人工知能（AI）が日本と世界の未来を変える ― 高齢化・医療・環境課題に挑む最新インサイト

企業戦略にも直結、AIがもたらす未来の生活と市場インパクト

株式会社ミンテルジャパン

2025年8月22日 10時00分

ロンドンに本社を置く市場調査会社ミンテルは、最新の無料版レポートにおいて「人口動態・健康・環境」の大きな変化に直面する消費者ニーズをAIがどう変革するのかを分析しました。世界が直面する「超高齢化」「人手不足」「医療負担」「気候変動」という課題に、AIがどのように寄与できるのかを示す内容は、日本市場にとっても極めて重要な示唆を与えます。

AIは、もはや技術者だけのものではなく、社会基盤の中にどのように取り込まれるべきか、検討されるべき存在です。

無料版レポートダウンロードはこちら：https://www.mintel.com/jp/202508-future-with-ai

高齢化社会 × AI

日本を含む先進国では、急速な高齢化が進行しています。ミンテルのシニアトレンドコンサルタントリチャード・コープ氏は次のように指摘します。

リチャード・コープ

市場調査の分野で20年以上の経験を有し、サステナビリティに関する消費者調査『Global Outlook on Sustainability（邦題：サステナビリティの世界的展望：消費者調査を基にしたグローバルレポート）』の著者であり、ケンブリッジ持続可能性リーダーシップ研究所（CISL）の持続可能ビジネス管理プログラムを修了しています。定期的な講演者兼メディアコメンテーターとして活動する一方、ミンテルのシニアコンサルタントとして、マクロトレンドと持続可能性の問題が企業とその顧客にどのような影響を与えるかを分析しています。

「AIは高齢者の自立支援を強化し、介護従事者や介護を行う家族を支える新たな力になります。認知症ケアに導入される音楽AIや、AIによる見守りシステムはすでに一部の国で実用化が始まっています。また、労働力不足を補う外国人労働者の受け入れにおいても、AIによる適切な雇用マッチングが社会統合を後押しする可能性があります。」

出典：LUCID

医療の最前線 × AI

日本でも若年層に広がるがんや生活習慣病。診断から治療、さらに医療システムの効率的な運営まで、医療現場の隅々でAIの導入が加速しています。

・乳がん検出で人による診断を上回る精度

・網膜スキャン解析による病気リスクの診断

・救急外来の負担軽減を実現する予測モデル

出典：The Lancet

さらに、メンタル不調を抱える人への「話し相手」として、AIチャットボットやアバターが心のケアをサポートする未来も近づいています。

出典：Replika

環境問題 × AI

気候変動・資源不足が深刻化する中、AIは環境分野でも強力なツールとなりえます。

・極端気象の予測精度向上

・リサイクル効率化

・生物多様性の監視・保全

この点について、リチャード・コープ氏は次のように指摘します。

「さらに、AIを活用した技術の進歩により、2030年までに温室効果ガス（GHG）排出量を5～10％削減する可能性がある一方で、AIデータセンターがもたらすエネルギー・水の膨大な消費にも目を向ける必要があります。AIは他の資源と同様に効率的かつ節度を持って使用されるべきであり、こうしたデメリットを無視して無制限に利用を拡大することは避けるべきです。結果的に環境問題を悪化させることにもなりかねません。」