井上樹彦会長 7月定例会見冒頭発言
本日行われたNHK会長定例記者会見で、井上樹彦会長が以下の通り、所感を述べましたのでお知らせします。
令和8年熊本地震について
きのう28日午後、熊本県で震度7を観測する地震が発生しました。住宅などの倒壊に加え、爆発が起きた大型商業施設や煙突が崩落するなどした工場もあり、被災地は極めて深刻な状況にあると承知しています。また、その後も震度5弱を観測する地震が3回発生するなど、発生からまもなく1日となるいまも地震活動が活発な状態です。亡くなった方やご遺族に心より哀悼の意を表するとともに、被害にあわれた方々にお見舞い申し上げます。
災害時に命を守る情報、生活に必要な情報をお伝えするのはNHKの使命です。まずは今、救助を待っておられる方々の命が助かるための情報をお届けしていきます。そして、今後の地震や土砂災害などによる2次被害や、最高気温が35度を超える厳しい暑さが予想されている中での熱中症などを防ぐ「減災報道」に力を入れていきます。また、被災された方々をはじめ現地にお住まいの方々に役立つライフライン情報を、放送・デジタルのあらゆる手段で迅速にお届けし、公共メディアとしての役割を果たして参ります。
FIFAワールドカップ2026について
次に、先日閉幕した「FIFA ワールドカップ 2026」についてです。 日本代表が目標としていた“最高の景色”を見ることは次の大会以降に期待することとなりましたが、非常に見ごたえのある試合が続きました。私自身もこの1か月余り、劇的な試合の数々や、スーパースターと言われる選手たちの華麗で唸らせるようなプレーを、テレビやスマートフォンでじっくり堪能しました。
今大会、NHKは「そのすべてを、NHKで」というキャッチフレーズのもと、日本戦の全試合をはじめ、地上波で決勝や各国の試合などを含めて34試合、また、BSプレミアム4Kでは大会の全104試合を放送し、圧倒的な臨場感をお届けいたしました。さらに、インターネットサービスの「NHK ONE」におきましても、数々の熱戦の模様をお伝えしました。「NHK ONE」では、地上波で中継した試合やデイリーハイライトなどの番組をすべて同時・見逃し配信したほか、試合を凝縮した2分ハイライトなどのショート動画、関連番組のプレイリストを豊富にそろえ、大変多くの方にご覧いただきました。世界最高峰の大会の魅力を、放送と配信を通じて余すことなくお伝えできたのではないかと考えております。
また、この大会でBSコンテンツの視聴が増えるタイミングを捉え、BSプレミアム4Kによる視聴のご案内や、衛星契約の自主的なお申し出をお願いする営業活動も積極的に展開いたしました。その結果、6月においては、インターネットを通じた衛星契約の新規契約や契約変更のお申し出が、前年度の同時期と比べて2倍を超える実績となっております。引き続き、NHKのサービスの価値をしっかりとお届けし、受信料の公平負担につなげてまいります。
情報棟について
3点目は、情報棟についてです。 これまで進めてまいりました、放送設備・システムの整備やテスト、運用訓練などが順調に進み、本格運用開始の準備が整いつつあります。これを受けまして、8月から9月にかけて、段階的に本格運用を開始することといたしました。その際には情報棟の新しいスタジオからの放送・配信を視聴者の皆さまにお届けできると思います。番組によってはスタジオの背景が大幅に変わるなどの刷新感もありますが、信頼できる情報を迅速に伝えるというNHKの使命はなんら変わりはありません。
運用開始の具体的な日程につきましては、災害報道をはじめとする緊急対応などで変更となる可能性があり、あらかじめお知らせすることは控えさせていただきます。節目となる放送や配信が始まりましたら、そのつどお知らせいたします。
情報棟は、NHKの報道・情報発信の新たな拠点であり、日々のニュースや情報番組、国際放送といった多様なメディア・コンテンツの発信を順次始めてまいります。同時に、情報棟は首都直下地震などの大規模災害時にも、途切れることなく着実に放送・配信を続ける、防災・減災報道の拠点としての役割も担います。まさに、視聴者・国民の皆さまの命と暮らしを守る、公共放送NHKの使命を果たすための拠点となります。 現在の放送センターから情報棟への移行は、NHKにとって非常に大きなプロジェクトです。本格運用を円滑かつ確実にスタートできるよう、引き続き万全を尽くしてまいります。
全国高校野球選手権大会について
4点目は、8月5日に開幕する「第108回全国高等学校野球選手権大会」についてです。 NHKでは、テレビとラジオでの中継とともに、決勝までのすべての試合をインターネットサービス「NHK ONE」で同時・見逃し配信することになりました。
前回大会までは、権利の関係で、同時・見逃し配信ができませんでしたが、去年10月に改正放送法が施行され、インターネットサービスが必須業務となり、大会主催者である朝日新聞と日本高等学校野球連盟の方々にご理解をいただきました。
視聴環境に合わせて、スマートフォンなどでいつでもどこでも熱戦をお楽しみいただけますので、ぜひ、多くの方にご活用いただきたいと思います。
後期改定・夏の特集について
5点目は、後期番組改定と夏の特集についてです。 本日、後期の番組改定について発表いたしました。総合テレビでは、新たな連続テレビ小説「ブラッサム」や、来年1月からは大河ドラマ「逆賊の幕臣」がスタートいたします。また、夜11時台には「経済バックヤード」と「未来予測反省会」を新設します。Eテレでは、「アニメ パンどろぼう」がスタートするほか、人気番組「ねほりんぱほりん」の新シリーズも始まります。引き続き、各波において編成のさらなる定着をはかってまいります。
続いて、夏の特集です。この夏も、NHKでは「戦争と平和」に向き合う番組をさまざまな切り口でお届けします。詳しくは先日リリースした報道資料でご紹介していますが、総合テレビでは、原爆ドーム世界遺産登録までの攻防を描いたNHKスペシャルや、特集ドラマ「手塚治虫の戦争」などを放送します。Eテレでは、戦時下の東京大学の実像に迫った「ETV特集」のほか、「天才てれびくんgrow」といった子ども番組や、「ハートネットTV」といった福祉番組でも関連企画を放送します。また、世界各地で緊迫した情勢が続く状況をふまえ、BSスペシャルでは中東情勢など世界の動きにフォーカスした特集を放送いたします。このほか音声波も含めて、多彩な切り口で幅広い世代の皆さんに戦争の記憶や教訓と向き合い、未来を考えるきっかけになる番組をお届けしたいと思っております。ぜひご覧いただければと思います。
※質疑応答を含む会見全体の要旨は後日、NHKホームページに掲載します。
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