。

実際にケアプランデータ連携システムを利用してみての声(モデル事業所より)

  • 転記作業がなくなったことが、ケアプランデータ連携システム導入してもっともメリットと感じる

  • 訪問看護など提供時間の変更が多いサービスにおいて、手入力での修正作業が不要となった

  • データ連携でCSVデータを取り込むだけになったので、紙の仕分け作業がなくなり非常に楽だった

  • 提供票を直接届けに行く移動時間が不要となり、業務効率が向上した

  • 取引先デイサービスとの書類のやり取りがPDFで完結し、業務の効率化を実感できた

  • 事業所番号リストを作成・活用することで、どの事業所ともスムーズな連携が可能となった

  • 郵送にかかる切手代・封筒代・印刷代などのコストが削減された

三重県担当者様からのコメント

 三重県では、居宅サービス事業所及び居宅介護支援事業所の業務効率化・生産性向上を図るため、4つのモデル地域(四日市市、松阪市、伊勢市、志摩市)で、ケアプランデータ連携システムの導入を促進する事業を実施することとなりました。

事業開始前には、ケアプランデータ連携システムの認知度も低く、モデル地域の4市を合計しても40事業所程度しかシステムを導入していない状況でした。本事業の中で、モデル事業の中核となる事業所やモデル市から地道な声掛けを行い、システムの導入に課題がある事業所にはTRAPEが伴走支援を行いました。これらの取組を行うことで、少しずつ本システムを導入する事業所の輪が広がり、最終的には650事業所が本システムを導入するにいたりました。

本システムは、いかに多くの事業所に参加していただけるかが一番のポイントです。今回の成果を、県全体に広げていくことが今後の課題となりますので、業務効率化・生産性向上の取組を引き続き行っていきたいと考えています。

各モデル市担当者様からのコメント

【四日市市様からのコメント】

 四日市市では、「介護情報基盤」の運用開始を見据え、ケアプランデータ連携システムの導入に向けた事業所様の意向について、令和6年度に事前調査を行いました。

しかし、アンケート回答率は2割以下に留まり 、その回答のうち約8割の事業所様が導入意向を示さないという厳しい現実があり 、行政として「どうすれば現場の方々にこの必要性を正しく理解していただけるのか」という大きな課題に直面していました。

こうした背景があり、本市は三重県の導入促進モデル事業に「モデル市」として手を挙げました。そして、すでにシステムを導入していた四日市市北地域包括支援センター様をモデル事業所として推挙し、伴走支援者の株式会社TRAPE様と一つの「チーム」になり、役割分担をしながら粘り強く事業を進めてまいりました。

本市としては、全事業所への定期的な研修案内配信や、窓口を訪れる事業者様への直接案内・チラシ配布を通じて、地道かつ継続的な啓発を行いました。あわせて、四日市市北地域包括支援センター様、株式会社TRAPE様との議論を経て、導入の障壁となっていた電子証明書のダウンロードに特化した研修会、実践研修会に途中参加になってもついていけるための「追っかけ研修会」を株式会社TRAPE様に開催していただくなど、事業所が迷わず進める環境を整えました。

さらに、モデル事業所が「地域のハブ」として約160の取引先の事業所様へ直接電話をかけ、現場目線でメリットを伝え続けるという、非常に忍耐強い取り組みを展開しました。こうしたチームでの取り組みの結果、導入数は飛躍的に伸び、四日市市の導入伸び率は全国10位を記録するに至りました。

三重県の導入促進モデル事業は今年度で一区切りとなりますが、今回の事業で築いた導入の流れを基礎として、「介護情報基盤」の円滑な運用開始へと着実に繋げてまいりたいと考えております。

【伊勢市様からのコメント】

 ケアプランデータ連携システムの普及については、本事業に参画する前年度、ケアマネジャー向け研修においてケアプランデータ連携システムの内容を盛り込んだことで、一定の認知向上が図ることができたものの、一方で、自事業所のみの導入ではメリットが実感しにくいとの声が多く、関心はあるものの導入に踏み切れない事業所様も多くみられるなど普及の進展には課題がありました。

事業開始後は、(株)TRAPE様による説明会や研修会への参加を促進し、導入事業所数は緩やかに増加していきました。

そして、国の政策により処遇改善加算や補助金の要件としてシステムの導入を位置づけるという情報が発信されたことを契機に、導入を決断する事業所が増加し、普及が大きく前進するのを感じました。

さらに、モデル事業所を引き受けていただいた伊勢市五十鈴地域包括支援センター様やTRAPE0様をはじめ、市内事業所間の横の繋がりによる積極的な声かけにより、その後導入が飛躍的に拡大し、最終的には市内導入率47%にまで達することができました。

今回、ケアプランデータ連携システムを導入するという目的だけではなく、地域全体で介護事業所の業務負担軽減・生産性向上を目指すという、地域全体での取り組みをできたことが大きな成果だと考えています。

このモデル事業に関わったすべての関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

今後も伊勢市では介護事業所の皆様と一緒に介護現場の業務負担軽減や、さらなる生産性向上の推進に努めていきたいと考えています。

【志摩市様からのコメント】

 志摩市は高齢化率が42%を超え、生産年齢人口の減少に伴う介護現場の人手不足が深刻な課題となっています。この状況下、介護従事者が本来のケア業務に専念できるよう、事務負担を軽減する「ケアプランデータ連携システム」の導入を推進してきました。

当市は、保険者(市)と地域包括支援センターが一体となった「介護・総合相談支援課」による、事業者との「顔の見える関係性」が特徴です。導入にあたっては、事務職を含む市職員が市内の全居宅介護支援事業所へ直接電話をかけ、現場の書類授受の苦労を共有しながら丁寧に活用を呼びかけました。当初はデジタル化に不安を感じるベテランのケアマネジャーもいらっしゃいましたが、TRAPEによる個別支援体制を整え、窓口にお越しいただく際にも「その後の検討状況はいかがですか?」と継続的な声掛けを行いました。

また、介護サービス事業者連絡会や、モデル事業所、伴走支援者のTRAPEとも密に連携をとりながら、顔の見える関係性を活かし、市としても機会があるごとに声掛けを展開しました。こうした地道かつ継続的な声掛けによって、当初導入に慎重だった事業所にも導入の輪が広がっています。

実際に活用を始めた事業所からは「実績入力が自動化され、転記の手間とミスが減った」「一斉送信で時間が大幅に短縮できた」と、その利便性に感動の声が届いています。特に変更の多い訪問・通所系サービスとの連携が進めば、さらなる効率化が期待できます。志摩市はこれからも、ICTの力で生まれた時間を「質の高いケア」や「職員の笑顔」へとつなげ、持続可能な介護体制の構築を目指してまいります。

【都道府県・市町村の担当者の皆様へ】

<株式会社TRAPE(トラピ)の生産性向上における取組み概要>

株式会社TRAPEは、2017年の介護業界において生産性向上という言葉が用いられた黎明期から、以下の活動を行ってきました。

  • 厚生労働省の事業所向け「生産性向上ガイドライン」および自治体向け「生産性向上ガイドライン」の作成・改編に深く関与 

  • 全国の介護生産性向上総合相談センター(ワンストップ窓口)が活用する「設置・運営に係る手引き」の改編にも参画 2020年〜2025年にわたり、厚生労働省主催の介護事業所向け生産性向上全国セミナーにて講演を担当 

  • 全国で伴走支援を行う企業向け研修の講師を2年連続で担当 生産性向上に関する研修・ワークショップ・伴走支援を通じて、13,000を超える介護事業所の経営者・ミドルリーダーと対話を重ねる 

    • 施設サービスから在宅サービスまで幅広い介護事業所に対して伴走支援を実施 

  • 生産性向上、働きがいの向上、自律的な人材育成の3つを同時に実現する支援を展開 

  • 介護ロボット相談窓口(厚労省プラットフォーム事業)における業務アドバイザーとして活動 

    • 2022年:全国17窓口中6窓口を担当 

    • 2023年:全国16窓口中6窓口を担当 

    • 2024年度:全国11窓口中7窓口を担当

  • 2023年以降、全国の都道府県におけるワンストップ窓口と業務締結し、先進的な取り組みの設計・支援を実施 

  • 介護助手や協働化事業のモデル地域づくり事業を全国で実施

  • 「ケアプランデータ連携システム」の普及に向けた地域モデル事業の構築支援を、全国の都道府県・市町村に対して実施

◾️地方公共団体による『ケアプランデータ連携システム』活用セミナー
 【2023年12月6日(水)開催】

 (モデレーター:株式会社TRAPE 鎌田大啓)

 https://youtu.be/HSjxEQKTxyI?si=0LNQJ5sb99oigAkT

◾️全国自治体向け『地域が取り組むケアプランデータ連携のいま』オンラインウェビナー
 【2024年12月4日(水)開催】

 第2部:TRAPE の鎌田氏と聞く!新たな普及施策と事業者の声

 https://youtu.be/bMWKwkF5SFY?si=zm4w7UIw-5cLKc4R

◾️ケアプランデータ連携システム フリーパスキャンペーンオンライン説明会
 【2025年3月14日(金)開催】

 利用者の立場から考えるケアプランデータ連携システムへの期待

 https://youtu.be/D-oOSOJcePM

◾️地方公共団体及び国民健康保険団体連合会様向けオンラインセミナー

【2026年1月14日(水)開催】

 (モデレーター:株式会社TRAPE 鎌田大啓)

https://www.youtube.com/live/IaM6JXWRWxo?si=Nl3s_JJMaGvV7MTH

株式会社TRAPE(トラピ)について

代表:鎌⽥⼤啓

本社:⼤阪市淀川区⻄中島5-11-9 新⼤阪中⾥ビル3F

URL:https://trape.jp/

設⽴:2015年9⽉

事業内容:

「生産性向上くん®︎」
介護現場の生産性向上は、いきなりICTや業務改善ではうまくいかず、チームで課題を共有し目線を揃える“準備”が鍵となる中、「生産性向上くん®」はその“準備8割”を現場で実行できる、委員会運営から課題の見える化・分析までを一体で支援する完全無料のオンラインツールです

「Sociwell ソシウェル」
介護職員の働きやすい職場環境づくりを実現し、内閣総理大臣表彰受賞施設を生み出してきた実績を持つ、フルオンラインで「生産性向上」「働きがい向上」「リーダー育成」を同時に実現する伴走支援サービスです。

「介護経営者クラブ」
介護経営者クラブは、TRAPEの伴走支援を通じて生産性向上を実践してきた事業所が集い、組織の枠を超えて経営者同士が対話を重ねながら実践知を共有し合うとともに、外部の方々も参加できる会員制コミュニティです。

「厚生労働省・自治体関連事業」
人手不足や社会環境の変化に直面する中で、各種モデル事業の立ち上げ(0→1)から既存施策の発展(1→10)までを一気通貫で支援し、地域に新たな価値を生み出し続ける、高齢者支援セクションにとっての信頼できる実行パートナーです。

【お問合せ・ご質問・取材のお申込みはこちら】

株式会社TRAPE 広報担当 宛

E-mail:info@trape.jp

https://trape.jp/contac

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会社概要

株式会社TRAPE

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URL
https://trape.jp/
業種
サービス業
本社所在地
大阪府大阪市淀川区西中島5-11-9 新大阪中里ビル3F
電話番号
06-6379-3580
代表者名
鎌田 大啓
上場
未上場
資本金
-
設立
2015年09月